家を建てる前にチェックしておきたいポイントのひとつが「日当たり」です。家を建てたあとに、日当たりが悪くて暗さや寒さに悩み、後悔する人は少なくありません。

そこで今回は、日当たりの悪い家にはどんな困りごとがあるのか、後悔しやすいポイントや日当たりや悪くなる原因、後悔しないための5つの対策を紹介します。これからマイホームを検討中の方は、快適な暮らしのカギとなる日当たりについて、ぜひ注目してみてください。

日当たりが悪い家で後悔しやすいポイント

日当たりが悪いと、光熱費や心身にも影響をきたす可能性があります。ここでは、住んでから後悔しやすいポイントを5つ紹介します。

昼間も暗い

日当たりは、室内の明るさに直結します。日当たりが悪いと日中も薄暗く、照明をつけなくてはならないため、不便なだけではなく光熱費もかさみます。

朝日が入りにくいことで、すっきり目覚められなかったり、室内の観葉植物が育ちにくかったりするデメリットもあります。部屋の明るさは生活全般に影響がおよぶため、後悔のポイントになりやすいでしょう。

寒くて暖房が手放せない

部屋に日光が差し込まないと昼間でも温度が上がりにくいため、寒さを感じやすくなります。冬の冷え込みがなかなか解消されず、一日中暖房をつけっぱなしにするような日々が続くと、電気代が大きく跳ね上がり家計を圧迫します。

日当たりの悪い家では、晴れた屋外より、家の中の方が寒く感じる場合もあるため、日当たりの良い家に比べると体への負担もかかります。特に北海道などの寒冷地で家づくりをする際は、日当たりへの配慮が必要です。

湿気がこもりカビが発生する

日当たりが悪いと湿気がこもりやすく、じめじめとした居心地の悪い空間になりがちです。特に湿気の多い梅雨時は、それほど気温が高くなくてもエアコンの除湿機能の使用時間が増え、電気代がかさんでしまうと考えられます。

また、結露によって窓ガラスにたまる水滴をこまめに拭き取らないと、カビの発生にもつながります。湿気やカビは建物や家具の寿命に影響を与えるだけでなく、住んでいる人の健康にも悪影響を及ぼす可能性も少なくありません。家具の買い替えや家の補修などによって、出費が増えることも懸念されます。

洗濯物が乾きにくい

日当たりの悪い家では、部屋の中だけでなく庭やベランダでも日光が届きにくい場合があります。洗濯物を外に干しておいてもすっきり乾かず、生乾きのにおいがしたり家事が滞るストレスを感じたりするなどのデメリットが生じます。

洗濯物を乾かすための除湿器や洗濯乾燥機の購入などで出費が増えたり、電気代がかさんだりする可能性もあるでしょう。

気分が落ち込みやすい

日光に当たらない生活が続くと、体内時計も整いにくく、気持ちも不安定になりがちです。部屋の暗さや寒さ、湿気による不快感や家事の手間が増えるストレスなどもあわせて、日当たりの悪い家は気分の落ち込みやすさにもつながる可能性があります。

日当たりは、住む人の気分や心持ちなどにも影響を及ぼすおそれがあることを確認しておきましょう。

日当たりが悪くなる3つの原因

家の日当たりが悪くなる原因は、大きく分けて以下の3つが考えられます。家を建てる前に日当たりが悪くなる要因はないか、検討してみましょう。

方角が悪い

日当たりを大きく左右するのは、建物の向きです。具体的には、東向きの家は朝日の当たる時間帯だけ明るい、西向きは夕方の短い時間だけ強い日差しが差し込むなど、それぞれの向きで特徴が異なります。

北向きの家は日当たりが悪く、昼間でも暗くなりがちです。基本的に、光の取り入れやすさは南、東、西、北の順に低くなります。土地選びの段階から日当たりは影響するので、日当たりを重視するなら南向きの土地を選ぶと良いでしょう。

間取り・窓の位置が悪い

日当たりの良い南向きの家でも、間取りや窓の位置によっては日光を取り込みにくい場合があります。たとえば、部屋が縦長に広がる間取りでは、光が奥まで届かず日中も暗いままの空間が生まれやすいでしょう。

目覚めたときに朝日を浴びたいなら東側に寝室、家族が集まる空間を明るくしたいなら日中も光が入りやすい南側にリビングを配置するなど、日当たりを考慮した間取りの検討が必要です。日の差し込む角度も方角によって異なるため、窓の位置や高さも考慮しなくてはなりません。

一方で、トイレや浴室、納戸などのように用途が限られた空間では、それほど日当たりが良くなくても問題ないでしょう。

周辺の建物に日が遮られている

土地の方角が良くても、周辺の建物によって日が遮られると日当たりは悪くなります。階数の高い建物などが周辺にあると、一日中光が入りにくいケースも少なくありません。

このほか、住宅密集地では隣家との距離が近いために、同じ階層の住宅でも日当たりに影響が出るほか、プライバシーの観点から窓を大きくできないといった問題も生じます。家を建てる前は周辺に建物がなく日当たりは良好だったものの、建築後に周りにマンションが建って日が当たらなくなるケースもあります。

建築前にチェック!日当たりで後悔しないための5つの対策    

日当たりの良い家を建てるには、建築前に周辺環境のチェックやシミュレーションをしておくことが重要です。ここでは、日当たりで後悔しないための5つの対策を紹介します。

1.【土地選び】周辺環境や建物の配置を確認する

家の日当たりは、土地選びで大きく左右されます。まずは、土地の周辺環境や建物の配置を確認しましょう。

図面上では方角をチェックし、どの方向から日が当たるのかを確認します。そして実際に土地に足を運び、どの程度日が当たっているかをチェックしましょう。季節や時間帯によっても太陽の方角は変わるので、朝・昼・夕方で日当たりがどう変わるのかも確認しておくと安心です。

また、周辺に日を遮る建物はないか、隣の家との距離は近すぎないかなどもあわせて確認しましょう。建物以外にも、隣地との高低差、道路幅、電柱や樹木の位置によって日が遮られる場合もあります。現在は建物がなくても、周辺に空き地があると将来建築されるおそれもあるため、役所に何が建設されるのかなどについて問い合わせてみるのもひとつの方法です。

2.【設計段階】日当たりシミュレーションをする

設計の図面ができたら、CADソフトや無料アプリで日照シミュレーションを実施するのがおすすめです。日当たりは太陽高度・方位・季節・時間帯などによって変化しますが、土地選びの段階で長期間現場に通って動きをチェックするのは現実的ではありません。冬場に夏の日当たりはわかりませんし、時間を変えて何度も現地を訪れるのも難しいでしょう。日照シミュレーションで複数の案を比較して、最適な庇(ひさし)の長さや窓位置について検討すると効率的です。



この画像のように、時間帯によっても日の当たり方は大きく変わるので、目で見えるシミュレーションの実施は建築後の後悔を防ぐために有効です。

3.【窓】大きさ・設置位置に注意する

隣の家との距離が近く大きな窓をつくりにくい場合は、目線より高い位置に横長の窓を作ると光だけを効率よく取り込めます。周辺を建物に囲まれて日が当たりにくい物件でも、天窓を設ければ、真上から自然光を取り入れられます。


