【実例あり】ビルトインガレージのよくある後悔11選と失敗を防ぐ対策

2026/01/22

目次

車を建物内に保管できるビルトインガレージは、盗難のリスクが減らせ、雨にぬれず乗り降りや荷物の運び入れができるなどのメリットがあります。しかし、設置するには一般的な住宅よりコストがかさむなどのデメリットもあるため、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ビルトインガレージのよくある後悔11選と失敗を防ぐ対策について詳しく紹介します。メリットだけでなくデメリットも把握して、後悔のない家づくりをかなえましょう。

ビルトインガレージとは住宅一体型の駐車スペース

ビルトインガレージとはどういうものなのか、メリット・デメリットとあわせて紹介します。

ビルトインガレージの定義    

ビルトインガレージとは、住宅の1階部分などに駐車スペースを組み込み、シャッターやドアで閉め切れるようにしたガレージを指します。英語で「内蔵された」「造り付けの」などを意味する「built-in」が由来で、壁と屋根に囲まれた住宅の一部として設計されます。

ガレージの名がつく似た用語やよく比較される設備には、以下の3つが挙げられます。



用語 概要 インナーガレージとの違い
インナーガレージ 建物内部に駐車スペースがある車庫 基本的に違いはない
ガレージハウス ビルトインガレージが組み込まれた住宅全体 設備単体を指すインナーガレージに対し、ガレージハウスは建物全体を指す
オープンガレージ 建物の外に屋根と柱だけでつくられた駐車スペース 住宅と一体化していない

ビルトインガレージのメリット・デメリット

ビルトインガレージの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。



メリット デメリット
・風雨や紫外線から車を守れて汚れにくい
・防犯性が高い
・雨天時に車の乗降や荷物の出し入れがしやすい
・限られた敷地を有効活用できる
・広さによっては車種が限られる
・エンジン音などが室内に響きやすい
・排気ガスがこもりやすい
・設置費用が高くなる場合がある

メリットとデメリット、どちらも把握して建築後の後悔を減らしましょう。

ビルトインガレージでよくある後悔11選

ビルトインガレージをつくったものの、建築後に後悔する人も少なくありません。ここでは、代表的な後悔の例11選を以下の4つの項目に分けて紹介します。

・使いやすさ    
・構造・設備    
・メンテナンス    
・費用

それぞれ順に見ていきましょう。

1.使いやすさに関する後悔

日常的に車を使う場合、少しの不便がストレスにつながります。使いやすさに関してよくある後悔の例を紹介します。

狭くて車の出入りがしづらい

ビルトインガレージは壁に囲まれているため、広さにゆとりがないと車の出入りや乗降がしにくくなります。車の運転に不慣れな場合、駐車はできてもドアを開けるスペースが取れず、使いにくさを感じやすいでしょう。反対にガレージ部分を広くしすぎると、居住スペースが圧迫されてしまうといったデメリットも生じます。

大きな車に乗り換えられない

現在の車に合わせてガレージのサイズを設計したために、大きい車種に乗り換えられず後悔するパターンです。建築時には夫婦でコンパクトな車を使っていても、子どもの誕生や家族のライフスタイルの変化によって、大きい車種に乗り換えたいタイミングがくる可能性もあります。無理に大きな車に乗り換えると、乗り降りのスペースが確保できないなどの使いにくさから、後悔につながってしまいます。

動線が悪く、荷物を出し入れづらい

車の横や後ろのスペースが狭すぎて、人が通る通路がないケースなどの失敗です。雨にぬれずに家に入れる点がビルトインガレージのメリットですが、車から室内への動線が悪いと、かえって不便になります。たとえば、車をとめた際に、スペースに余裕がなく荷物を持って通りにくい、室内に続くドアが車の反対側にあって遠回りになるといったケースです。車の周辺に人が通れるスペースがあるか、ドアをどこに設置するかなどを慎重に決めないと後悔につながるでしょう。

手動シャッターの操作が面倒

シャッターには大きく分けて電動と手動の2つのタイプがありますが、費用を抑えるために手動を選ぶ人は少なくありません。しかし手動の場合、車から降りてシャッターを開け閉めしなければならないため、手間や労力がかかり雨や雪の日はぬれてしまいます。手動シャッターは電動と比べて開閉音が大きく、周囲の迷惑にならないか気をつかうのも後悔しやすい点です。

