中二階とは?メリット・デメリットと法律上の注意点を解説

2026/02/18

竹内建設のスタッフ Masato .S
著者
Masato .S

目次

「中二階」は、1階と2階の間に設けられる空間の呼び方です。
限られた床面積を有効活用できることから、近年検討する方が増えています。しかし、実際に家づくりに取り入れるなら、あらかじめ具体的なデメリットを知っておきたい方も多いでしょう。

この記事では、中二階とはどのような間取りなのかに加え、具体的なメリット・デメリットまで丁寧に解説します。
建築基準法上の注意点や、よくある質問もまとめていますので、中二階のある住まいづくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

中二階とは?定義と主な役割

中二階(ちゅうにかい)とは、1階と2階の中間ほどの高さに設ける空間です。フロアの高さをずらす設計手法のひとつで、1.5階と呼ばれることもあります。たとえば、階段の途中の踊り場を広げて、書斎スペースやセカンドリビングとして利用する例が挙げられます。

ただし、建築基準法に中二階という用語があるわけではありません。その空間の用途に応じてルールが適用されます。

中二階の主な役割は、空間の有効利用です。床から天井までの縦の広がりを利用するので、リビングを開放的に見せる効果があります。また、法律の条件を満たせば「床面積に算入しない収納」を設けられる点も魅力です。中二階がある住まいは、コンパクトな敷地や平屋でも、実際より広く感じられる居場所をつくれます。

中二階とスキップフロア・ロフトとの違い

中二階と似ている間取りに「スキップフロア」や「ロフト」があります。いずれも床の高さを変える点は共通していますが、法律上の扱いや設計の考え方は異なります。

以下の表で、3つの違いを比較してみましょう。



中二階 スキップフロア ロフト
主な用途 書斎スペース、キッズスペースなど 多目的スペース、趣味のコーナーなど 収納スペースなど
設置される場所 1階と2階の中間ほどの高さ 同じフロア階の床から数十cm~1m弱の高さ 天井付近
天井高の制限 居室とする場合は2.1m
以上小屋裏物置等とする場合は1.4m以下
※用途による
居室とする場合は2.1m以上
小屋裏物置等とする場合は1.4m以下
※用途による
原則1.4m以下
法律上の扱い 居室または小屋裏物置等
※用途による
居室または小屋裏物置等
※用途による
小屋裏物置等
床面積算入 居室とする場合は算入される
小屋裏物置等とする場合は算入されない
居室とする場合は算入される
小屋裏物置等とする場合は算入されない
条件を満たせば算入されない

表からわかるとおり、中二階・スキップフロア・ロフトは、見た目だけでなく法的な扱いなどの点が異なります。

それぞれの違いを見ていきましょう。

スキップフロアとの違い


スキップフロアは、リビングの一部などに床の高さをずらして設ける空間です。中二階とスキップフロアの主な違いは、床の高低差の大きさや階として独立しているかどうかです。いずれも明確な定義はありませんが、一般的には床の高低差の大きさによって呼び分けられています。

たとえば、リビングの一角だけ30〜40㎝ほど床を高くした小上がりスペースは「スキップフロア」と呼ばれるのが一般的です。一方、1階と2階の中間ほどの高さに床を設ける場合は「中二階」と呼ばれます。



スキップフロア ・リビングの一部などに段差を設ける
・段差は数十㎝ほどが多い
中二階 ・1階と2階の中間ほどの高さに床を設ける
・半階分(1~1.5mほど)の高さを設けるケースが多い

中二階は1階の床と大きな段差をつくるので、その下に人が通れる空間を確保できる場合があります。その真下部分を収納スペースなどに活用する間取りが、無駄なく空間を活かす設計として人気です。

ロフトとの違い

ロフトとは、屋根裏や天井付近の余剰空間に設けられ、はしごや階段で上り下りする空間(※)です。中二階との主な違いは、設置される位置と法律上の扱いにあります。



ロフト ・個室の高い位置に収納として設ける
・法律上は「小屋裏物置等」として扱われる
中二階 ・1階と2階の間に設ける
・用途や設計によって法律上の「居室」または「小屋裏物置等」の扱いに分けられる。

ロフトは、屋根裏などの余った空間を活かして、子ども部屋や寝室の上部に設置することが一般的です。ロフト部分の床から天井までの高さを1.4m以下にするなど、一定の条件を満たすと、法律上「小屋裏物置等」として扱われ、床面積に算入されません。

一方、中二階は文字通り1階と2階の間に設置されます。用途や設計によって、法律上の「居室」または「小屋裏物置等」の扱いに分けられます。「居室」として設計する場合は、採光・換気などの居室の基準を満たせば、開放的な居場所もつくれるのです。

※自治体により階段の形状に制限がある場合があります

中二階を設置する4つのメリット

中二階は、縦の空間を活用して心地よい暮らしを実現できる間取りです。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

限られた床面積を有効活用できる

中二階は、1階と2階の間に中間層を設けるので、限られた床面積でもスペースを有効活用できます。たとえば、リビングの一部に中二階を設けてその下を収納にすれば、同じ床面積のなかに書斎と収納スペースを同時に確保できます。

