リビングのエアコン位置はどこがベスト?3つの基本と失敗例を紹介
2026/06/15
目次
新築を計画する際、リビングのどの位置にエアコンを設置すべきか迷う方は多いでしょう。エアコンは、設置位置によって冷暖房効率が大きく変わります。一般的に、リビングはエアコンの使用時間が最も長くなる部屋なので、設置位置を誤ると毎月の電気代が上がってしまう可能性もあります。さらに、長時間過ごす位置に直風が当たり続けると、心地よく過ごせません。
今回は、新築で快適なリビングにするための理想的なエアコンの設置位置を解説します。
リビングの形状別のおすすめ位置や、よくある失敗例と対策もまとめました。新築のエアコン設置に迷う方は、ぜひ参考にしてください。
リビングのエアコン位置の正解【3つの基本】
はじめに、リビングのエアコン位置を決める際に知っておきたい基本知識を解説します。エアコンを効率よく稼働させるには、以下の3つのポイントを押さえた位置に設置するのが理想です。
・短辺の壁・中央上部に置く
・風の通り道を遮る物がない場所を選ぶ
・室外機との距離は短くする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
短辺の壁・中央上部に置く
縦長のリビングの場合、短辺の壁面の中央付近に設置すると効率よくエアコンを運転できます。一般的にエアコンの風は、正面に向かってまっすぐ吹き出す仕組みになっているためです。
長辺側の壁や、中央ではなく左右どちらかの壁に近い場所に設置した場合、風が部屋全体に届く前に停滞してしまい、冷暖房にムラが生じる可能性があります。部屋の短辺側・中央に設置することで、冷気・暖気が部屋の奥まで行き渡りやすくなるでしょう。
風の通り道を遮る物がない場所を選ぶ
エアコンの周囲や送風方向に障害物があると、冷暖房効率が低下します。風を遮る物があると、エアコンのセンサーがうまく働かず、暖気・冷気が部屋の隅まで届きにくくなるためです。また、運転負荷が増え、エアコンの劣化を早める原因にもつながります。
・次のような位置に設置するのが理想です。
・送風口の正面にカーテンレールなどがない
・送風口の真下に背の高い収納家具がない
冷房運転では室内全体に冷気が循環するよう水平~やや下向きに、暖房運転では足元まで温風が届くよう下方向に風向きを設定するのが効果的とされています。エアコンの送風口の正面や直下に物がなく、風の通り道を確保できる場所を選びましょう。新築時には、家具の配置計画と合わせてエアコンの設置位置を検討しましょう。
室外機との距離は短くする
エアコンは、室内機と室外機をつなぐ配管の距離を、できるだけ短くできる位置に設置するのが望ましいです。室内機と室外機をつなぐ冷媒配管の距離が長いと、熱交換の効率が下がって冷暖房が効きにくくなります。
次のような位置に設置しましょう。
・1階の場合は、室外機を置けるスペースに面した外壁
・2階の場合は、室外機を置けるバルコニーや屋根に隣接した壁
なお、室外機は、障害物がなく地面が安定した場所に置いてください。
冷媒配管が長くなると、エアコン設置の工事費用も高くなります。間取りを考えるときは、室外機の配置も合わせて考えましょう。
【リビングの形状別】おすすめのエアコン位置
リビングの形状によっては、先ほど紹介した3つの基本条件を満たせないケースもあります。ここでは、リビングの形状ごとに、おすすめのエアコンの位置を解説します。
縦長・横長リビング|短辺の壁に設置する
縦長・横長いずれのリビングでも、部屋の短辺の壁に設置するのがおすすめです。
例えば、縦長のリビングで長辺の壁にエアコンを設置すると、奥まで冷房の風が届きにくくなります。さらに、エアコンとソファの距離が近くなり、直風で体が冷えたり乾燥を招いたりする恐れがあります。
縦長・横長リビングでは、エアコンの風が効率よく真っすぐ届くよう、短辺の壁に設置して冷暖房効率を高めましょう。
L字型リビング|2台設置を検討する
L字型のリビングでは、エアコン1台でカバーしようとするとL字の折れ曲がった部分を境に、奥のゾーンに風が届きにくくなります。部屋全体に風を送るには、リビングの両端にそれぞれ1台ずつ設置するのがおすすめです。