2.構造・設備に関する後悔    

構造や設備に関してよくある後悔の例を紹介します。

早朝・深夜のエンジン音やシャッター音が気になる

ガレージが家と一体化しているため、車のエンジン音やシャッターの開閉時の音が家の中に響きやすい点も後悔の多いポイントです。特に、ガレージの真上に寝室を配置している場合や、早朝や深夜に出入りする場合は、家族の睡眠を妨害してしまうおそれがあります。シャッター音は家の中だけでなく外にも響くので、近所とのトラブルに発展してしまう例もあります。

排気ガスがこもり健康被害が心配

換気計画や気密施工が不十分だと、屋根と壁に囲まれたガレージ内は排気ガスがこもりやすくなります。居室との距離が近いため、部屋の中まで排気ガスが流れてしまうと不快なにおいがするだけでなく、頭痛などの健康被害を引き起こす心配もあります。寒い時期に閉め切ったガレージ内で暖機運転を行うと、一酸化炭素中毒の危険性もあるので、特に注意が必要です。

耐震性が下がらないか心配

建物の内部にガレージをつくるには、広い空間と車が出入りする大開口が必要ですが、こうした間取りでは耐力壁の量が減り強度のバランスが悪くなります。適切な補強が不十分な場合、耐震性が下がる可能性があるため、一般的な住宅以上に耐震性を考慮した設計が欠かせません。

3.メンテナンスに関する後悔

ガレージをきれいに保つには手間がかかります。清掃やメンテナンスに関する後悔の例を見ていきましょう。

排気ガスや湿気で壁・天井が汚れやすい

壁に囲まれたビルトインガレージ内でエンジンをかけると、どうしても壁や天井が排気ガスに含まれるすすや油分で汚れやすくなります。シャッターを閉め切ると湿気がこもり、汚れがへばりついて落ちにくくなる点も厄介です。高い天井は掃除しにくく、広範囲で掃除に時間と労力がかかるので、後悔につながりやすいでしょう。

結露やカビが発生しやすい

ガレージ内では、コンクリートの床や金属製のシャッターが外気の影響を受けやすいため、冬場や梅雨時は室内との温度差で結露が発生します。そこに外からのホコリや汚れが加わると、カビも発生しやすくなります。結露と汚れからカビが繁殖すると、手入れに手間がかかるだけでなく、アレルギー性鼻炎やぜんそくなどの原因にもなり得るので、入念な湿気対策が必要です。

4.費用に関する後悔

一般的な住宅よりコストがかかる分、費用面の後悔も多く見られます。        

構造補強や防火仕様などで建築コストが高くなった

予想以上に建築費用がかかって後悔するケースです。ビルトインガレージのある家は、建物の耐震性を確保するために基礎や構造を補強したり、ガレージと居住空間の境界壁や天井に防火性能をつけたりする工事が必要になります。さらに、シャッターや換気システム、照明、収納棚などの設備にも費用がかかり、予想以上にコストが高くなったと後悔する人は少なくありません。

延べ床面積に算入され固定資産税が上がった

原則として、ビルトインガレージは固定資産税の課税対象です。建築基準法には、車庫は延床面積の5分の1まで計算に入れない緩和ルールがありますが、これはあくまで容積率を計算する際のルールです。しかし、固定資産税の計算にはこの緩和ルールは適用されません。固定資産税の計算にはガレージの床面積も算入されるため、建物の評価額が上がり、毎年払う税金も高くなります。

後悔しないビルトインガレージをつくるポイント    


ビルトインガレージで後悔しないためには、それぞれのデメリットをクリアできる対策が必要です。ポイントを4つに分けて解説しますので、ぜひ取り入れてみてください。

1.生活動線と広さを意識して使いやすくする    

使いやすくするために、毎日の乗り降りや荷物の出し入れまでシミュレーションした計画が必要です。

余裕のある間口・奥行きを確保する

スムーズに車の出入りできるだけでなく、乗り降りや荷物の運び出しなどもしやすいよう、余裕のある間口・奥行きを確保しましょう。国土交通省による「駐車場設計・施工指針」では、最低限必要な駐車スペースのサイズは以下の表のように定められています。

<駐車ますの大きさの最低基準>



設計対象車両 長さ(奥行き) 幅員
軽自動車 3.6m 2.0m
小型乗用車 5.0m 2.3m
普通乗用車 6.0m 2.5m

出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」P10

この寸法はあくまでも最低限必要な幅や奥行きです。実際にストレスなく使うためには、車のサイズに加えて以下の3つのスペースも考慮してみてください。

・運転席側・助手席側それぞれにドアを全開にできるゆとりがあるか
・シャッターを閉めた状態でトランクに荷物を出し入れできるスペースがあるか
・車をとめた状態で、横を通って室内に入れるか