洗面所やトイレなど、特にプライバシーを重視したい空間には、小さな明り取りの窓をつけたり、外壁に面しない室内に室内窓を設けたりして光を届けるだけでも、明るさを確保しやすくなります。

4.【間取り】吹き抜け・2階リビング・中庭を取り入れる

1階に太陽光が入りにくく暗くなりがちな住宅が密集するエリアでは、2階にリビングを設けると、外部からの視線を気にせず光をたっぷり取りこめて、冬も暖かく過ごせます。
1階のリビングを明るくするには、吹き抜けや中庭を設けるのも有効です。


中庭は、プライバシーを確保しながら、自然光だけでなく家全体の通風も効率アップできるのが魅力です。

このほか、雨除けの庇を短くしてできるだけ日が当たるようにしたり、壁紙を白系統にして反射によって室内を明るくしたりする方法も有効です。

また、内面が鏡状になっている管を設置し、屋上などから太陽光を取り込み、反射で階下の部屋に光を届ける「光ダクト」を活用する方法もあります。直射日光による日焼けや温度の上昇は防ぎながら、窓がない空間に自然光を取り込めるのが特徴です。

5.【価値観】家族の生活スタイルに合わせる

日当たりの良い家はメリットも多いですが、単純に光を取り入れることが正解とも限りません。それぞれの家族の生活スタイルによって、必要な光の量は異なります。たとえば、朝型の生活スタイルの家庭には東向き、日中家を空ける頻度が多い家庭なら日当たりは重視しないなど、必要に応じた採光の計画が必要です。

どの部屋、どの時間帯に光が必要か把握し、間取りや設計を検討しましょう。ここからは、部屋別に、生活スタイルに合わせたおすすめの間取りを紹介します。

・寝室
気持ちよく目覚められるよう起きてすぐ朝日を浴びたい場合は、寝室を東向きにつくり、午前中の日差しを取り込みやすいような大きな窓を設置すると良いでしょう。反対に、早起きはしないという生活スタイルの方には、西向きの寝室も適しています。

・リビング家族が集まってゆったり過ごす時間を大切にしたい場合は、日中光が入りやすい南向きにリビングを設けるのがおすすめです。大きな窓や吹き抜け、天窓などで太陽光を取り入れるのも良いでしょう。冬場は太陽光で暖まるので、暖房費の節約にもなります。

・書斎
家で仕事や細かい作業をする人は、時間帯に合わせて光が入りやすい方角を選びましょう。朝から日中にかけて在宅で仕事をするなら、書斎は部屋が明るくなる南東向きがおすすめです。ただ、パソコン作業が多い場合は、日差しが反射して画面が見えにくくなるおそれがない北向きの部屋が適しています。


【自分でできる】日当たりの悪さを軽減する方法

実際に住んでみたら日当たりが悪く、後悔している方もいるでしょう。ここでは、既存住宅の間取りや設計は変えない範囲で、日当たりの悪さを軽減する方法を紹介しますので、ぜひ試してみてください。

照明・インテリアを工夫する

日当たりが悪く部屋の暗さが気になるときは、部屋全体を明るくしてくれるLEDに照明を交換しましょう。演色性の高い LEDを使用すると、同じ照度でも自然光に照らされたように鮮やかに物が見えるといった特徴があります。

照明の種類も、部屋の広さや用途によってシーリングやデスクライト、間接照明などを組み合わせながら設置することで、必要な場所に必要な明るさが確保できるでしょう。

また、部屋の壁紙を白やベージュなどの明るいカラーにしたり、鏡を置いたりすると、光の反射によって部屋を明るくできます。

カーテンの代わりに、光を通しやすい素材の障子風のスクリーンを設置するのもおすすめです。しっかり目隠しをしながら明るさを確保してくれるので、1階の部屋にも使いやすいでしょう。

断熱性を高めて暖房を効率よく使う

日当たりの悪さから室温が上がらず、暖房の使用頻度が増えて電気代が高くなる場合には、断熱性能を高める工夫をしてみましょう。冷気や暖気は、主に窓から出入りします。厚みのある断熱シートを窓に貼れば、窓からの冷気を防いで断熱効率を高められます。

貼るタイプのほかに、置くだけで効果を発揮するプラスチック製段ボール、断熱性能の高いカーテンなどもあるので、間取りに応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。

部屋全体を暖めるのに時間のかかるエアコン以外に、瞬時に暖まるヒーターを併用したり、床に保温性の高いラグやカーペットを敷いたりすると、効率的に部屋を暖かく保ちながら光熱費も節約できます。

除湿機やエアコンを活用する

カビの発生や洗濯物が乾きにくい問題の対策には、除湿機やエアコンの除湿機能の活用、定期的な換気が有効です。24時間換気システムが設置されている住宅では、常時稼働させておきましょう。また、給気口が家具などでふさがれていないか確認し、給気口・排気口のフィルターもきれいにして換気効率を高めることも必要です。

窓が複数なく換気しにくい部屋では、サーキュレーターなどで風の流れを作るのもおすすめです。洗濯物の室内干しをする際も、サーキュレーターで風を送ると乾燥しやすくなります。

ほかにも、調湿効果のある珪藻土クロスやタイルなどの内装材を活用する方法もあります。

日陰でも育ちやすい観葉植物を置く

日が当たらないことで気分が落ち込みがちなときには、日陰でも育ちやすい観葉植物を部屋に置いてみるのはいかがでしょうか。ポトスやモンステラ、ドラセナなど、直接日光が当たらない半日陰でも育ちやすい観葉植物はいろいろあります。部屋に緑があると気分も落ち着き、リラックスしやすくなるでしょう。

また、日照時間が短いなど、厳しい環境の北欧でおうち時間を楽しむために生まれた概念「ヒュッゲ」を参考に、お気に入りのインテリアを置いて居心地が良い空間づくりをするのもおすすめです。
木目や自然を基調としたシンプルな内装やインテリアを意識したり、キャンドルを灯してリラックスしたりと、穏やかな時間を過ごす工夫をしてみましょう。

【プロに依頼】リフォームで日当たりの悪さを改善する方法    

既存住宅で日当たりの悪さを根本的に解消するには、プロに依頼してリフォームする方法もあります。光を多く取り入れるために、高窓や天窓などを増設したり、屋根から取り込んだ太陽光を各部屋に届ける光ダクトを設置したりする方法があります。寒さの解消には、断熱性能の高いサッシなどに交換するなどの手段も有効です。

2階にリビングを移す、吹き抜けや中庭をつくるなど、間取りを変更するリフォームもあります。まずは、現状の日当たりやリフォームの可能性について、信頼できる工務店に相談してみましょう。

日当たりで後悔しない家づくりのご相談は竹内建設へ

暮らしに寄り添い、ロングライフデザインに力を入れている竹内建設では、新築のほかにリフォームや増改築、リノベーションまで幅広く対応しています。

エアコン1台で家中の換気が可能な自然換気システム「BAQOOL」や、ほぼ「無暖房住宅」と言えるほど高い断熱性能を持つ断熱材を取り入れるなど、快適な室温や湿度を保つ取り組みも行っています。