コストがかかるように思えますが、1台を高出力で稼働するよりも2台を適切な出力で運転した方が、エネルギー効率が高まるため電気代を抑えられます。1台のエアコンで運転する場合は、サーキュレーターをエアコンの風が届きにくい方向に向け、空気を送り込むよう工夫しましょう。
吹き抜けリビング|サーキュレーターを併用する
開放感が魅力の吹き抜けがあるリビングは、空間の容積が大きい分、冷暖房効率が落ちやすい間取りです。エアコンを効率よく活用するには、サーキュレーターやシーリングファンを併用しましょう。
特に暖房の温かい空気は天井付近に溜まりやすく、足元がなかなか温まらないことがあります。部屋が温まるのに時間がかかると、エアコンが高出力で稼働し続けるので、光熱費の負担も大きくなります。サーキュレーターやシーリングファンは、天井付近に溜まった暖気を下方向へ送るため、上下の温度差を解消するのに有効です。
リビングのエアコン位置でよくある失敗例
エアコンの設置位置は、実際に住み始めてから失敗に気づくケースも少なくありません。
ここでは、よくある失敗例を4つ紹介します。新築時に後悔しないためにも、失敗のパターンをあらかじめ知っておきましょう。
直風が当たって体に負担がかかる
ソファやダイニングテーブルの近くにエアコンを設置すると、常に直風が体に当たり続けてしまいます。エアコンの風に長時間当たると、体温調節機能が乱れ、冷え・肩こり・頭痛・乾燥などの不調を招く恐れがあります。
設置位置を決める際は、家具の配置をイメージし、ソファなど長時間過ごす場所の真上や正面を避けましょう。
設置場所が高すぎて掃除しにくい
一般的にエアコンのフィルター掃除は、2週間〜1か月に1回程度に行うことが推奨されています。しかし、天井が高い部屋や勾配天井のリビングでエアコンを高い位置に設置したために、フィルター掃除が面倒になってしまうのもよくある失敗です。
フィルター掃除を怠ると、目詰まりによって冷暖房効率が大きく低下するため、設置場所は、床から1.8〜2.3m程度を目安にしましょう。これより高い位置への設置は背の高い脚立が必要になるので、メンテナンスが億劫になりがちです。
キッチン付近への設置で油汚れがひどい
キッチンの近くにエアコンを設置すると、調理で発生する油煙や湯気を吸い込みやすくなります。フィルターや内部に油汚れが蓄積するため、こまめな掃除が必要になります。
さらに、油汚れは不快な臭いの原因にもなります。
キッチンのコンロやレンジフードからできるだけ離れた位置を選んで設置しましょう。
室外機の位置を考慮していなかった
部屋の中のエアコン位置だけに注目してしまい、後から室外機の置き場に困るケースも少なくありません。室外機の置き場を後から考えた結果、室内機から遠い位置にしか置けず、配管が長くなる場合があります。配管が長くなると、エアコン設置工事の費用が高くなるだけでなく、運転効率も低下しやすくなります。
また、直射日光が強く当たる場所や雨風が当たる場所に室外機を設置してしまうと、機器の劣化も早まります。エアコンを設置する際は、室内機だけでなく室外機の配置も合わせて検討しましょう。
エアコン設置前に確認すべき4つのチェックポイント
エアコンの位置を決める際、チェックすべきポイントに見落としがあると設置できなかったり、追加工事が必要になったりなど、後々のトラブルにつながる恐れがあります。
エアコンの設置工事に入る前に、以下の4点をチェックしましょう。
配管穴と柱・筋交いの位置
エアコンの配管穴が、壁の中の柱や筋交いと干渉しないかを確認しましょう。
室内機と室外機をつなぐ配管の穴は、柱や筋交いなどと重なる位置には開けられません。
木造住宅では、柱・筋交いは建物全体を支える重要な構造部材であり、傷つけると耐震性に影響する恐れがあるためです。
新築では、設計図面から柱・筋交いの位置を確認し、エアコンの設置予定位置が適切か設計士に確認しましょう。
専用コンセントの位置
エアコンは家電製品のなかでも消費電力が大きく、他の家電と電源を共有しない専用コンセントが必要です。一般的なコンセントに接続すると、電気回路に必要以上の負荷がかかり、発熱や火災が発生する恐れがあります。