敷地や建築条件に制限がある住宅でも、設計次第で居住空間に広がりをもたせられる点が大きな魅力です。近年人気のコンパクトな平屋で縦の空間を活用する手法としても、注目されています。

家族の気配を感じながらプライベートを確保できる    

中二階は、家族と適度な距離感を保てる点も魅力です。空間が上下に分かれると、視線が直接届きにくくなり、家族の気配を感じながらも自分の時間を確保しやすくなります。

たとえば、リビングとゆるやかにつながってリモートワークができるスペースや、家事をしながら見守れるキッズスペースなど、さまざまな使い方ができます。個室ほど完全に区切らず、かつ、同じフロアで距離感が近くなりすぎないため、家族それぞれが思い思いの時間を過ごせる空間をつくれるのです。

収納や居場所を柔軟につくれる

中二階は、用途を限定せず柔軟に活用できる点も、大きなメリットです。中二階は、以下のような活用方法があります。

・キッズスペース
・書斎やライブラリー
・趣味のスペース
・収納スペース
・寝室
・セカンドリビング

さまざまな使い方ができるので、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて用途を見直せます。

たとえば、子どもが小さいうちは遊び場として使い、成長したら学習や収納スペースに、さらに独立後は自身の趣味の部屋として活用するなど、家族のライフステージに合わせた使い方が可能です。

家全体が広く感じられる    

床の高さが異なる空間があることで、視線が上下に広がり、家全体に開放感が生まれます。
立体的な構成は、平面的な間取りよりも広がりを感じやすくなるためです。

また、中二階部分には、目線よりも高い位置に窓を設けられます。上部から取り込んだ自然光を部屋の奥まで届けられるので、明るく風通しの良い空間をつくれます。

吹き抜けと組み合わせれば、天井の高さを活かしたより開放感のある広がりも演出できます。狭小地などの限られた敷地でも、縦空間を活かして広々と感じられる設計が可能です。

中二階のデメリットと対策

中二階には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、主なデメリットとそれをカバーする対策を紹介します。

建築コストが高くなりやすい

中二階を設けると、通常の間取りと比べて建築コストが高くなる傾向があります。
設計や施工が複雑になり、場合によっては構造を支える壁や天井の補強が必要となるためです。手すりや建具を、寸法に合わせて製作するケースもあります。

建築コストを抑えるには、計画の段階で優先順位を整理して予算を検討する必要があります。信頼できる住宅会社を選び、コストを抑える工夫を提案してもらうなど、予算内で実現できる範囲を見極めましょう。

冷暖房効率が低下しやすい

中二階を設けると、冷暖房効率が低下する場合があります。天井を高くするケースが多いので、空間の体積が増えるためです。体積が大きくなると、冷暖房で温度を一定に保つためのエネルギーも増えやすくなります。

たとえば冬場は、暖かい空気が天井付近にたまりやすく、足元が冷えやすくなる傾向があります。対策としては、住まい全体の断熱性能の向上が欠かせません。断熱材や窓の性能などを確認しておきましょう。

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使われなくなるリスクがある

用途が明確でないまま中二階を設置すると、階段の上り下りが面倒になり、年齢を重ねるにつれて利用しづらくなることがあります。

設計の段階でライフステージの変化を見据え、長期的な視点で役割を想定しておくと安心です。将来的に使用頻度が下がった場合は、季節用品の収納場所にするなど、用途変更をあらかじめ計画しておくとよいでしょう。

掃除やメンテナンスに手間がかかりやすい

掃除の手間がかかりやすい点も、中二階のデメリットです。高い場所に窓や手すり、照明器具などがあるため、掃除のときに脚立などが必要になる場合があります。また、階段部分は平面な床と異なりロボット掃除機が使えません。

設計の段階から、掃除やメンテナンスのしやすさも考慮しておきましょう。具体的には、以下のような工夫ができます。

・LED照明を選び、電球交換の頻度を減らす
・手が届く範囲で開閉できる窓を選ぶ
・汚れが目立ちにくい素材を使用する

中二階の建築基準法律上の扱いと床面積への影響

中二階の間取りを採用する際は、建築基準法上の扱いや床面積への影響を理解しておくとよいでしょう。空間の用途によって適用される基準が異なるため、これらを把握しておくと、固定資産税を抑えられたり、小さな敷地でも収納力を上げられたりと、メリットを得られる場合があります。

ここでは、中二階が法律上どのような扱いになるのか、それによって床面積に算入されるのかどうか、見ていきましょう。

建築基準法上の扱い

建築基準法には「中二階」という定義はありません。独立した区分ではないため、建築基準法では、設計内容や用途によって「居室」または「小屋裏物置等」として扱われます。

建築基準法上で「居室」は、リビングや寝室など人が日常的に過ごす空間、「小屋裏物置等」は、一定の条件を満たす収納スペースを指します。それぞれ用途も異なるため、求められる設計基準も以下のように異なります。