玄関・キッチンへの動線を意識する

ガレージと家をつなぐ動線は、ライフスタイルに合わせて考えてみましょう。基本的には、玄関につながるドアがあると便利ですが、食料品や日用品などをまとめ買いする家庭なら、キッチンやパントリーにつながる動線も使いやすいでしょう。

玄関にガレージへつながるドアを設置するスペースが確保できない場合は、玄関の横に通り抜けできる収納を設け、その中にガレージへ続くドアを設けるなどの方法も有効です。

将来購入する車のサイズや家族構成の変化も視野に入れる

将来、家族構成やライフスタイルが変わる可能性を見越して、車のサイズの変化に対応できる広さを確保しておくとよいでしょう。子どもの成長に伴って車高の高い車が入るようにする場合、天井高を2.3~2.5m程度確保しておくと安心です。

また、親の介護で車を使用する場合もあります。高齢者でも乗り降りしやすい車や、車椅子のまま乗り込める車いす仕様車などを使うと、車両の後ろに1.5m以上のスペースが必要になります。建ててからガレージを広げることは構造上難しいので、あらかじめゆとりのある広さにしておきましょう。

2.構造・設備で静かで快適な空間をつくる    

構造や設備も、安全性や快適性を大きく左右します。

静音シャッターや防音ドアを選ぶ

車通勤や早朝・深夜に出入庫が多いなら、家の中に響く騒音は家族の生活に影響がおよびます。音を抑えられるよう、静音シャッターや防音ドアを選びましょう。
シャッターの開閉音が近隣にも響いてしまうと、騒音トラブルに発展する危険性もあります。せっかく設置したガレージが使いづらくなってしまうばかりでなく、住みづらくなる状況になってしまうかもしれません。静音性を重視するとコストも高くなりますが、長い目で見て快適に使えるものを選びましょう。

排気ファンや通風窓でガスや湿気を逃がす

排気ガスがこもりやすいビルトインガレージには、法律で義務づけられている換気設備だけでなく、通風窓などの排気システムも有効です。車が出入りする開口部と対面する位置に通風窓をつくれば、風が通り抜けやすくなります。

防犯上窓を開けたくない場合は、センサー付き換気扇や24時間換気システムがあれば、適度に換気できて排気ガスや湿気がたまらないので、清潔な環境を維持できます。シャッターに換気ガラリがついているタイプも選ぶのも有効です。

耐震性の高い建築工法・形状の建物にする

地震に弱くなりやすい構造のビルトインガレージをつくるなら、耐震性の高い建築工法・形状の建物を設計してもらいましょう。特に3階建ての狭小住宅などでビルトインガレージを設ける場合、揺れの影響を受けやすいため、以下の対策を検討し構造計算に基づいた安全性を確保しましょう。

・一般的な木造軸組工法ではなく柱と梁の接合部の強度を確保できる構法を選ぶ
・鉄骨造や鉄筋コンクリート造を選ぶ
・上階が1階よりも外へせり出している「オーバーハング」は避ける
・重心が安定しやすい総二階建てなど、できるだけシンプルな正方形や長方形の形状にする

3.換気と素材選びでメンテナンスの手間を最小限にする        

掃除のしやすさと湿気対策を建築段階から組み込んでおくと、手入れが楽になります。

調湿性のある断熱材や防汚塗装で汚れ・結露を防止する

湿気がこもりやすく汚れがたまりやすいガレージ内部は、断熱材や塗装の種類によってメンテナンスのしやすさが変わります。以下の表のように調湿性がある断熱材を選ぶと、結露やカビの発生を抑えられます。求める効果や予算に合わせて選んでみてください。



断熱材 特徴
セルロースファイバー ・再生紙を原料とした素材
・断熱性能・吸放湿性・防音・防火・防虫性能も備える
・結露・カビ予防にも効果的
炭化コルク ・コルク樫の樹皮を炭化させた天然素材
・断熱・調湿・消臭・防音効果が期待できる
グラスウール ・価格が安く一般住宅でも広く使われている
・水にぬれると性能が落ちやすいため、結露しないように防湿シートや確実な気密施工が欠かせない
・ガレージに使用する場合は防湿シートに加え外壁側の通気層の確保が必要