新築やリフォーム、断熱性能などを詳しく知りたい方は、こちらからお問い合わせください。
▶お問い合わせはこちらからどうぞ。

日当たりの良い家をご検討中の方も、既存住宅で日当たりの悪さにお悩みの方も、ぜひ一度竹内建設までお気軽にご相談ください。

まとめ

日当たりは、室内の明るさや温度、湿度のほかに住む人の心身にも影響を与える重要な要素です。家を建てる際には、方角や周辺の環境などから日当たりをチェックしましょう。家を建ててから後悔しないように、間取りや窓の位置などで光がどのように取り入れられるか、設計段階でシミュレーションしておくこともおすすめです。

家を建ててからでも、窓の増設や設備の変更といったリフォームで日当たりを大幅に改善できる場合もあります。日当たりについて気になる点は、信頼できる工務店に相談してみましょう。

電気代の高騰や脱炭素が叫ばれる今、注目を集めているのが「ZEH(ゼッチ)」です。ZEHとは、“光熱費がほぼゼロ” の住宅のこと。省エネ性能の高い住宅の購入を検討する中で、ZEHに関心がある方は多いでしょう。しかし、実際に調べてみると「情報が整理できない」「自分にZEH住宅が向いているのか分からない」と悩む方も少なくありません。

そこで、この記事ではZEHの基礎知識やメリット・デメリット、活用できる補助金や税制優遇、ZEH住宅の施工事例についてご紹介します。ZEH住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

【ZEH(ゼッチ)とは】エネルギー収支ゼロ以下の家

近年では、世界的に持続可能な社会に近づくために「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」を目指す動きが加速しています。

日本も、2050年までに脱炭素社会の実現を目標に取り組んでいる最中です。その取り組みの一環として、2030年にはすべての新築住宅で「ZEH基準」を目指しています。

では、ZEHとは、どのような住宅なのか。ZEHの意味やZEH住宅の特徴をご紹介します。

参考:経済産業省「ZEHロードマップ」

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略

ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語であり、1年間に使用する住宅の一次エネルギー量がおおむねゼロ以下になる住宅を指します。

一次エネルギーとは、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)、原子力燃料(ウラン)、自然エネルギー(太陽光・風力・地熱)など自然界から得られるエネルギーです。

ZEHは「使うエネルギー≦創るエネルギー」を目指す家

ZEHは年間のエネルギー収支をゼロにするだけでなく、太陽光発電などによって創出されるエネルギーが消費エネルギーを上回り、余剰エネルギーが発生する状態を目指した住宅です。

ZEH実現のためには、建物の省エネ性と断熱性を強化したうえで、太陽光発電などによりエネルギーを創出する必要があります。断熱強化や高効率設備の導入に加えて、太陽光発電などの創エネ機能が備わった住宅を「ZEH基準」として設定しています。

具体的には、断熱性能や省エネ設備導入などで20%以上の省エネを満たしたうえで、太陽光発電などでエネルギーを創り、エネルギー収支ゼロまたはマイナスを目指すものです。

対象となる住宅は「新築戸建住宅」であり、住宅の設計段階で評価する必要があります。

参考:経済産業省「ZEHロードマップ」

【ZEH住宅の仕組み】断熱・省エネ・創エネで実現

ZEH住宅には「断熱」「省エネ」「創エネ」の3つの要素が必要であり、細かい条件が定められています。それらの条件を満たしZEH住宅として認定されると補助金を受けられ、建設費用の負担を軽減できます。

ここでは、ZEH住宅に求められる3つの要素について、それぞれ解説します。

【断熱】家全体の断熱性能を高める

ZEH基準のひとつは、高い断熱性能です。

断熱性能の評価の指標となる「断熱等級」は、住宅の性能がどれくらいかを示す「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって規定されています。等級は全7段階で、数字が大きいほど断熱性が高いとされています。

2025年4月以降の省エネ基準は断熱等級4以上ですが、ZEH基準では断熱等級5以上をクリアしなければなりません。

ZEH基準の断熱性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)が0.4〜0.6以下とされています。UA値とは、住宅の外壁や窓、屋根などからどれくらい熱が逃げるかを数値化したもので、値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを示します。

UA値は建設予定地の気候によって異なり、下表のように8地域に分類されています。

外皮平均熱貫流率(UA値)の基準


参考:経済産業省「ZEHロードマップ」

外皮の断熱性能を高めることで、冬の暖房や夏の冷房のエネルギー消費を減らし、快適な住まいをかなえられます。

【省エネ】エネルギー消費の少ない設備を使う

ZEHの高断熱基準を満たしたうえで、エネルギーを上手に使うためには「空調設備(冷暖房)」「換気設備」「照明設備」「給湯設備」などの高効率化が求められます。「高効率エアコン」や「高効率給湯器」などのエネルギー消費が少なくて高効率な設備の設置が必須です。

参考:経済産業省「ZEHロードマップ」

【創エネ】太陽光発電などでエネルギーを創る

ZEH住宅には、エネルギーを創り出す設備の導入も必要で、太陽光発電の導入が強く推奨されています。ZEH住宅は「高断熱基準」「設備の効率化」で20%以上の省エネを満たしたうえで、太陽光発電などでエネルギーを創り、消費した分を上回る必要があるのです。

ただし、屋根が小さい住宅や日が当たりにくい住宅では、エネルギー創りに限界があるため、住む環境や地域を考慮して住宅性能が評価されます。

参考:経済産業省「ZEHロードマップ」

3つの要素で基準一次エネルギー消費量を100%以上削減

ZEHと認められるには、高断熱、省エネ、創エネの3要素によって、エネルギーの消費量を20%削減し、太陽光発電などでエネルギーを創る(=100%以上削減)必要があります。

戸建住宅のZEHの種類

戸建住宅のZEHには、「ZEH」「ZEH+」「Nearly ZEH」「Nearly ZEH+」「ZEH Oriented」の5種類があります。これらは、エネルギー消費量の削減率や断熱性能、創エネ設備導入の有無などで区別されています。

戸建住宅におけるZEHの種類と基準の違いを、次の表で見ていきましょう。


参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ「ZEHWeb そもそもZEHとは?」
参考:経済産業省「令和7年度以降におけるZEH+(Nearly ZEH+)の定義変更」

※1 一般住宅と比較したときの一次エネルギー消費量の削減率


◆ZEH+
「ZEH+」とは、ZEHの最上位基準です。

ZEHの一次エネルギー消費量は、断熱+省エネによる削減率20%以上、創エネを含めて100%以上の住宅に適用されます。

一方でZEH+は、断熱+省エネによる削減率30%以上、創エネを含めて100%以上であり、ZEHを上回る省エネ基準が求められます。さらに、以下の項目のうち、1項目をクリアした住宅もZEH+として認定されます。

⚫︎再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置(家庭で発電した電気をできるだけその場で使えるようにして、電気の購入を減らすこと)の導入
⚫︎住宅内部の冷暖房、給湯システムを制御できる住宅エネルギーマネジメントシステム(HEMS)を設置


◆Nearly ZEH
Nearly ZEHとは、寒冷地や低日射地域、降雪量が多い地域など、太陽光発電による創エネが十分にできない地域を対象とした基準です。

断熱+省エネによる削減率20%以上、創エネを含めて75%以上100%未満の一次エネルギー消費量を削減した住宅に適用されます。


◆Nearly ZEH+
Nearly ZEH+は、Nearly ZEHと同様に、太陽光発電による創エネが十分にできない地域を対象としています。

断熱+省エネによる削減率30%以上、創エネを含めて75%以上の一次エネルギー消費量を削減した住宅と、以下の項目のうち、1項目をクリアした住宅がNearly ZEH+として認定されます。

