実例あり|ユニットバスとは?定義やメリット・デメリット、後悔しない選び方
2026/02/26
目次
ユニットバスとは、工場で製造された床や壁、浴槽などのパーツを建築現場で組み立てて完成させるユニット工法を用いた浴室です。現在、日本の新築一戸建て住宅ではユニットバスが主流になっています。しかし、ユニットバスを「トイレが併設された浴室」と誤解している人も多いようです。
この記事では、ユニットバスの定義や種類、在来工法との違いを解説します。また、ユニットバスを採用するメリットとデメリットに加え、3つの建築実例も紹介します。これから新築を建てる方や、浴室のリフォームをお考えの方は、後悔のない家づくりを実現するためにぜひ参考にしてください。
ユニットバスとは?正しい定義と種類
ユニットバスとは、工場で製造された床・壁・天井・浴槽などのパーツを建築現場で組み立てる浴室です。一体化された部材「ユニット」を用いて、現場で組み立てる「ユニット工法」で施工することから、この名称が定着しました。なお、ユニットバスとは施工方法を指す言葉であり、必ずしもトイレ付きの浴室を意味するものではありません。
ユニットバスは、浴室内にある設備の構成によって、3つのタイプに分けられます。ここでは、ユニットバスとはどんなものか、構造や種類について解説します。
ユニットバスの基本構造
ユニットバスの構造は、床・壁・天井・浴槽で成り立っています。部材同士が一体化している分、高い防水性を確保できます。完成したユニットを搬入して現場で組み立てるため、従来の在来工法よりも短い工期で完成できる点が特長です。
ドアやシャワー、鏡、収納パーツなどのオプションも豊富に用意されています。これらのパーツを、自由に選び組み合わせられる点も、ユニットバスが多くの人に選ばれている理由の一つです。
ユニットバスとシステムバスはほぼ同じ
ユニットバスの異なる呼び方として「システムバス」があります。これらは呼び方が異なるだけで、実質的には同じものを指します。メーカーによっては、工場で製造されたパーツを現場で組み合わせてつくるキッチンを「システムキッチン」と呼ぶように、同様の仕組みで設置する浴室をシステムバスと呼びます。
いずれも工場で生産されたパーツを組み合わせる点は同じなので、用語が違っても基本的な仕組みに大きな違いはありません。
ユニットバスの3つのタイプ
ユニットバスは、構成によって次の3つのタイプに分類されます。
・1点ユニットバス:浴室のみ
・2点ユニットバス:浴室+洗面台
・3点ユニットバス:浴室+洗面台+トイレ
それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
1点:浴室のみ
1点ユニットバスは、浴槽と洗い場のみで構成された浴室のみのタイプです。洗面台やトイレは、別の空間に設置されます。
新築の戸建て住宅では、この1点ユニットバスが主流です。戸建て住宅は家族で暮らす前提で建てられるので、洗面室やトイレを独立させて配置するケースが一般的です。
2点:浴室+洗面台
2点ユニットバスは、浴室内に浴槽と洗面台を備えたタイプです。主に賃貸マンションやホテルなどで多く採用されています。
コンパクトなスペースで設置できるため、限られた床面積を有効活用しやすい点が特長です。また、設備が一体化しているので、掃除やメンテナンスがしやすいなどの利点もあります。
3点:浴室+洗面台+トイレ
3点ユニットバスは、浴室・洗面器・トイレが一体化したタイプです。ビジネスホテルやウィークリーマンションなどに多く採用されています。
浴室とトイレが同じ空間にあるので、複数人で使用する部屋には不向きです。そのため、単身者向けの物件で多く採用されています。一般的に、ホテルや賃貸マンションの設備欄に記載される「ユニットバス」は、このタイプを指します。
ユニットバスと在来工法の違い
ユニットバスに対し、現場で防水下地から仕上げまで施工する浴室を「在来工法」と呼びます。
・ユニットバス:工場で製造された各パーツを現場で組み立てる浴室
・在来工法:防水下地や床・壁などのすべてを現場で施工する浴室
在来工法は、ユニットバスが普及する以前に広く採用されていた工法です。近年では、より自由度の高い設計を求める際に選ばれるケースが増えています。
