【実例あり】廊下のない家で後悔する7つの理由|失敗しない間取りの工夫
2026/07/29
目次
リビングを広く開放的にしたい、家事や生活の動線を短くしたいと考え、廊下のない間取りの家を検討する方もいるでしょう。
一方で廊下は、部屋と部屋をつなぐ通路だけではなく、居室同士の距離を確保し、音やにおい、視線などを届きにくくする「仕切り」としての役割も担っています。そのため、廊下をなくす場合は、部屋の配置や換気、空調、プライバシーなどを間取りとあわせて検討する必要があります。
この記事では、廊下のない家で後悔しやすい理由と廊下を設けないメリットを解説します。また、後悔しないための具体的な対策や間取りの実例も紹介しますので、廊下のない家づくりを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
廊下のない家で後悔する7つの理由
廊下のない間取りの家は、暮らし始めてから不便さに気づくことがあります。ここでは後悔しやすい7つの理由を紹介します。
それぞれの問題を防ぐための対策は、後半で詳しく解説します。
生活音が家全体に伝わりやすい
廊下のない間取りでは、音を遮るスペースが少ないため、生活音が家全体に響きやすくなります。個室にいてもリビングのテレビや話し声、家族の足音が聞こえる場合があります。
特に早朝出勤や夜勤などで家族の生活リズムが異なる家庭では、生活音がストレスにつながることもあるでしょう。受験生がいる場合は、勉強の妨げにならないようテレビのボリュームを調整するといった配慮が必要になる場面もあります。
料理などのにおいが家全体に広がりやすい
廊下のない間取りでは、キッチンから他の空間までひとつながりになっているため、料理などのにおいが家全体に広がりやすくなります。例えば、焼き魚や揚げ物などの強いにおいは、LDKだけでなく家全体に届く場合もあるでしょう。
さらに、カーテンや衣類、寝具などの布製品にもにおいが染みつき、翌日以降まで残る場合もあるため、後悔につながりやすいポイントです。
冷暖房が効きにくく光熱費がかさむ
廊下のない間取りでは、空間を細かく区切らない分、冷暖房する範囲が広くなります。住宅の断熱・気密性能や空調計画によっては、室内が設定温度に達するまで時間がかかり、エアコンの運転時間が長くなるケースもあるでしょう。
その結果、冷暖房に必要なエネルギーが増え、光熱費がかさみやすくなります。
来客時にプライベート空間が見えてしまう
廊下がない家は、来客時にプライベート空間が見えやすい間取りです。玄関とリビングの間に廊下がない場合、玄関ドアを開けたときに室内の様子が目に入ることもあります。宅配便がきたときなど、短時間の対応でも部屋の中が見えてしまいます。
くつろいでいる家族の様子や片付いていない室内が外から見えるため、玄関ドアが開くたびにストレスを感じる方もいるでしょう。
トイレの音が気になって使いづらい
廊下を設けない間取りでは、LDKの近くにトイレを配置する場合があります。その場合、トイレとリビングの間に十分な距離や仕切りがないと、使用中の音が室内へ伝わりやすくなるでしょう。
例えば、来客時にトイレの音が聞こえないか気になり、使いづらさを感じる場合があります。そのせいで、友人を自宅へ招くことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
来客時だけでなく、家族だけで過ごしているときも、トイレを利用するたびに音が聞こえないか気になり、ストレスに感じる場合があります。
壁や柱が減り耐震性が低下しやすくなる
廊下のない間取りで開放的な空間を優先すると、大きな地震に備える耐震性が低下しやすくなる場合があります。耐力壁を設けられる場所が限られるためです。
木造住宅の耐震性は、筋交いや構造用面材を用いた耐力壁が地震や風による水平方向の力に抵抗する仕組みです。必要な耐力壁の量を確保するだけでなく、建物全体にバランスよく配置しなければなりません。
耐力壁を設けられる場所が減ったり、配置が偏ったりすると、地震の揺れに抵抗する力を十分に確保しにくくなる場合があります。
間取りの自由度が下がる
廊下のない間取りでは、各部屋への動線をLDKなどの居室内に設けるため、部屋の配置が制限される場合があります。廊下がある家では廊下を経由して各部屋へ行けるので、部屋の配置を比較的自由に決められます。
一方、廊下のない家ではLDKを経由して各部屋につなげる配置になりやすく、部屋の位置や配置できる部屋数の選択肢が狭まりがちです。2階建てでは、LDKから階段へ移動できるようにする必要があり、階段の位置にも制約が生じやすくなります。
また、LDKの壁に各部屋のドアが並ぶことになり、家具を置ける壁面が減ってしまう点も、見落とされがちなポイントです。
廊下のない家のメリット
後悔しやすいポイントがある一方で、廊下をなくすメリットもあります。ここでは代表的な5つのメリットを紹介します。
居住スペースを広く取れる
廊下をなくせば、その分の面積を居住空間に充てられます。リビング空間を広くとったり、クローゼット・パントリーといった収納のスペースを増やす方法もあります。延床面積が限られる狭小地にもおすすめできる間取りです。