⚫︎再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置の導入
⚫︎住宅内部の冷暖房、給湯システムを制御できる住宅エネルギーマネジメントシステム(HEMS)を設置

参考:経済産業省「令和7年度以降におけるZEH+(Nearly ZEH+)の定義変更」


◆ZEH Oriented
ZEH Orientedとは、都市部などの住宅密集地で土地が狭く、創エネが十分にできない地域が対象です。断熱+省エネによる削減率が20%以上、創エネを含めて75%未満の住宅に適用されます。再生可能エネルギー設備を導入していない場合でも、基準を満たしていればZEH補助金を受け取れます。

ZEHの種類それぞれの基準は、ZEH化に向いていないような地域でもZEH住宅の建築ができるように設定されています。

ZEH住宅に住む7つのメリット

ZEH住宅に住んだ場合、具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

1.光熱費を削減できる

ZEH住宅は光熱費を削減できて、ランニングコストを抑えられます。

ZEH基準のように断熱性能が高いと、外部からの熱の侵入や、室内の熱が逃げるのを防ぐため、冷暖房の効率が向上します。その結果、冷暖房の使用が減らせるので、光熱費を大幅に抑えられるのです。

2.一年中快適な環境をつくれる

ZEH住宅では、夏は涼しく冬は暖かい、一年中快適な生活が送れます。ZEH住宅は、家の中の隙間を減らし外気の侵入を最小限に抑えた高気密構造と高い断熱性能によって、室内の温度差を小さくしています。

これにより、夏は日射熱を室内へ入れず、冬は室内の暖かい熱を外に逃がさない状態をつくり、年間を通して過ごしやすい住環境を保てるのです。

3.ヒートショックのリスクを低減できる

室温が均一になると、住居内の急激な寒暖差が引き起こす血管や心臓の疾患「ヒートショック」のリスクを低減できます。

東京都健康長寿医療センター研究所が東日本を対象に実施した調査によると、2011年の1年間で入浴中に亡くなった方は約1万7,000人にも上ったといわれています。大半が冬に発生している点からも、家の中の温熱環境を整えることは、健康な暮らしに欠かせないといえるでしょう。

ZEH住宅の高断熱・高気密構造は、室内の温度を安定させ、安心・安全な住環境を実現できます。

参考:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「2011年一年間に約17000人が入浴中に死亡」

4.CO2排出量を削減できる

ZEH住宅は、太陽光発電などを活用してエネルギーを自給自足し、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)の消費量を減らすことで、CO2排出量を削減します。ZEHは環境負荷を低減し、脱炭素社会にも貢献する住宅です。

5.資産価値の維持・向上が期待できる

ZEH住宅は、資産価値の維持・向上が期待できます。

高い省エネ性能により光熱費を削減でき、環境性能も向上するため、不動産市場での評価も高くなるケースが多いです。売却する場合も、プラス評価につながる可能性は高いでしょう。

6.停電時にも電気が使える

ZEH住宅は、太陽光発電システムと蓄電池を導入すれば、停電時でも電気が使えます。太陽光発電システムは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し、蓄電池に貯めておけるので、必要なときに使えます。

停電時や災害時には蓄電池に貯めた電気を使って照明や家電製品を動かせるので、安心です。

7.補助金を活用できる

ZEH住宅の建設や購入には費用がかかりますが、国から「ZEH補助金」を受け取れます。ZEH補助金制度を活用すれば、初期費用など経済的な負担を軽減できるでしょう。

ZEH住宅のデメリットと対策

ZEH住宅には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。対策も交えてご紹介していきます。

発電量は天候によって変わる

ZEH住宅の太陽光発電による発電量は、天候によって大きく変動します。晴天時には十分な発電が可能ですが、曇りや雨の日、冬場の日照時間が短い時期には、十分な発電は期待できません。

【対策】
天候による発電量の変動を緩和するには、電気を貯めておける蓄電池を併用したり、太陽光発電を設置しないZEH Orientedを選択したりする方法があります。ZEH住宅を計画する際には、居住予定である地域の日照時間を考慮し、太陽光発電の発電量を見積もったうえで、費用対効果をシミュレーションしておきましょう。

初期費用やメンテナンス費用がかかる

ZEH住宅は、高断熱・省エネ・創エネ機能を備える必要があるため、初期費用やメンテナンス費用が高くなる場合があります。

【対策】
国や自治体の補助金制度を活用して、ZEH住宅の建築や購入などの初期費用を抑えられます。ただし、ZEHビルダーとして登録されたハウスメーカーや工務店を利用して建てないと、補助金を利用できないため注意しましょう。

太陽光発電システムの維持・管理でメンテナンス費用がかかりますが、光熱費の削減や資産価値の向上など、長期的に見るとコストパフォーマンスは高いといえます。

間取りや外観のデザインに制約が出る場合がある

ZEH住宅は、太陽光発電設備を設置する際に屋根の形状や間取りが制限されるケースがあります。ZEH補助金申請後は、設計の変更ができない点にも注意しましょう。

【対策】
工務店なら自由度の高い家づくりができるため、柔軟な対応が期待できます。ただし、ZEH住宅の建設には、専門的な知識と技術が必要です。ZEH住宅の設計や施工に経験豊富な専門家がいる建設会社を選びましょう。

ZEH住宅で活用できる補助金と税制優遇

ZEH住宅を建てるとどれくらいお得なのか、国や地方自治体から受け取れる補助金と税制優遇をご紹介します。

ZEH補助金

ZEH補助金は、高断熱性能や高効率設備など、省エネ性能の高い住宅の建築・購入を支援する補助金制度です。

ZEH補助金の補助金額と概要、申請期間は以下のとおりです。


参考:環境省「戸建てネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化等支援事業」
参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ「ZEHWeb そもそもZEHとは?」

※1 1年度内で申請から交付まで実施される
※2 年度をまたいで事業を行える

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業とは、2025年度から始まった「省エネ住宅取得」のための補助金制度です。

子育てグリーン住宅支援事業の補助金額と対象住宅、申請期間は、次のとおりです。


参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業の概要」

※1 基礎以降の工事が2024年11月22日以降に着工、床面積が50㎡以上240㎡未満
※2 断熱性能等級6以上、一次エネルギー消費量35%以上の削減率などの基準を満たす住宅
※3 「18歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが39歳未満の世帯」
※4 耐震性、耐久性などの基準を満たした住宅

申請受付期間でも、予算の上限に達すると受付が締め切られるため、早めに申請しましょう。

住宅ローン減税を受けられる

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得・増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。

ただし、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅で「省エネ基準」を満たさない住宅は控除適用外です。

住宅ローン減税の借入限度額や控除期間は、住宅性能などによって区分されます。


参考:国土交通省「住宅ローン減税」

※1 「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」
※2 二酸化炭素の排出量を抑えた住宅
※3 断熱等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅

贈与税の非課税枠の引き下げ

贈与税の非課税枠の引き下げとは、住宅を購入する際に直系尊属(親や祖父母)から資金援助を受けると、最大1,000万円までを非課税とする特例です。

下表のように、非課税になる金額は住宅の性能によって異なります。


参考:国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」

※1 「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」「耐震等級2以上または
免震建築物」「高齢者等配慮対策等級3以上」の住宅

