【実例あり】ファミリークローゼットのメリット・デメリットと間取りアイデア

2026/07/29

竹内建設のスタッフ Shizuka .T
著者
Shizuka .T

目次

近年、注文住宅の要望に「ファミリークローゼット」を挙げる方が増えています。一方で、次のような不安から決断に迷う方も少なくありません。
「ファミリークローゼットは便利そうだけど、本当にわが家に必要だろうか」
「メリットだけでなく、デメリットや後悔しないためのポイントも知っておきたい」
本記事では、新築にファミリークローゼットを導入するメリットとデメリットを詳しく解説します。間取りのアイデアや必要な広さの目安、後悔しないための注意点、建築実例も紹介しますので、暮らしに合った収納のある注文住宅を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。

ファミリークローゼットとは?


ファミリークローゼットとは、家族全員の衣類や小物類をひとつの場所にまとめて収納する、共用の収納スペースです。「ファミリークローク」とも呼ばれます。
個々の部屋ではなく、リビングや洗面室、廊下などの共用スペースからアクセスしやすい位置に配置するのが一般的です。衣類だけでなく、帽子・バッグ・シーズン小物なども収納できるため、子育て世帯を中心に人気が高まっています。

ウォークインクローゼット・ウォークスルークローゼットとの違い

ファミリークローゼットと混同されやすい用語として「ウォークインクローゼット」と「ウォークスルークローゼット」があります。
ウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットは、出入口の数による分類である一方、ファミリークローゼットは家族で共有するという使い方による呼び名で、そもそも分け方の軸が異なります。
そのためファミリークローゼットには、ウォークインタイプもウォークスルータイプもあります。
【ウォークインクローゼット・ウォークスルークローゼットとの違い】



定義 特徴
ファミリークローゼット 家族が共有する収納 ・家族で共有しやすい位置に配置する
・ウォークインタイプとウォークスルータイプがある
ウォークインクローゼット 歩いて中に入れる収納 ・出入口が1か所
・寝室などに配置される場合が多い
ウォークスルークローゼット 歩いて中を通り抜けられる収納 ・出入口が2か所以上あり、複数の空間をつなげられる

ファミリークローゼットの種類

ファミリークローゼットは、出入口の数によって「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」の2種類に分けられます。
同じ広さなら出入口が少ないウォークインタイプの方が収納量を多く確保しやすく、ウォークスルータイプは通り抜けできる分、生活動線を短縮しやすいといった違いがあります。それぞれの特徴を理解して、希望に合う収納スタイルを選びましょう。
ウォークインタイプ


ウォークインタイプは出入口が1か所で、ひとつの部屋のように使うタイプのクローゼットです。通り抜けるための出入口がない分、壁面を広く使いやすく、収納量を多く確保しやすい点が特徴です。
ウォークインタイプは、衣類だけでなくバッグなどもたくさん収納したい方や、スポーツウェアなど用途別の衣類をまとめて保管したい家庭に向いています。
ハンガーパイプや棚の配置には、以下のようなレイアウトがあります。

【ウォークインタイプのレイアウト例】
・I型:片側の壁だけに棚を設ける
・II型:向かい合う両側の壁に棚を設ける
・L型:隣り合う2面の壁に棚をL字に配置する
・コの字型:3面の壁を囲むように棚を配置する

ファミリークローゼット内の着替えスペースに余裕が欲しい方はI型・L字型、より多くの衣類を収納したい方はII型かコの字型が使いやすいでしょう。ただし、通路幅や扉の位置によって使いやすさが変わるため、図面上の面積だけでなく、実際に人が動ける幅も確認してください。
ウォークスルータイプ


ウォークスルータイプは出入口が2か所以上あり、クローゼットの中を通路として通り抜けられるタイプです。洗面室と寝室、玄関とリビングなど、行き来する機会の多い空間の間に配置すると、生活動線を短くできる点が特徴です。


ただし、出入口や通路として使う部分には収納を設けられないので、同じ面積のウォークインタイプと比べると収納量が少なくなる場合があります。

ハンガーパイプ・棚のレイアウトは、ウォークインタイプと同様に、I型・II型・L型・コの字型の4種類があります。

【ウォークインタイプ・ウォークスルータイプの違い】



特徴 向いている人
ウォークインタイプ ・収納容量が大きい
・壁面を収納に使いやすい
衣類や小物などをたくさん収納したい家庭
ウォークスルータイプ ・複数の空間をつなげられる 家事動線を短くしたい家庭