家事動線・生活動線が短くなる
廊下を通らずに各空間へ移動できるため、家事などが楽になる点もメリットです。例えば、キッチンと洗面スペースを往復したり、帰宅後に重い荷物を収納庫まで運んだりする際も、短い移動で完結できるので負担を減らせます。
家事にかかる手間と時間を軽減したい家庭に向いている間取りです。
建築コストを抑えられる
廊下を設ける分の建築コストを抑えられる点もメリットとして挙げられます。廊下をつくるには、床材・壁・建具といった材料費に加え施工の手間もかかるためです。
ただし、廊下だった部分をLDKや収納などに充てる場合は、延床面積が変わらないため、必ずしも建築コストを抑えられるとは限りません。
家族が顔を合わせやすくなる
廊下がなく、各部屋へ移動する際にLDKを経由する間取りにすると、家族が自然と顔を合わせる機会が増えます。そのため、日常的な会話が生まれやすくなる点もメリットのひとつです。
キッズスペースをリビング内や隣接する場所に設ければ、家事をしながら子どもの様子を見守りやすくなります。家族間のコミュニケーションを大切にしたい家庭に向いている間取りです。
家全体の温度差が小さくなる
廊下や間仕切りが少ない家は、空気が各空間へ行き渡りやすく、部屋ごとの温度差が生じにくくなる点もメリットです。廊下や水まわりが居室よりも冷え込む状態を防げれば、急激な温度変化によって身体に負担がかかるヒートショックの対策にもつながります。
ただし、廊下をなくすと冷暖房する範囲も広がる分、家中の温度差を小さくするには、断熱・気密性能や空調計画も欠かせません。住宅性能・空調の対策が不十分な場合、冷暖房効率が下がり、家全体を快適な温度に保てない可能性があります。
住宅性能と空調設備を適切に計画することで、廊下や水まわりを含めた家全体の温度差を小さくしやすくなるでしょう。
廊下のない家で後悔しない7つの工夫
廊下のない家は、設計を工夫することでデメリットを抑え、快適に過ごしやすい間取りにできます。前半で紹介した後悔例の中には、設計段階の工夫によって防げるケースもあります。
ここでは、後悔のない住まいになるよう、7つの後悔ポイントに対応した具体的な対策を紹介します。
寝室・個室はLDKから離して生活音を軽減する
生活音による後悔を防ぐには、寝室や子ども部屋をLDKからできるだけ離す配置が基本です。
平屋であれば、LDKと個室を建物の反対側に振り分ける方法があります。2階建てであれば、寝室や子ども部屋を2階にまとめ、LDKの真上に寝室を置かないように配置するのも有効です。
どうしても隣接してしまうときは、LDKと個室との間にウォークインクローゼットや押入れ、洗面所を配置すると音の緩衝帯をつくれます。
換気と間仕切りで調理のにおいの広がりを抑える
料理のにおいがLDK全体に広がるのを防ぐには、換気機能と間仕切りがポイントです。キッチンには、煙やにおいを効率よく吸い込める高機能なレンジフードを選びましょう。また、調理中は「強」運転を徹底できるよう、給気口の設計も重要です。
あわせて、キッチンとリビングの境目の天井部分に、天井から垂れ下がる短い壁である垂れ壁(たれかべ)を設ける工夫も有効です。においや煙が周囲に流れにくくなり、換気の効率も高まります。
断熱・気密性能を高めて冷暖房効率を維持する
廊下のない間取りで冷暖房効率を下げないためには、住宅の断熱・気密性能が重要になります。住宅会社を選ぶ際に壁の中の断熱材の性能をチェックし、気密性の高い施工者を見極めましょう。窓は家の中で熱の出入りが最も大きい部分なので、断熱性の高い「樹脂サッシ」や「複層ガラス」の採用をおすすめします。
また、廊下がない間取りでは、空調計画への配慮も欠かせません。吹き抜けがあるリビングには、シーリングファンを設置すると上下の温度ムラを解消し、冷暖房効率が向上します。「全館空調」を導入すれば、住まい全体を効率よく温度管理できます。
参考:竹内建設 自然換気システム「BAQOOL」
玄関からLDKへの視線を遮ってプライバシーを守る
来客時のプライバシーを守るには、玄関から室内への視線を遮る工夫を取り入れます。玄関ホールでは、玄関ドアの正面にLDKの入口を置かず、視線が家の奥まで一直線に届かない配置にしましょう。
玄関からLDK内が見えてしまう配置のときは、袖壁(そでかべ)や格子、背の高い収納などを設けると、視線を遮りやすくなります。
トイレはLDKから離して音漏れを防ぐ
トイレの音が気にならないよう、できるだけLDKとトイレを離れた位置に配置しましょう。ソファやダイニングなど家族が長時間過ごす場所とトイレを隣接させないことが基本です。
可能なら、LDKとの間に洗面所や収納スペースなどを挟む間取りをおすすめします。間取りの都合で距離を確保できない場合は、防音性の高いドアや壁の仕様も検討するとよいでしょう。
壁をバランスよく配置して耐震性を確保する
廊下のない間取りでは、開放的な空間を優先することで、耐力壁を設けられる場所が限られる場合があります。そのため、必要な壁量を確保するだけでなく、耐力壁を建物全体にバランスよく配置する必要があります。