ユニットバスと在来工法は、構造やデザインの自由度、費用など、さまざまな点で違いがあります。以下の表に、主な違いをまとめました。
| ユニットバス | 在来工法 | |
|---|---|---|
| 施工方法 | 工場で製造したパーツを現場で組立 | 現場で防水施工から仕上げまで施工 |
| 大きさ・デザイン | ラインナップの中から選択 | 自由な設計が可能 |
| 工期の目安 | 3~5日程度 | 2~3週間程度 |
| 費用の目安 | 70万~150万円程度 | 100万~250万円以上 |
| 採用される場所の例 | 戸建て住宅、賃貸、ビジネスホテルなど | 注文住宅・旅館など |
在来工法の特徴は、浴槽の大きさや形状を自由に設計できる点です。従来はタイル張りのイメージが強いですが、近年は石材やひのき材などの素材を使った施工も多く見られます。オーダーメイドなので、施工コストが高くなるうえ、工期は長くかかる傾向にあります。
一方ユニットバスは、大きさやデザインに一定の制限があるものの、コストと工期を抑えやすいでしょう。
在来工法よりユニットバスを選ぶメリット5選
ユニットバスは、在来工法と比べて多くの実用的なメリットがあります。ここでは、主なメリットを紹介します。
気密性が高く冬場も足元冷えを感じにくい
冬場でも寒さを感じにくい点が、ユニットバスのメリットです。ユニットバスは床・壁・天井を一体化されているため、防水性や気密性を確保しやすく、浴室内の暖かさを保ちやすい構造になっています。さらに、FRP(繊維強化プラスチック)や樹脂など、熱伝導率の低い素材が使われるケースが多く、裸足で触れても冷えを感じにくいのが特長です。
一方、在来工法の多くは床や壁にタイルが敷かれているので、足を踏み入れた瞬間に冷たさを感じやすい傾向にあります。ユニットバスは在来工法に比べて洗い場が冷えにくく、ヒートショックのリスクを軽減しやすいでしょう。
水はけが良く掃除しやすい
ユニットバスには、掃除しやすさを考慮したさまざまな工夫が施されています。各メーカーが、メンテナンス性や機能性の高さを重視して開発しているためです。
ユニットバスの床材の多くには、FRPや樹脂といった高耐久な材質が使われており、水はけを良くする凹凸加工が採用されています。タイルの目地に汚れやカビが付着しやすい在来工法の浴室に比べると、ユニットバスは毎日の手入れがしやすく、清潔な状態を維持できる点が特長です。
防水性が高く水漏れしにくい
防水性が高い点も、ユニットバスのメリットです。ユニットバスは、床や壁が一体化された構造のため、つなぎ目が少なく水漏れのリスクが極めて低い点が特長です。
在来工法の浴室では、タイルの目地が経年劣化によって傷み、そこから水漏れが発生するリスクがあります。実際に、長期間の水漏れによって下地材や床下部分が劣化し、リフォームを強いられる住宅も見られます。床下の劣化が進めば、建物全体の耐久性も低下するため
です。
水まわりの耐久性は、住宅に長く住み続けるための重要なポイントです。ユニットバスは防水性を確保しやすい構造のため、建物自体の寿命も伸ばせる可能性があります。
工期が短く品質が安定している
ユニットバスは工場で品質管理されたパーツを組み立ててつくるため、現場での施工期間を短縮できます。ユニット本体の製造は工場で行われるので、現場での施工期間の目安は3〜5日程度です。
一方、在来工法は下地調整から防水処理、仕上げ処理など多くの工程を現場で行うため、2〜3週間、内容によってはさらに長い工期がかかります。
また、ユニットバスは、工場生産によって品質を一定に保ちやすく、仕上がりのばらつきが少ない点もメリットの一つです。ショールームで確認した仕様に近い仕上がりを実現しやすいので、完成後の仕上がりと事前のイメージとのギャップも生じにくいでしょう。
バリアフリーが標準的で安全性が高い
安全性の高さも、ユニットバスの利点です。一般的には次のような工夫が施されており、バリアフリー設計が標準的に採用されています。
・段差を抑えた出入り口
・滑りにくい床材
・またぎやすい高さの浴槽
・手すりの設置に対応した設計
転倒やつまずきのリスクが少ないので、お子さんや高齢の方、身体に障がいのある方でも安全に使えます。