ファミリークローゼットに必要な広さの目安

ファミリークローゼットの広さは、3〜5畳程度が一般的で、家族1人あたり約1畳が目安といわれます。ただし、収納する物の量や通路、着替えスペースの有無によって必要な広さは変わります。ファミリークローゼットの中で着替えるなら、その分の広さもプラスすると適切な広さがわかります。
【ファミリークローゼットに必要な広さの目安】



3人家族 2.5~3.5畳
4人家族 3.5~4.5畳
5人家族 4.5~5.5畳

ただし、家族の衣類・持ち物の量によって、最適な広さは異なるほか、ウォークインタイプとウォークスルータイプで収納量が異なります。
家族に合ったファミリークローゼットの広さを考えるには、収納する物をリストアップし、ハンガーパイプの長さや棚の数、通路、着替えスペースを図面に落とし込んで広さを決めましょう。

ファミリークローゼットの4つのメリット

ファミリークローゼットには、家事の負担軽減や部屋の片付けやすさなど、暮らしを快適にするさまざまなメリットがあります。
ここでは、ファミリークローゼットを設置する主なメリットを4つ紹介します。

洗濯から収納までの家事動線を短縮できる

ファミリークローゼットを、洗面室やランドリールームの近くに配置すると、「洗う→干す→たたむ→しまう」洗濯の一連の作業を、短い動線で完結できます。
各個室にクローゼットがある間取りでは、乾いた洗濯物をそれぞれの部屋まで運ぶ必要がありますが、ファミリークローゼットがあれば1か所で管理できるため、部屋ごとに洗濯物を運ぶ手間を減らせます。
共働き世帯など、家事の時短を重視する家庭にとって特に嬉しいメリットといえるでしょう。

朝の身支度や帰宅後の動線がスムーズになる    

ウォークスルータイプのファミリークローゼットを、玄関やリビングとつながる位置に配置すれば、朝の身支度から外出、帰宅後の着替えまでの動線がスムーズになります。

玄関からファミリークローゼットを通ってリビングへ向かう間取りなら、帰宅後すぐに上着を脱いで着替えられます。外の花粉や砂ぼこりをリビングに持ち込まずに済む点もメリットです。

朝の忙しい時間帯も身支度をひとつの場所で済ませられるため、外出準備をスムーズに進めやすくなります。

リビングや各部屋が散らかりにくくなる    

家族が各個室やリビングなどで着替えをする習慣だと、脱いだ服が家中のあちこちに置きっぱなしになりがちです。ファミリークローゼットがあれば、着替えや荷物の収納場所を1か所に集約できるため、リビングや各部屋に衣類や小物が散らかりにくくなります。

片付けの手間を減らしながら、家全体をすっきりと保ちやすくなるでしょう。

個室の収納スペースをコンパクトにできる    

家族の衣類をファミリークローゼットにまとめて収納すれば、寝室や子ども部屋など個室に設ける収納スペースをコンパクトにできます。その分、居室として使える面積を広く確保しやすくなるでしょう。

また、収納を集約して住宅全体の床面積を抑えられれば、建築コストの削減につながる場合もあります。

ファミリークローゼットの4つのデメリット

家事動線の効率化など多くのメリットがある一方で、ファミリークローゼットにはあらかじめ知っておきたいデメリットもあります。
代表的な4つのデメリットと対策を紹介します。

まとまった収納スペースが必要になる

ファミリークローゼットは、一般的なクローゼットよりもまとまった広さが必要です。
配置によっては、同じ階の居室の面積が小さくなる可能性もあるでしょう。

対策として、あらかじめ収納する衣類や持ち物の量を洗い出し、必要なハンガーパイプや棚の寸法を計算します。収納容量を確保しやすいウォークインタイプを選ぶほか、廊下を兼ねたウォークスルータイプにして、通路と収納の機能をまとめる方法も挙げられます。

また、他の部屋をバランスよく配置できる設計力のある会社に依頼することもポイントです。

設置場所によっては家事動線が悪くなる    

ファミリークローゼットは、配置場所によって家事動線が悪くなる点にも注意が必要です。

例えば、洗濯動線を優先して洗面室の近くに配置すると、寝室やリビングから遠くなって着替えるときに面倒になるケースもあります。反対に、玄関の近くへ配置すると、洗濯物をしまうために家の中を長く移動しなければならないかもしれません。

洗濯、朝の身支度、帰宅後の片付けなど、負担を減らしたい場面に優先順位を付けて配置を決めましょう。

プライバシーを確保しにくい

ファミリークローゼットは家族全員の衣類や小物を共用するため、個人の持ち物も他の家族の目に触れやすくなります。複数人が同じ時間帯に身支度をする家庭では、クローゼット内で落ち着いて着替えられない場合もあるでしょう。