大きな窓や吹き抜け、広いLDKを設ける場合は、柱や梁の位置も含めて構造上の安全性を確認しながら計画しましょう。住宅会社を選ぶ際は、希望する間取りと耐震性能を両立できるか、設計段階で構造計算まで行っているかなどを確認しておくと安心です。
引き戸や可動間仕切りで必要に応じて空間を仕切る
間取りの自由度を損なわないためには、暮らし方や家族構成の変化に対応できるよう、必要に応じて空間を仕切れる間取りにしておくと便利です。普段は開放的に使いながら、必要なときだけ空間を区切れるようにしておくのも有効な工夫です。
和室や畳コーナーに引き戸を設ければ、普段はLDKと一体で使い、来客時には独立した客間として使い分けられます。子ども部屋は、将来2つの部屋に分けることを見越して、あらかじめドアや照明、コンセントを2部屋分用意しておくと仕切りやすくなります。
廊下のない家の間取り実例2選
ここからは、竹内建設が設計施工した廊下のない快適な住まいの実例を紹介します。
収納を充実させた廊下のない2階建て
玄関ホールから、パントリーを経てキッチンへ。廊下ではなく収納で部屋と部屋をつなぐなど、「通るだけ」の空間をとことんなくした住まいです。
玄関の右手にはすぐに洗面台があり、奥にトイレや脱衣・浴室など水回りを集約させています。
2階の通路部分には、家族で使えるオープンなライブラリースペースを設けました。
階段はリビングの中に設け、1階も2階もひとつながりになった空間に仕上げました。
回遊動線でつながる廊下のない平屋
玄関とリビングをぐるりと回遊できる、廊下のない平屋の実例です。
リビングの土間は、そのままシューズクロークを経て玄関につながっています。
キッチンの反対側には、2つの個室。廊下ではなくスキップフロアで空間を分けました。
寝室の手前には、ランドリールームとファミリークローゼットを配置しています。
廊下の代わりに収納や段差で空間を仕切った、機能的な平屋住宅です。
廊下のない家に関してよくある質問
ここでは、廊下のない家を検討する方からよく寄せられる質問をまとめました。
Q.廊下のない平屋は後悔しやすい?
一概に後悔しやすいとはいえません。ただし、平屋はワンフロアにすべての部屋が配置されるので、個室とLDKが近接して音やにおいが伝わりやすくなります。間取りプランを考えるときは、寝室とLDKを建物の反対側に配置し、換気計画や断熱・気密性能、空調設備もあわせて検討しましょう。
断熱・気密性能や空調計画にも配慮している工務店や住宅会社を選ぶのがおすすめです。設計段階での対策により、廊下のない平屋で快適な空間をつくれます。
Q.廊下をなくせばLDKは本当に広くなる?
廊下に使う予定だった面積をLDKに充てれば、床面積は広くなります。ただし、広くなった面積をすべて自由に使えるとは限りません。LDKが通り道を兼ねる間取りでは、動線を確保するために家具を置けないスペースが生じます。そうなると家具を効率的に配置できず、増えた面積ほど広さを感じられない場合があります。
対策として、実際に家具を配置したときにどれだけ使えるスペースが残るのか、設計段階でシミュレーションしておくのがよいでしょう。
Q.住んでから後悔した場合、あとからできる対策はある?
後悔の内容によっては、あとからできる対策があります。視線が気になった場合は、ロールスクリーンやパーテーション、置き家具などを使って部分的に空間を仕切る対策が可能です。においには換気設備の見直し、音には防音カーテンや吸音材の設置など、原因に合わせた対策を検討しましょう。
より確実に空間を分けたい場合は、リフォームで引き戸や間仕切り壁を後付けする方法も有効でしょう。大がかりなリフォームが必要なケースでは、施工を担当した会社へ相談することをおすすめします。
廊下のない家づくりのご相談は竹内建設へ
竹内建設では、開放感のある間取りを生かしながら、音やにおい、温熱環境、耐震性にも配慮した間取りをご提案しています。
高い断熱性能と耐震性能を備えた住宅づくりにも取り組み、家族構成や生活習慣、土地の条件に合わせて、廊下のない家のデメリットにも配慮した設計・施工が可能です。
実際の間取りや性能について詳しく知りたい方は、見学会や資料請求をご利用ください。家づくりに関するご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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まとめ
廊下のない家は、居住スペースを広く使える、家事動線が短くなる、建築コストを抑えられるといった、多くのメリットがある間取りです。一方で、音やにおいが広がりやすい、冷暖房効率に影響が出る、耐力壁の配置が難しくなるなど、後悔につながりやすいポイントも存在します。
廊下のない家を検討する際は、メリットとデメリットの両方を把握したうえで、部屋の配置や換気、断熱・気密性能、耐震性まで含めて計画しましょう。ご家族の暮らし方に合った間取りを実現するには、廊下のない家の特徴を理解し、適切な対策を提案できる住宅会社へ相談することもポイントです。