また、延長コードやタコ足配線も使えないため、専用コンセントはエアコン本体の電源コードが届く位置に設置しなければなりません。新築時の打ち合わせでは、専用コンセントが設けられているか、エアコン本体から電源コードが届く位置かどうかを確認しておきましょう。
天井・カーテンレールとの隙間
エアコンを設置する際は、天井や左右の壁・カーテンレールとの間に隙間を確保しましょう。天井との距離が近すぎると、エアコンが室内の空気をうまく吸い込めず、冷暖房効率が低下します。一般的な目安としては、上部と左右に5cm以上の間隔が必要です。
新築設計の段階でエアコン本体のサイズを把握しておき、天井・壁・カーテンレールとの隙間が十分に確保できるかどうかを確認しましょう。
火災報知器との距離
エアコンが、天井の火災報知器から十分に離れているかどうかを確認しましょう。エアコンの吹き出し口から火災報知器までは、1.5m以上の距離が必要です。
これは、エアコンからの気流がホコリを巻き上げたり、暖房の運転時の急激な温度変化が起こったりすることで、誤作動につながるためです。距離が確保できない場合は、エアコンの設置位置を変える必要があります。新築時には、火災報知器の設置場所も図面で確認しておきましょう。
リビングのエアコン位置に関してよくある質問
リビングのエアコン位置を決める際に、多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。
設置位置や台数を考えるときの参考にしてください。
Q.長辺の壁にしかエアコンを設置できない場合はどうする?
ワンランク上の能力をもつ機種を選ぶか、サーキュレーターの活用がおすすめです。間取りや窓の位置の関係で、短辺ではなく長辺側の壁にしかエアコンを設置できないケースもあるでしょう。この場合、風の届く距離が短くなり、冷暖房効率が下がりやすくなります。
対処法として、能力に余裕のある機種を選びましょう。部屋の広さに対してワンランク上の機種を選ぶと、送風距離の短さを出力でカバーできます。
また、センサー機能の高さや送風角度の広さなども考慮して機種を選んでみてください。
加えて、サーキュレーターを併用すると部屋の奥まで冷気・暖気を循環させられます。
サーキュレーターはエアコンの対角線上に置き、冷気や暖気を部屋全体に押し広げるように向けると効果的です。
Q.エアコン1台でLDK全体をまかなえる?
1台でLDK全体をカバーできるかどうかは、LDKの広さと間取りの形状によって異なります。一般的なLDKは16〜20畳程度が多く、対応する畳数表示の機種を選べばカバーできます。畳数表示は築年数の進んだ住宅でも対応できる基準なので、現代の新築なら目安より広い空間にも対応できるでしょう。
ただし、以下のような間取りでは、1台でカバーできない可能性もあります。
リビングがL字型で、風が奥まで届きにくい
吹き抜けがあり、天井が高い
ほかの部屋とつながっている
このような場合は2台設置するか、サーキュレーターなどを活用しましょう。
なお、竹内建設ではエアコン1台で家中を冷暖房・換気できる自然換気システム「BAQOOL」をご提案しています。
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Q.エアコンの真下にテレビや冷蔵庫を置いても大丈夫?
基本的には避けましょう。エアコンの真下に家電製品がある場合、内部で発生した結露による水滴の落下や、冷暖房の直風による故障や早期劣化につながるリスクがあります。また、家電の熱でエアコンのセンサーが誤反応を起こす恐れもあります。
冷蔵庫は背が高いため、真下にエアコンの気流が送られず運転効率も低下するでしょう。やむを得ず近くに家電を置く場合は、市販の風向きルーバーで直風が当たらないよう調整し、エアコン内部で発生する結露水が家電に落下しない位置かどうかを確認してください。
まとめ
リビングのエアコンは、設置位置によって冷暖房効率・快適性・メンテナンスのしやすさが大きく変わります。理想の設置位置は「短辺の壁・中央上部」です。風の通り道を確保し、室外機との距離が短くなる位置を選びましょう。
設置前には配管穴・専用コンセント・天井との隙間・火災報知器との距離の4点を図面で設計士と確認しておくと安心です。適切な位置にエアコンを設置し、一年を通して快適に過ごせるリビング空間を実現しましょう。