対策として、家族ごとに収納場所を分けるほか、クローゼット内で着替える場合は、扉やカーテンで仕切れるスペースを設けましょう。

子どもの成長で使い方が変わる

子どもが成長して、持ち物を子ども部屋で管理するようになると、大容量のファミリークローゼットでは空間が余る可能性があります。

そのためファミリークローゼットは、ライフステージの変化を見越して別の用途に転用できる、汎用性の高い間取りがおすすめです。余った空間を活用できるよう、可動棚や取り外せるハンガーパイプを採用すると、収納する物に合わせて内部を変更できます。

衣類収納だけに用途を限定せず、家族共用の納戸や趣味用品の収納などへ変更できる設計を検討しましょう。

ファミリークローゼットの間取りアイデア4選

ファミリークローゼットは、設置場所によって使いやすくなる生活動線や、向いている家庭が異なります。
ここでは、4つの間取りアイデアを紹介します。

ランドリールーム・洗面室の近く|家事動線を短縮

洗面室やランドリールームの隣にファミリークローゼットを配置すると、洗濯の一連の作業を、短い距離で完結できます。乾いた洗濯物を家族それぞれの部屋まで運ぶ手間がなくなり、ランドリールームでたたんだ衣類を隣のファミリークローゼットへ移すだけで収納が完了します。
寝室から出入りできるウォークスルータイプを選ぶと、着替えの移動もスムーズにできます。洗濯物を運ぶ負担を減らしたい家庭や、室内干しを中心にしている家庭に向く配置です。

玄関の近く|外出・帰宅動線をスムーズに

玄関の近くにファミリークローゼットを設けると、外出や帰宅に必要な物をまとめて管理できます。コートやバッグ、帽子、制服などを収納しておけば、外出の前に各部屋を回って準備する必要がなくスムーズに出かけられます。
また、帰宅後すぐに玄関付近で着替えられるため、花粉やほこり、ウイルスなどを室内に持ち込みにくくなる点もメリットです。リビングに上着やバッグを置きっぱなしにしたくない家庭や、外出の準備を効率化したい家庭に向いています。

リビングの近く|子どものお世話をラクに

リビングの近くにファミリークローゼットを配置すると、小さな子どもの着替えや、家族で共有する衣類・日用品の管理がしやすくなります。子どもが小さいうちはリビングで着替えることが多いため、すぐそばに子ども服やおむつ、タオルなどを収納しておけば、移動の手間がかかりません。
子育て中の家庭や、家族がリビングで過ごす時間の長い家庭に向いている配置です。

寝室・2階ホールの近く|朝の身支度を効率化    

2階に寝室や子ども部屋などの居室がまとまっている間取りでは、各部屋からアクセスしやすい2階ホールの近くにファミリークローゼットを設ける方法があります。
起床後に短い距離で移動できるため、朝の身支度を進めやすくなります。家族の衣類を1か所に集約できるため、洗濯動線よりも朝の身支度や着替えのしやすさを優先したい家庭に向く配置です。
ただし、1階に洗濯機や物干しスペースがある場合は、乾いた衣類を収納するたびに階段を上る必要があります。朝の身支度と洗濯物を運ぶ負担のどちらを優先するか検討しましょう。
2階にファミリークローゼットを設けるなら、2階に物干し用のベランダやランドリールームを設けると、洗濯動線も短くできます。

ファミリークローゼットで後悔しないための注意点

使いやすく後悔しない間取りになるよう、設計の段階で押さえておきたい以下の3点を確認しておきましょう。

収納する物を決めて必要な広さを計画する

ファミリークローゼットを計画する際は、収納する物と量を決めましょう。
次の項目を具体的に把握すると、ハンガーパイプの長さや棚の奥行きを適切に設計できます。
・ハンガーにかける衣服の数
・畳んでしまう衣服の量と、必要な引き出しや衣装ケースの数
・バッグやスーツケースの数・サイズ
・季節用品や布団類などの数・サイズ
家族の成長で収納物が増える可能性を見越して、収納量にはある程度の余裕を持たせましょう。

家事動線・生活動線を考えて配置する

ファミリークローゼットは、家事動線や家族の生活の動きから外れている場所にあると、出入りが面倒になり、十分に活用できない可能性があります。
以下のように、家族の生活に合わせた使いやすい工夫を取り入れるのがポイントです。
・洗濯物の収納をラクにするため、ランドリールームとつなげる
・子どもの着替えが散らかるのを防ぐため、リビングから出入りできる配置を選ぶ
・来客の目につかない配置にし、ファミリークローゼットの扉を設けずに開閉の手間を減らす
扉を設けない場合は、来客時の見え方のほかにも、空調や湿気対策も含めて検討しましょう。