建築基準法上の区分 主な基準 床面積への算入
居室 ・採光を確保できる窓を設ける
・換気設備を設ける
・天井高は2.1m以上
算入される
小屋裏物置等 ・天井高がおおむね1.4m以下
・面積が直下の階の1/2未満
・物置など収納の用途である
算入されない

※参考:建築基準法上「第二十八条(居室の採光及び換気)
※参考:建築基準法施行令「第二十一条(居室の天井の高さ)

中二階を計画するときは、用途や寸法条件を踏まえて「居室」「小屋裏物置等」のどちらの扱いに該当するかを検討します。

たとえば階段の途中の踊り場を広げてつくる中二階は、「居室」の扱いで、天井を高く計画されることが一般的です。その一方で、中二階の下の部分を一定の条件を満たす収納とすることで、「小屋裏物置等」として扱われる場合もあります。

床面積に算入されるケース

中二階が床面積に算入されるかどうかは、法律上どの区分に該当するかによって決まります。



法律上の扱い 床面積への算入
居室 算入される
小屋裏物置等 算入されない

床面積の算入は、容積率の上限や固定資産税に影響します。



容積率とは 敷地面積に対する床面積の割合。
用途地域などによって上限が定められている。
固定資産税とは 土地や建物に課せられる税金。
建物の面積や設備などによる評価額をもとに算定される。

床面積に算入されると、容積率の上限に達しやすくなり、敷地条件によっては希望する広さの建物が建てられなくなる場合があります。床面積が増えると評価額に影響するため、結果として固定資産全額が変わる可能性があります。

特に容積率の上限が厳しいエリアや敷地面積が限られている土地に家を建てる際は、床面積への算入の扱いを理解したうえで計画を進める必要があるのです。

自治体ごとの解釈の違い

前述したとおり、中二階は法律上の独立した区分ではなく、設計内容や用途によって「居室」または「小屋裏物置等」として扱われます。居室として計画する場合の基準は全国共通ですが、物置として扱う際の具体的な運用は、自治体ごとに異なる場合があります。

特に、寸法の測り方や階段の扱いなど、細部の判断に差が見られるため、計画内容によっては、住宅会社の設計担当が自治体の窓口で問い合わせながら進めるケースも想定されるでしょう。また、固定資産税の評価は各自治体がおこなうので、評価の方法などは地域によって差が生じます。

一般の住まい手が法規や評価基準を判断するのは難しいので、信頼できる住宅会社に相談し、必要に応じて自治体の窓口で確認しましょう。

中二階に関するよくある質問

中二階を検討する際によく寄せられる質問をまとめました。設計や活用方法について疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

Q. 中二階の広さはどのくらいが目安ですか?    

中二階の広さは、用途や建築基準法上の扱いによって異なります。
用途別の広さの目安は、以下のとおりです。

・収納スペース:1〜2帖程度
・書斎や趣味のスペース:2〜3帖程度
・リビングや寝室スペース:4〜6帖程度

ただし、建築基準法上「小屋裏物置等」の扱いにするなら、直下階の床面積の2分の1未満に抑える必要があります。広さを決める際には、建築コストや冷暖房効率、将来の使い勝手なども考慮し、設計士と相談しながら進めてください。

※参考:建築確認同意・消防用設備等設置規制事務審査基準について/札幌市「第4 建築物の床面積・階の取扱い」P158

Q. 中二階は将来撤去できますか?    

中二階は、建物の構造に支障がなければ撤去することは可能です。ただし、中二階は階段と一体になって設計されているケースが多いため、撤去に伴って、2階へのアプローチの見直しや階段まわりの改修も必要になる可能性があります。

将来的な変更を見据えるなら、計画の段階で柔軟性も考慮した設計をしておくと安心です。

Q. 中二階の下のスペースはどう使いますか?    

中二階の下のスペースは、収納として活用する間取りが多く見られます。天井が低いので、季節用品や使用頻度の低い荷物を保管する場所として適しています。設計段階でどんなものを収納するか想定して、造作棚を設置すれば、整理整頓しやすい収納スペースになりますよ。

中二階のご相談は竹内建設

中二階のある住まいづくりをお考えなら、竹内建設にご相談ください。
中二階の設計には、建築基準法への適合やコストを抑える提案、将来を見据えた柔軟な空間づくりなど、複雑な設計が欠かせません。

竹内建設では、経験豊富な設計士が丁寧にサポートし、家族のライフスタイルに合わせた住まいを提案しています。空間を効率よく活用した開放的な住まいをお考えなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

中二階は、1階と2階の間に設けられる柔軟なスペースです。限られた床面積を有効活用しながら、家族の気配を感じつつプライベートも確保できる魅力的な間取りとして、取り入れられる例が増えています。頼れる住宅会社を選び、長く快適に暮らせる家づくりを叶えましょう。

※参考:建築基準法「第二条(用語の定義)
※参考:建築基準法施行令「第十九条(居室の採光)・第二十条(有効面積の算定方法)・第二十一条(居室の天井の高さ)
※参考:地方税法「第三百四十一条(固定資産税に関する用語の意義)

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