ユニットバスのデメリットと注意点
ユニットバスは多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットがあります。
ここでは、4つのデメリットと注意点を紹介します。
サイズや間取りに制約がある
ユニットバスは、あらかじめ規格サイズが決まっています。そのため、リフォーム工事では、既存の間取りにぴったり合わない場合もあります。
一般的に、ユニットバスの大きさは現代の住宅に適応しやすいサイズで展開されており、浴室内の幅と奥行きを示す4桁の数字で呼び分けられています。
| ユニットバスの主なサイズ | 浴室の寸法(内寸) | 坪数目安 |
|---|---|---|
| 1216 | 120cm × 160cm | 約0.75坪 |
| 1616 | 160cm × 160cm | 約1坪 |
| 1618 | 160cm × 180cm | 約1坪 |
| 1620 | 160cm × 200cm | 約1.25坪 |
新築住宅では、1坪サイズにあたる1616型や、1.25坪タイプの1620型が多く採用されています。紹介したサイズ以外にも幅広い規格が存在しますが、基本的には規定の型の中から選んで設置しなければなりません。
そのため、リフォームの場合は、既存の浴室の大きさに合わない場合もあります。在来工法の浴室からユニットバスにリフォームする際は、周囲の間取りを含めた改築も必要になる点に注意しましょう。
設備の後付けが難しい
ユニットバスは一体構造のため、一度施工を終えると機能や設備をあとから追加・変更することが難しい場合があります。たとえば、浴室暖房乾燥機能やジェットバスなどの機能を追加しようとすると、配管や電気配線工事が必要になり、多大な費用と手間がかかります。
そのため、新築・リフォームいずれの場合でも、計画の段階で将来のライフスタイルまで見据え、必要な設備を確定しておくことが大切です。
デザインの自由度は低め
在来工法と比較すると、ユニットバスはデザインの自由度が限られます。一般的にユニットバスのデザインは、メーカーが用意したカタログの中から、壁パネルの色柄や浴槽の形、床の素材などを組み合わせて選びます。決められた選択肢の中から選ぶので、画一的になりやすく、個性的なデザインをつくりづらいでしょう。
その点、在来工法では壁の素材や色、浴槽の形状などまで細かく設計できるため、素材や雰囲気にこだわった浴室に仕上げられます。ユニットバスでデザインにこだわりたい場合は、高いグレードのタイプを選んだり、既製品と造作を組み合わせる「ハーフユニット」タイプを活用したりする方法もあります。ただし、どちらも標準的なユニットバスよりもコストが高くなる点には注意が必要です。
湿気がこもりやすい
ユニットバスは防水性や気密性に優れている構造のため、湿気がこもりやすくなります。換気が十分でない場合、カビ汚れや水垢が発生します。近年は窓のない浴室が増えているので、換気設備による適切な使用が欠かせません。
次のポイントを習慣にして、清潔な浴室を維持しましょう。
・入浴後は必ず換気運転する
・浴槽に湯をためたままにしない、またはふたをする
・こまめに清掃して汚れを洗い流す
グレードによっては安っぽく見える
ユニットバスは価格帯が幅広く、選ぶグレードによって空間の印象が大きく変わります。仕様によっては、賃貸やビジネスホテルのような簡素な印象を与えてしまう場合もあります。これは、コストや効率を優先する施設と同じ仕様のパーツが使われやすく、似た雰囲気を感じやすいためでしょう。
イメージ通りの浴室に仕上げるためには、メーカーのショールームなどで実物を確認し、複数のグレードを比較検討することをおすすめします。予算とのバランスを考慮しながら、住まい全体の雰囲気に合ったデザインを選びましょう。
ユニットバスへの建築実例4選
ここでは、実際に竹内建設で施工したユニットバスの実例4例を紹介します。
事例1 クールなマットブラックのユニットバス
一般的なユニットバスでは、壁4面のうち1つの面に、色や柄を変えて空間に変化をつけるアクセントパネルを選べます。この事例ではマットな質感のあるブラックのパネルを選び、クールで落ち着いた浴室に仕上げました。