子どもの成長後を見据えて個室収納も確保する

子どもが小さいうちは家族共用の収納が便利ですが、思春期以降に備えて子ども自身で管理できるスペースを個室につくっておくことをおすすめします。
各個室にも最小限の収納スペースを確保し、ライフステージの変化に備えましょう。
ファミリークローゼット内に高さを変えられる可動棚や取り外し可能なハンガーパイプを採用すると、子どもが個室収納に切り替えた後の空間活用も考えやすくなります。    

ファミリークローゼットを取り入れた建築実例3選

ここからは、竹内建設で施工した注文住宅の事例から、使いやすいファミリークローゼットを実現した3例を紹介します。

寝室と廊下をつなぐおしゃれなファミリークローゼット


寝室とつながるウォークスルータイプのファミリークローゼット。廊下からも寝室からもクローゼットにアクセスできます。両側にハンガーパイプ・棚板を設置し、家族全員分の衣類を収納できます。

木目調の棚板を採用し、室内のインテリアになじむ収納空間に仕上げました。

「おかえり動線」を取り入れたファミリークローゼット


こちらは、リビング側の廊下からアクセスし、洗面室・浴室につながるウォークスルータイプのファミリークローゼットです。帰宅後に上着や荷物をクローゼットに収納し、そのまま洗面室へ移動できる間取りで、遊び盛りの子どもがいる家庭に適した「おかえり動線」を実現しています。

大きな鏡を備えたファミリークローゼット


奥に、天井まである大きな姿見を設置したファミリークローゼットの実例です。枕棚とハンガーパイプに加え、小物やバッグも収納できる腰高の可動棚も造作しました。衣類を選び、着替えて全身を確認するまでを同じ空間で済ませられます。

収納量だけでなく着替えスペースも確保し、身支度を一か所で済ませられるファミリークローゼットです

ファミリークローゼットに関してよくある質問

ここでは、ファミリークローゼットについて、家づくりの検討中によく寄せられる疑問をまとめました。

Q.子どもが成長した後、ファミリークローゼットはどう活用する?

子どもが成長し、自分の持ち物を個室で管理するようになった後は、空いたスペースを家族共用の収納として活用できます。
季節家電や旅行用品、アウトドア用品、趣味のグッズを収納するとよいでしょう。広さや窓、換気、コンセントなどの条件が合えば、リフォームして書斎や個室として活用する方法もあります。
固定棚を増やしすぎず、可動棚や取り外せるハンガーパイプを採用しておくと対応しやすくなります。

Q.ファミリークローゼットの設置場所はどう決めればいい?

設置場所は、家族がファミリークローゼットで「便利にしたいこと」「負担を減らしたいこと」を明確にすると考えやすくなります。洗濯を楽にしたいなら洗面室やランドリールームの近く、外出・帰宅の動線をスムーズにしたいなら玄関の近く、子どものお世話をラクにしたいならリビングの近くというように、優先したい生活シーンに合わせましょう。

ファミリークローゼットのご相談は竹内建設へ


後悔のないファミリークローゼットの間取りにするには、間取りの一部分だけを考えるのではなく、家事動線や家全体の間取り・収納計画を含めた総合的な設計が欠かせません。
竹内建設は、家族一人ひとりの暮らし方に寄り添った間取り提案を得意としています。
専任の設計担当が家族構成や生活習慣、持ち物の量を丁寧に伺い、それぞれに合った収納計画をご提案します。
また、北海道札幌市周辺で注文住宅を数多く手がけており、豊富な施工事例を公開中です。収納の広さや配置を具体的に検討したい方は、モデルハウスで実際の動線や収納寸法をご確認ください。
資料請求や家づくりのご相談も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。
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まとめ


ファミリークローゼットは、家族の衣類や荷物をまとめて収納できる共用スペースです。家事動線の短縮や部屋の片付けやすさなど多くのメリットがある一方で、まとまった広さの確保やプライバシーへの配慮など、事前に知っておきたい注意点もあります。

収納する物の量や優先したい動線を明確にし、子どもの成長後の使い方を具体的に整理すると自分たちの暮らしに合う広さや配置を判断しやすくなります。実例やポイントを参考に、自分たちの暮らしに合ったファミリークローゼットを検討してみてください。

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