仕上げの塗装に防汚塗装を施すと、泥はねや排気ガスの汚れの付着を防止できます。汚れが付着しにくくなれば、掃除やメンテナンスの手間が減り、きれいな状態を保ちやすくなります。

換気扇や照明は手入れしやすい位置に配置する

ガレージ内の換気扇や照明は、放置しておくと油や排気ガスなどで汚れがひどくなるので、定期的な掃除が必要です。効率的に換気するには、高い位置と低い位置の両方に換気扇があるのがベストですが、あまり高い位置にあると掃除が大変になります。

換気扇の掃除にはカバーやフィルター、ファンを外す手間があるため、なるべく手入れしやすい位置に配置することをおすすめします。照明も、車の真上に設置すると車体の影ができやすくなるので、壁面などのメンテナンスしやすい位置を選んで設置しましょう。

4.税金・追加費用を予算に入れる    

ビルトインガレージは、建築費や税金が一般住宅より増える傾向にあるため、早めに費用の見通しを立てておきましょう。

構造補強・防火仕様・オプションなどの費用を確認する

ビルトインガレージには、構造の補強や防火仕様が必要であり、一般的な住宅より建築費用が高額になる傾向にあります。安全性を確保するためには欠かせないので、設計時にどのくらい費用がかかるか確認しておき、無理のない資金計画を立てておきましょう。

建物本体の建築費用以外にも、シャッターや換気扇などの設備やオプションの費用もかかります。シャッターなどは後付けできる場合もあるので、予算や必要性に合わせて建築後に検討することもできます。

固定資産税の額を確認しておく

ビルトインガレージの広さを決める前に、固定資産税がどの程度変わる可能性があるのかを確認しておきましょう。ビルトインガレージは建築基準法上の延べ床面積に原則算入されるため、建物の評価額が上がり税額に影響する場合があります。

余裕のある間口・奥行きを確保するためにガレージを広くしすぎると、建物の評価額によっては毎年支払う固定資産税が想定より高くなるおそれもあります。ガレージの広さを優先するか、税額とのバランスを見ながら検討してみましょう。

ビルトインガレージに関するよくある質問        

ビルトインガレージに関するよくある質問を2つ挙げて回答します。疑問に感じている点があれば参考にしてください。

Q.ビルトインガレージの上に部屋をつくっても大丈夫?        

ビルトインガレージの上に部屋をつくることは可能です。ただし、車のエンジン音やシャッターの開閉音、ドアを閉める際の振動などが響きやすいので、静かな環境が望ましい寝室などには向いていません。ガレージ内が冷えると冷気が上の部屋にまで伝わってしまう可能性もあります。ガレージの上部は、音や温度の影響を受けにくい階段や収納などを配置しましょう。    

Q.ビルトインガレージに法的な制限はある

ビルトインガレージは自動車車庫として扱われ、建築基準法によって防火性能のある内装の使用が求められます。車庫は車やガソリンなどを扱う場所で火災のリスクが高くなるので、火災の延焼を防ぐために、壁や天井は不燃材料または準不燃材料で仕上げなければいけません。不燃・準不燃材料には、石膏ボードや木毛セメント板、硬質木片セメント板などがあります。

参考:建築基準法施行令 第128条の5

ビルトインガレージのご相談は竹内建設へ    

竹内建設では、全棟標準で長期優良住宅の基準をクリアするなど、厳しい品質基準を満たした安全性の高い家づくりに取り組んでいます。防腐性の高い構造材や防湿性の高い基礎構造を採用しており、耐震性が求められるビルトインガレージの建築でも、耐久性と安全性を確保できる設計が可能です。

長期保証制度や建物完成サポート制度、地盤保証システムなど、安心して長く住み続けられるサポートも充実しています。ビルトインガレージのある家づくりをお望みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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まとめ

ビルトインガレージは、雨の日でもぬれることなく車から家の中に入れたり、大事な愛車を汚れや盗難から守ってくれたりと、マイカーをお持ちの方にとって心強い存在です。

ビルトインガレージで後悔しやすいのは、狭さや動線の悪さ、騒音、コストの確認不足などが挙げられます。将来を見越したサイズの設計や、防音・換気対策、維持費の把握を徹底すれば失敗は防げます。

今回紹介したビルトインガレージで後悔した例や対策ポイントなどを参考に、毎日の使いやすさや長期的な費用も考慮して、安心して長く住み続けられる家づくりを目指してください。

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