フラット35の金利の引き下げ

フラット35の金利引き下げとは、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」の金利を、標準金利(店頭金利)から引き下げる制度です。

下表のように、世帯人数や特定条件を満たす住宅など、さまざまなメニューが用意されています。


参考:住宅金融支援機構「フラット35 金利引き下げメニュー」

ZEH住宅の申請の流れ

ZEH住宅の補助金申請の大まかな流れは、以下のとおりです。


1.ZEHビルダー(ZEH登録建築事業者)・プランナー(ZEH登録設計事業者)に相談・設計
2.金融機関によるローン審査・契約
3.ZEH補助金の申請・審査・交付決定
4.着工
5.ZEH住宅完成後に実績報告書を提出
6.ZEH補助金の入金


補助金申請には、「ZEHビルダー」または「ZEHプランナー」に登録された事業者に依頼する必要があります。ただし、建築主個人でも「ZEHポータル」から申請できます。

また、工事着手前に申請しなければなりません。着工済み案件は対象外となるため、申請のタイミングを確認しておきましょう。

ZEH住宅の施工事例3選

ここでは、竹内建設が建てたZEH住宅の施工事例をご紹介します。これからZEH住宅を検討する方は、ぜひ参考にしてみてください。

太陽光発電と空気循環を意識した快適な平屋のお家


太陽光発電システムでエネルギーを創り出し、断熱性能と空気循環で消費エネルギーを抑えられる平屋建てZEH住宅の事例です。

平屋建てに太陽光発電システムを取り入れると、広い屋根面積を活かして大容量パネルを設置できます。パネルが大きくなると発電量を増やせるため、効率的に発電できます。

また、平屋建ては2階建てよりも屋根にアクセスしやすく、足場を組む必要がないため、太陽光発電システムのメンテナンスコストを削減できる可能性があります。


広々とした玄関ホールからはリビングや洗面室、ファミリークローゼットにもつながっていて、帰宅後の動線もスムーズです。扉をなくすことで自然換気も促せて、冷暖房効率の向上も期待できます。


大きい窓のある明るいリビングは、天井の骨組みを見せた「梁見せ天井」を採用し、ダイナミックな印象です。天井材がないことで、空気が循環しやすくなります。

リビングの窓からは外のウッドデッキに出られます。夏の涼しい夜はウッドデッキで過ごすなど、電気に頼らない日もつくれるでしょう。

この事例から、太陽光発電と平屋建て住宅は、相性が良いことがわかります。

寒冷地でも自然な空気の流れで高い省エネを実現したお家


寒冷地向け基準の Nearly ZEH を満たし、空気循環で省エネ性能を高めた平屋建ての施工事例です。

冬は屋根に雪が積もるほどの寒冷地であるため、太陽光発電では十分なエネルギーを創出できません。

そこで、特許取得の換気システム「BAQOOL(バクール)」を取り入れ、−20℃の極寒の北海道でもエアコン一台で快適な空間と高い省エネ環境を実現しています。BAQOOLとは、機械設備を用いずに自然な空気の流れだけで家全体を換気できるシステムです。床下で暖めた新鮮な外気を、家全体に効率よく循環させて暖めます。


玄関に入ると洗面室とキッチン、リビングとつながっていて移動しやすい間取りです。扉を設けないことで、効率よく空気が循環します。

キッチンは室内干しもできるランドリールームにつながっていて、家事効率も抜群の動線です。

光熱費が上がりやすい寒冷地でも上手に省エネ性能を取り入れ、暖房効率を上げている施工事例でした。

エネファームで創られた電気とお湯をムダなく活用した省エネのお家


自宅で発電できる「エネファーム」で省エネ性能を高めて、太陽光発電がなくても ZEH Oriented の基準を満たした2階建ての施工事例です。

エネファームとは、都市ガスやプロパンガスを燃料として水素と酸素でエネルギー(電気とお湯)を創る、家庭用燃料電池システムを指します。発電時に発生する熱を無駄なく利用するため、エネルギー利用効率が非常に高いのが特徴です。


リビングやキッチン、各部屋の壁には、エネファームで創られた温水を利用した「温水ラジエーター(パネルヒーター)」を設置していて、冬でも暖かく過ごせます。

温水ラジエーターは薄いパネル型やパイプ型なので、インテリアやお部屋の雰囲気を邪魔しません。キッチンやトイレなどの限られたスペースにも設置できるのが魅力です。


洗濯物を干せるランドリールームのタオル掛けにも、温水ラジエーター「タオルウォーマータイプ」が導入されています。タオル掛けと暖房の2役をこなすので、洗濯効率もアップします。

エネファームと温水ラジエーターの組み合わせたシステムは、発電した電気をヒーターなどに利用することで省エネ効果を高め、ZEHの条件を満たしやすくなります。

寒冷地や都市部だからとZEHを諦めず、施工事例のように省エネ効率を上げて基準を満たし、理想の住まいをかなえましょう。

ZEH住宅のご相談は竹内建設へ

ZEH住宅でお悩みでしたら、ZEHビルダーとして積極的に普及に取り組んでいる竹内建設へご相談ください。

竹内建設では、今後の目標である「ZEH普及率100%」を目指し、ZEHビルダー登録事業者としてZEHの支援事業に取り組んでいます。高断熱・高性能設備によって消費エネルギーを削減しながら生み出す、経済的で省エネ性能の高い家づくりをお手伝いします。

「光熱費を削減できる未来基準の家づくりがしたい」
「災害の停電時にも家族の安全を守りたい」

家づくりで、こうしたご要望がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

▶︎お問い合わせはこちらから

まとめ

ZEHとは、家庭が年間で消費するエネルギーよりも、太陽光発電などの再生可能エネルギーで創出するエネルギーを多くして、エネルギー自給自足を目指す住宅を指します。

ZEH住宅は、従来の住宅よりも大幅にエネルギー消費量を削減し、光熱費の節約や快適な住環境の実現につながるなどのメリットがあります。一方で、ZEHに必要な設備を導入するには費用が高くなりやすいといった点はデメリットです。費用負担を抑える対策として、「ZEH化」を支える国の補助金制度を活用しましょう。

補助金を活用できる今こそ、「ZEH住宅」を建てる大きなチャンスです。戸建て住宅の新築・購入を考える方は、ぜひ検討してみてください。

YouTubeにてルームツアーを公開しました。

今回は新築したてのオーナー様のおうちをご紹介します。
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持ち家と賃貸、どちらを選ぶべきか、将来を考えるとき悩ましい問題です。2023年に実施した総務省の調査によると、住宅全体に占める持ち家の割合は約61%、借家は約35%でした。このように、老後まで見据えた住まいとして選択するのは「持ち家」という考え方が主流です。一方で最近では、あえて身軽な「賃貸」に住み続ける方も増えています。

しかし、実際に老後の住まいを検討してみると「持ち家と賃貸、どちらにもメリットとデメリットがあって決められない」と悩む方も多いでしょう。

そこでこの記事では、持ち家と賃貸のメリット・デメリット、50年間でかかる総費用シミュレーション、老後の暮らしやすさなどを比較します。家づくりで将来の暮らしに悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