洗い場部分にはカウンターや収納棚、上部には洗濯物をかけられるランドリーパイプも設置し、日常的な使い勝手が考慮されています。
事例2 ゆとりと機能性を兼ね備えたユニットバス
ゆったりとした広さの浴槽を採用し、足を伸ばしてくつろげる浴室に仕上げました。浴槽内には半身浴ができるベンチを設けており、長時間でも快適に入浴できます。
L字型の手すりも設置。立ち上がりやまたぎ動作など浴槽の出入りをサポートし、安全性にも配慮しています。縦長のミラーを取り入れることで、空間に広がりを演出し、すっきりとした印象にまとめました。
事例3 デザイン重視のくつろぎバスルーム
こちらの事例では、柄のある壁パネルを採用しています。アッシュグレーの木目がナチュラルさを演出し、浴室全体の雰囲気がグレードアップした印象です。
シャワーヘッドや浴室の横幅いっぱいに取り付けたワイドミラーなど、アクセサリーにもこだわっています。
事例4 床タイルで上質な雰囲気を演出するシンプルバスルーム
こちらの事例の特徴は、大判なタイル調の床面。一般的な凹凸のある樹脂タイプの床よりも、高級感を感じられます。洗い場カウンターや鏡は設けず、シンプルなデザインで掃除しやすい浴室に仕上げました。
ユニットバスに関してよくある質問
新築の浴室選びでは、たくさんの選択肢に迷いますよね。ここでは、ユニットバスに関するよくある質問にお答えします。
Q. ユニットバスと在来工法ではどちらが費用を抑えられる?
施工費用は、在来工法よりもユニットバスのほうが抑えられます。ユニットバスは工場で生産されたパーツを現場で組み立てる工法のため、材料費と施工費の両面でコストパフォーマンスに優れているためです。一般的に、ユニットバスの施工費が70万〜150万円程度であるのに対し、在来工法では100万〜250万円以上かかるケースもあります。
ただし、ユニットバスでも、自由度の高いハイグレードなタイプを選んだり、複数のオプションを追加すると費用が高額になる場合があります。予算と優先順位のバランスを見極めることが大切です。
Q. ユニットバスに浴室テレビやオーディオは付けられる?
ユニットバスに浴室テレビやオーディオを付けることは可能です。多くのメーカーで、防水仕様のテレビやスピーカーがオプションとして用意されています。
ただし、これらを既存のユニットバスに後付けする場合は、壁の解体や電気配線工事が必要になり、多額の費用がかかるケースがあります。浴室にテレビやオーディオを付けるなら、新築時がおすすめです。
Q. ユニットバスは新築から何年もつ?
ユニットバスの耐用年数は、一般的に15~20年程度といわれています。毎日お湯を使うので、防水コートやパーツのつなぎ目のコーキングが徐々に劣化するためです。また、換気設備や給湯器などは、使用状況によっては10年を過ぎたあたりから不具合が生じやすくなります。
ユニットバスを清潔に長く使うには、定期的なメンテナンスを業者に依頼することがおすすめです。特に劣化しやすいコーキングやパッキンを早めに補修・交換すると、良好な状態を保ちやすくなります。
ユニットバスのご相談は竹内建設へ
新築でどのようなユニットバスを選ぶべきかお悩みの場合は、竹内建設にご相談ください。ユニットバスの商品選びから間取り計画、施工まで、丁寧にサポートします。予算に応じた製品の提案のほか、住まい後の定期点検やリフォームも専門のスタッフが対応します。
ライフスタイルにぴったりのユニットバス選びや、理想の家づくりをお手伝いしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
▶︎お問い合わせはこちらから
まとめ
ユニットバスは、工場で製造されたパーツを建築現場で組み立てて仕上げる浴室のことです。構成によって3つのタイプがあり、新築の戸建て住宅では浴室のみの1点タイプが主流となっています。
ユニットバスは気密性やメンテナンス性に優れているほか、バリアフリーの配慮が行き届いているので、小さなお子さんやご高齢の家族がいる家庭でも安心です。一方、デザインの自由度が限られるなどのデメリットもあるため、ショールームなどで実物を確認したうえでライフスタイルや予算に合わせて検討しましょう。