参考:総務省「令和5年 住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」

持ち家のメリット・デメリットを比較

持ち家とは、戸建て住宅やマンションなど、自分で所有している家のことです。持ち家には、以下のようなメリット・デメリットがあります。



持ち家の5大メリット 持ち家のデメリット
⚫︎子や孫に資産として残せる
⚫︎売却や賃貸による収入を得られる
⚫︎内装や設備を自由に設計できる
⚫︎賃貸に比べて部屋数が多い物件を選べる
⚫︎住宅ローン完済後は支出を減らせる
⚫︎固定資産税や火災保険などの支出がある
⚫︎売却が難しい場合もある
⚫︎住み替えがしにくい
⚫︎メンテナンスコストがかかる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

持ち家の5大メリット

1.子や孫に資産として残せる
持ち家の最も大きなメリットは、土地や建物が「資産」になり得る点です。近年の住宅は耐久性が向上しているので長く住み続けやすく、適切なメンテナンスを施せば子や孫に資産として残せます。

2.売却や賃貸による収入を得られる
持ち家にすると、老後資金などのお金が必要になったとき、売却によって現金を得られます。賃貸として貸し出して、収入を得る方法も選択できるでしょう。

3.内装や設備を自由に設計できる
注文住宅であれば、家族構成やライフスタイルに合わせてリフォームや建て替えも可能です。たとえば、親世帯と子世帯で同居する際や、介護が必要になった際など、状況に合わせて家をリフォーム・建て替えができるので、長く快適に住み続けられるでしょう。

4.賃貸に比べて部屋数が多い物件を選べる
ファミリー向けの賃貸物件は、3LDKが一般的です。一方、持ち家でシンプルな2階建て住宅は4LDK以上が多く、賃貸よりも部屋数や間取りの自由度が充実しています。

5.住宅ローン完済後は支出を減らせる
持ち家を購入する際に住宅ローンを組むと、月々の支払いは負担になるものの、完済した時点で住宅ローンの出費はなくなります。賃貸よりも、老後の居住費を抑えられるでしょう。

持ち家のデメリット

持ち家のデメリットも確認しておきましょう。

固定資産税や火災保険などの支出がある
家を所有すると、固定資産税などの税金を支払う義務を負います。税金の他にも、火災保険料などのコストも負担になる点はデメリットです。

売却が難しい場合もある
持ち家が劣化していたり、古くから個人の管理であったためにメンテナンスの履歴が乏しかったりすると、売るときに時間やコストがかかるケースもあります。売却や賃貸の準備が整ったとしても、買い手がスムーズに見つかるとは限りません。

住み替えがしにくい
家を所有する限り管理や維持をしなければならないため、引っ越しが難しくなります。また、年末ローン残高に応じて所得税や住民税が最大13年間控除される「住宅ローン減税」を受けた場合、引っ越すと控除を受けられなくなります。転勤になった際は、家族は持ち家に住み続けてもらい、単身赴任を選択する方が多いようです。

メンテナンスコストがかかる
持ち家は、経年劣化に伴い、補修や設備交換などが必要です。トイレや浴室、キッチンなどの設備のほか、外壁や屋根も10~20年ほどの間隔でメンテナンス費用がかかります。

賃貸のメリット・デメリットを比較

賃貸とは、建物を所有するオーナー(大家)に家賃を払い、借りる家を指します。賃貸のメリット・デメリットは、以下のとおりです。



賃貸の5大メリット 賃貸のデメリット
⚫︎ライフスタイルや収入に合わせて住み替えができる
⚫︎住宅ローンの借入がない
⚫︎固定資産税など税金の負担がない
⚫︎メンテナンスは管理会社に任せられる
⚫︎初期費用を抑えられる
⚫︎老後も家賃の支払いが続く
⚫︎高齢になると契約更新が難しくなる場合がある
⚫︎リフォームなどのアレンジができない
⚫︎退去時に原状回復をしなければならない
⚫︎持ち家と比べると設備や内装のグレードが低め

賃貸の5大メリット

1.ライフスタイルや収入に合わせて住み替えができる
賃貸に住む最大のメリットは、ライフスタイルや収入に合わせて気軽に住み替えができる「身軽さ」です。たとえば、年収が減ったときは家賃の低い賃貸に引っ越したり、家族が増えたときに部屋数の多い賃貸に住み替えたりできます。

2.住宅ローンの借入がない
賃貸は住宅ローンの借入が必要ないため、持ち家のように金利をのせた月々の返済が不要です。住むエリアや部屋の広さによって家賃をコントロールできて、返済に困るといった心配がありません。

3.固定資産税など税金の負担がない
賃貸は、持ち家にかかる固定資産税などの税金が賃貸オーナー(大家)の負担となります。借主に支払い義務が発生しません。

4.メンテナンスは管理会社に任せられる
賃貸の設備交換や老朽化、災害時の修繕などは、原則として賃貸オーナー(大家)や管理会社が負担してくれます。

5.初期費用が少ない
賃貸も契約時の敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用がかかりますが、持ち家と比べると少ない傾向です。

賃貸のデメリット

老後も家賃の支払いが続く
持ち家は住宅ローン完済とともに支払いが少なくなりますが、賃貸は家を借りている限り家賃を支払い続けなければなりません。お金の工面が難しくなる定年退職後も、家賃を考慮しながら生活する必要があります。

高齢になると契約更新が難しくなる場合がある
賃貸は、年金以外の収入がないと契約更新や借りられる賃貸が少なくなります。一般的な賃貸は、資産があったとしても収入がなければ契約を断られてしまうケースもあります。

リフォームなどのアレンジができない
賃貸はリフォームができない物件がほとんどです。近年は部分的なリフォームなどの「DIYが可能な賃貸」も増えています。ただ、こうした物件は建物が古い傾向にあり、修繕費用も高めです。

退去時に原状回復をしなければならない
退去時には、経年劣化を除く損傷や汚れを入居時の状態に戻さなくてはなりません。原則として、通常の使用を超える損耗や借主の故意による損失は、借主の負担で修繕する必要があり、その場合は費用がかかります。

持ち家と比べると設備や内装のグレードが低め
賃貸は、多くの入居者のニーズに対応したり家賃を抑えたりする必要性から、設備や内装がシンプルになっています。持ち家と比較すると、グレードは低い傾向にあります。

持ち家と賃貸の費用の内訳を比較!いつどんなコストがかかる?

戸建ての持ち家と賃貸では、いつ、どんなコストがかかるのか、費用の内訳を比較しました。以下の表で、それぞれの違いを見てみましょう。

【持ち家と賃貸でかかる費用の内訳】



戸建ての持ち家 賃貸
⚫︎住宅ローンの返済
⚫︎固定資産税や都市計画税などの税金
⚫︎火災保険などの保険料
⚫︎メンテナンス(修繕・リフォーム)費用
など
⚫︎毎月の家賃
⚫︎公益費(賃貸共用部分の清掃費や修繕費など)
⚫︎更新料

など

持ち家にかかる費用

持ち家にかかる費用には「住宅ローン」「固定資産税」「メンテナンス費用」などがあります。それぞれの費用の内容は、下表のとおりです。



主な費用 費用の内容 必要な時期
住宅ローンの返済 住宅購入資金を金融機関に借り入れするときに発生する返済費用 購入時~ローン完済まで毎月
固定資産税 毎年1月1日時点で土地や家屋を所有している人が支払う税金(土地と建物それぞれの固定資産にかかる) 土地・建物を所有する限り毎年
都市計画税 都市の計画的な整備・開発を行う区域である「都市計画区域」にある土地や家屋に課税される税金 土地・建物を所有する限り毎年
火災・地震保険料 住宅が火災や地震、津波によって損害を受けた際に備える保険料 火災保険:建物を所有する限り
地震保険:任意
メンテナンス費用 経年劣化した部分の補修、設備交換・リフォームの費用 10~20年間隔
(箇所によって異なる)

これらの維持費は、住宅の構造や築年数、立地、メンテナンス頻度によって異なります。

賃貸にかかる費用

賃貸にかかる費用には「家賃」「公益費」「更新料」などがあります。費用の内容を見ていきましょう。



主な費用 費用の内容 必要な時期
家賃 家を借りるために、賃貸オーナー(大家)に毎月支払う費用 居住する限り毎月
敷金・礼金 敷金:不払いや補修費用の担保金
礼金:貸主へ払う入居の礼金
入居時
公益費 共同部分(廊下やエレベーターなど)の維持管理に充当される費用
(家賃とは別に支払う場合と家賃に含まれる場合がある)
居住する限り毎月
※契約によって異なる
更新料 不動産を貸し借りする際に締結される「賃貸借契約」の更新時に賃貸オーナー(大家)に支払う手数料
(更新料は契約書に記載されていると支払う義務がある)
居住する限り2年ごと
※契約によって異なる
火災保険料 住宅が火災によって損害を受けた際に備える保険料

ライフステージや収入の変化に合わせて引っ越しをする場合は、引っ越し費用もかかります。

【シミュレーション】持ち家と賃貸の50年でかかる総費用を比較

賃貸にかかる費用は持ち家にかかる費用と比べると少なく見えますが、50年間住み続けた場合の総費用はいくらなのか、シミュレーションしながら比較していきます。

記載の数字は、あくまでもシミュレーションです。実際に検討する際は、見積もりを依頼したうえで慎重に検討しましょう。

シミュレーションには、以下の前提条件を設定します。



⚫︎家族構成:夫(会社員)35歳、妻(主婦)35歳、長男5歳、長女3歳
⚫︎世帯収入:600万円
⚫︎居住地:東京都町田市
⚫︎間取り:3LDK
⚫︎居住期間:50年間

持ち家にかかる総費用は約6,400万円

前提条件をもとに、新築戸建て住宅に50年間住む場合のトータルコストをシミュレーションしていきます。

【購入する戸建て住宅】



⚫︎購入価格:4,000万円
⚫︎延床面積:98㎡
⚫︎構造:木造2階建て、長期優良住宅・省エネ基準適合住宅(住宅ローン減税適用)
⚫︎入居日:2025年5月

購入価格のうち3,600万円を住宅ローン(金利1.5%、返済期間35年)で借り、長期優良住宅の住宅ローン減税を最大限活用(3,600万円の0.7%を13年間)したものでシミュレーションします。



初期費用 運用費用 運用費用
(50年間)
頭金 400万円
諸費用 180万円
住宅ローンの返済額 11.1万円/月 4,630万円
住宅ローン減税額 −274.2万円
固定資産税 12万円/年 600万円
都市計画税 3.5万円/年 175万円
火災保険料
(地震保険なし)
3万円/年 150万円
リフォーム費用
(屋根、外壁塗装、
基礎補修、水まわり)
600万円
戸建て住宅を購入し50年間住む場合のトータルコスト 6,460.8万円

参考
※住宅ローン減税額の参考:国土交通省「住宅ローン減税 住宅ローン減税等に係る所要の措置(所得税・個人住民税)」
※住宅ローンの返済額の参考:住宅金融支援機構「フラット35 ローンシミュレーション」
※住宅ローンの返済額の算出方法:住宅金融支援機構フラット35ローンシミュレーション金利1.5%、返済期間35年、毎月の返済額は一定で計算
※リフォーム費用の参考:国土交通省「リフォームの内容と価格について」

【住宅ローン減税】
住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得をした場合、年末ローン残高の0.7%を所得税や住民税から最大13年間控除する制度です。

住宅ローン減税は2024年度に改正されて、19歳未満の子を有する家庭である「子育て世帯」と、夫婦のいずれかが40歳未満の「若者夫婦世帯」は、借入限度額が引き上げられました。

今回の前提基準では、5歳と3歳の子がいる「子育て世帯」である点と「長期優良住宅・省エネ基準適合住宅」のため、借入限度額は5,000万円です。初年度の年末ローン残高を3,600万円とすると13年間で約274.2万円が減税されます。

住宅ローン減税は2025年度より「省エネ基準適合住宅であること」が条件となっているので注意しましょう。

参考:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について」
参考:国土交通省「住宅ローン減税 概要」2025年に新築住宅に入居を予定する方へ

【固定資産税・都市計画税】
一般的に持ち家の土地と建物にかかる固定資産税は、10万〜15万円ほどです。建物の固定資産税は経年劣化で年々下がりますが、土地の固定資産税はそのときの土地評価額が反映されています。

都市計画税は税率の上限が0.3%と定められており、平均納税額は3万〜5万円です。表の金額は平均的な税額を設定しています。

参考:国土交通省「土地の保有に係る税制」

【火災保険】
住宅ローンの契約時に、多くの金融機関は「火災保険への加入」を条件としています。賃貸の火災保険は家財と賠償責任を保証するのに対し、持ち家は建物自体を保証するため、持ち家の火災保険料は賃貸よりも高い傾向にあります。

【リフォーム費用】
持ち家は賃貸と異なり、リフォーム費用が自費です。表のリフォーム費用は、国土交通省「リフォームの内容と価格について」より、屋根・外壁塗装・基礎補修・水まわり系から算出しました。

賃貸にかかる総費用は約7,000万円

持ち家と同じ前提条件で、賃貸に50年間住み続けた場合の総費用をシミュレーションしていきます。

賃貸のシミュレーションは、子どもが独立するまでの期間を「戸建て賃貸住宅」で過ごし、夫婦2人の生活になり収入が年金のみになるタイミングで「賃貸マンション」に引っ越す仮定です。

【戸建て賃貸住宅】



⚫︎家賃:13万円
⚫︎床面積:75㎡
⚫︎間取り:3LDK

【65歳で引越す賃貸マンション(2DK)】



⚫︎家賃:8万円+公益費3,000円=8.3万円
⚫︎床面積:53㎡
⚫︎間取り:2DK

敷金・礼金・前家賃は、それぞれ家賃1ヶ月分、仲介手数料は家賃1ヶ月分+消費税(10%)でシミュレーションします。



初期費用 運用費用 運用費用(50年間)
敷金・礼金・
前家賃・仲介手数料
戸建て:53.3万円
マンション:34万円
家賃+公益費 13万円/月(30年間)
8.3万円/月(20年間)
4,680万円
1,992万円
更新料 戸建て:195万円
マンション:83万円
引っ越し費用 7万円
火災保険料 1万円/月 50万円
賃貸に50年間住む場合のトータルコスト 7,094.3万円

【初期費用】
賃貸の初期費用は敷金・礼金・前家賃・仲介手数料の4つです。敷金・礼金・前家賃は家賃1ヶ月分が多く、仲介手数料の上限は宅地建物取引業法により「家賃1ヶ月分+消費税(消費税率10%)」と定められています。

参考:国土交通省「賃貸借取引の仲介手数料の上限額」

【更新料】
賃貸の更新料は地域によって差がありますが、一般的な賃貸住宅では「2年ごとに家賃の1ヶ月分」を更新料として支払います。表の更新料は戸建て賃貸の支払いが15回、賃貸マンションの支払いが10回を想定しています。

【引っ越し費用】
引っ越し費用は、子どもが独立して夫婦2人のみ、同市町村内や近隣への引っ越しと仮定すると5万〜10万円程度が相場です。荷物の量によって変動しますが、表は平均的な引っ越し費用を設定しています。

50年間住み続けた場合のシミュレーションでは、持ち家の方が633.5万円安くなりました。ただし、住宅の販売価格や賃貸の家賃は変動するため、ご紹介したシミュレーションは、あくまで参考としてご覧ください。

持ち家と賃貸、老後の暮らしやすさを比較

老後の生活は持ち家と賃貸でどのように違うのか、暮らしやすさに注目しながら比較していきます。

持ち家で老後を過ごす場合

持ち家は定年までに住宅ローンを完済させれば固定費を大幅に減らせるので、生活費に困りにくくなるでしょう。老後の住まいを考えたときに、持ち家は「終(つい)の棲家」として安心しやすい点などから人気があります。

しかし、戸建て住宅は広さがあるので、老後は庭の手入れや各部屋の清掃が大きな負担になるかもしれないと考えておきましょう。老後に階段の上り下りが大変になってきたら、身体状況に合わせて管理しやすい住まいにリフォームしたり、売却した資金で引っ越ししたりするのも一案です。

賃貸で老後を過ごす場合

賃貸は、老後の少ない収入に合う物件に引っ越せば支出をコントロールできますが、持ち家と違って「固定費が一生続く」のがデメリットになるでしょう。土地代の変動に合わせた家賃の値上げ、高齢者の家賃滞納や孤独死などのリスクを懸念して、契約更新を拒否される可能性がある点も視野に入れておく必要があります。

一方で、バリアフリー物件やサービス付き高齢者向け住宅などの専門施設に容易に住み替えやすい点は、賃貸に住む利点です。

持ち家と賃貸、どっちを選ぶべき?

持ち家と賃貸で向いているのはどちらか、それぞれの特徴をみていきます。

持ち家が適しているケース

持ち家が適しているのは、以下のようなケースです。



⚫︎定年退職するまでに住宅ローンを完済できる
⚫︎安定した収入がある
⚫︎4LDK以上の部屋数が必要
⚫︎資金に余裕がある

住宅ローンの返済は長期にわたるため、安定した収入があることが前提です。退職するまでにローンを完済できるかどうかを考慮する必要があります。子ども部屋を考えて4LDK以上の間取りがほしい場合は持ち家が適しているでしょう。

持ち家は諸費用や頭金などの初期費用が高く、ある程度資金に余裕がないと、購入後の生活が難しくなります。

賃貸が適しているケース

賃貸が適しているのは、次のような場合です。



⚫︎転勤や結婚、出産など、ライフステージが変化する予定がある
⚫︎引っ越しをしたい
⚫︎収入が安定していない
⚫︎物件の維持管理が負担に感じる

転勤や子どもの成長など、ライフステージに合わせて物件や居住エリアが変化すると予想されるケースでは、賃貸が向いています。契約期間中であっても引っ越しできるため、頻繁に住む場所を変えることも可能です。

また、住居にかかる費用を選択できるので、収入に合った住まいを選べます。メンテナンスが面倒な場合も、賃貸は賃貸オーナー(大家)や管理会社が物件の維持・管理をしてくれるので、費用負担が少ないでしょう。

【施工事例2選】持ち家でかなえるライフスタイルに合った住まい

持ち家はどのような住まいを実現できるのか、イメージできないと悩む方も多いでしょう。
ここでは、竹内建設で理想のマイホームをかなえた方の実際の施工事例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

光と風が心地良く巡る「吹き抜け天井」のある住まい


リビング上部の吹き抜け天井が、明るく開放的な住まいの施工事例です。


玄関を入るとすぐにシューズクローゼットがあり、靴の収納やアウトドア用品の出し入れも容易で、スッキリ片づけられます。


お風呂場と洗面所はシックなダークトーンで合わせており、ホテルのように高級感あふれる仕上がりです。


リビングとつながっているキッチンは、左右どちらからでも入りやすい「オープンキッチン」を採用しており、家族みんなで料理を楽しめます。


吹き抜けと相性の良い「リビング階段」はキッチンとなじむように色合いを統一されていて、まるでインテリアの一部のような美しさです。


リビング階段を上がると、大きな窓から光が差し込む廊下と家族の寝室につながります。上がってすぐの壁面には可動式の棚があり、効率的な収納が可能です。

全体的に落ち着いた色味と開放感を取り入れていて、リラックスしながらコミュニケーションを楽しめるように工夫されています。

カフェ風キッチンと温もり感じる「小上がり」のあるお家


キッチン壁面のタイルとスポットライトが、カフェのようにかわいらしいお家の施工事例です。


リビングとつながっているオープンキッチンは収納や作業スペースが広く、使い勝手も抜群です。


キッチンと横並びにダイニングテーブルを設置すれば「一体型ダイニングキッチン」となり、配膳や片づけが楽になります。


リビングには光がたっぷり入る小上がりが配置されていて、お昼寝やキッズスペースとして利用できます。小上がりとは、部屋の一部分だけ床を高くしたスペースです。


小上がりの壁面や階段横、玄関ホールに収納スペースをつくり、スッキリ片付けられるように空間を上手に活用しています。


リビング上部は吹き抜け天井となっていて、コンパクトなのに広々とした印象です。


2階の個室は部屋を壁で仕切れるようにドアを2つ取り付け、子どもの成長や老後などの将来性も考慮して設計されています。

こだわりを詰め込んだ理想のマイホームを建てたい方は、ご紹介した施工事例をぜひ参考にしてみてください。

持ち家のご相談は竹内建設へ

持ち家を購入するなら、毎日ワクワクするような素敵な空間に仕上げたいですよね。

竹内建設では、お客様のご希望に合わせてオーダーメイドの注文住宅を設計しています。長く安心して住み続けられるよう、長期保証制度や建物完成サポート制度も充実しているのが特徴です。

「こだわりのマイホームを実現したい」
「オシャレで洗練された家に仕上げたい」

家づくりをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
▶︎お問い合わせはこちらから

賃貸と持ち家、自分に最適な選択を

持ち家は住宅ローン完済後に固定費の支払いが少なくなる点がメリットですが、税金やメンテナンス費用がかかるのがデメリットです。一方で、賃貸は収入に合わせて支出をコントロールし、身軽に引っ越しできるのがメリットですが、老後の更新が難しくなるリスクを考慮しなければなりません。

持ち家と賃貸はそれぞれにメリット・デメリットがあり、どちらを選ぶのかは住む人の経済的状況やライフスタイルによって変わります。老後の負担も考慮しつつ、自分の希望や生活に合った住まいを選択しましょう。

リビングとつながっているキッチンは、左右どちらからでも入りやすい「オープンキッチン」を採用しており、家族みんなで料理を楽しめます。

吹き抜けと相性の良い「リビング階段」はキッチンとなじむように色合いを統一されていて、まるでインテリアの一部のような美しさです。