【2025年】長期優良住宅のメリット8選!デメリットや申請の流れ・施工例も紹介
2025/04/30
目次
家を新築するなら、長期にわたり良好な状態で住み続けられる長期優良住宅を建てたいと検討している方は多いでしょう。耐震性や省エネ性などに優れた長期優良住宅は、減税や住宅ローン金利の引き下げなど、さまざまなメリットがあります。一方で、建築コストが高くなりやすく、申請に費用や手間がかかるなどのデメリットも存在します。
そこで今回は、長期優良住宅における8つのメリットとデメリット、申請の流れや注意点について詳しく解説します。後悔のない家づくりをするために、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事で紹介する情報は2025(令和7)年4月時点のものです
長期優良住宅とは安心・快適に住み続けられる住宅
長期優良住宅とは、国が定める厳しい基準をクリアした、性能の高い家です。具体的には、次の点で評価されます。
・地震に強い
・劣化しにくい
・お手入れがしやすい
・省エネ性能が高い
国や自治体の専門機関に申請して、これらの基準を満たしていると認められると、「認定長期優良住宅」となります。
ここで、長期優良住宅の認定基準について詳しくご紹介しましょう。新築一戸建ての場合は、以下8つの評価項目をすべて満たす必要があります。
評価項目 | 内容 |
劣化対策 | 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できるための対策が講じられていること。 |
耐震性 | 極めてまれに発生する地震に対し、継続利用できるよう改修の容易化を図るため、損傷レベルの低減が図られていること。 |
維持管理・更新の容易性 | 構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。 |
省エネルギー性 | 必要な断熱性能などの省エネルギー性能が確保されていること。 |
居住環境 | 良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。 |
住戸面積 | 良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。 |
維持保全計画 | 建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。 |
自然災害対策 | 自然災害による被害の発生の防止または軽減に配慮されたものであること。 |
参考:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について」
「住戸面積」については、一戸建ての場合は床面積の合計が75㎡以上で、少なくとも1つの階の床面積が40㎡以上(階段部分を除く)であることが求められます。
長期優良住宅の経済的メリット
長期優良住宅に認定されると、次のような経済的なメリットがあります。
・減税が受けられる
・住宅ローン金利を引き下げられる
・地震保険料が割引される
・補助金を活用できる
新築するなら、減税制度や補助金制度を賢く活用して、お得に住まいを手に入れたいものです。ここでは、長期優良住宅の具体的な経済的メリットについて詳しく解説します。
減税が受けられる
長期優良住宅が対象となる減税措置には、次の4つが挙げられます。
・所得税(住宅ローン控除の優遇)
・不動産取得税
・登録免許税
・固定資産税
いずれの減税措置も期間が決まっているため、利用する際には期限や概要を必ずチェックしましょう。
所得税(住宅ローン控除の優遇)
住宅ローンを利用して住まいを新築・購入した場合、年末時点でのローン残高の0.7%が、所得税・住民税から13年間控除されます。年末ローン残高の上限は、2025(令和7)年から義務化される「省エネ基準適合住宅」では4,000万円ですが、長期優良住宅では5,000万円と優遇措置が手厚い点もポイントです。控除期間を最大13年間とすると、最大で455万円程度の控除が受けられます。
ただし、年末ローン残高の上限が5,000万円となるのは子育て世帯(※1)と若年夫婦世帯(※2)に限られ、その他の世帯の上限は4,500万円となります。
※1 借入申込年度の4月1日時点で、19歳未満の子どもがいる世帯
※2 借入申込年度の4月1日時点で、夫と妻いずれかの年齢が40歳未満の世帯
※2025(令和7)年12月31日まで入居する場合が対象
参考:国土交通省「住宅ローン減税」
不動産取得税
土地や住宅を取得した際に発生する不動産取得税も、控除対象となります。一般的な住宅では、課税される金額から1,200万円が控除されるのに対し、長期優良住宅ではさらに100万円多い1,300万円まで控除されるのがメリットです。
たとえば住宅の評価額が3,000万円の場合、一般住宅では「(評価額-1,200万円)×3%」で54万円となりますが、長期優良住宅の場合は「(評価額-1300万円)×3%」で51万円となります。
※2026(令和8)年3月31日までに新築された住宅が対象
また、住宅用の土地を2027(令和9)年3月31日までに取得した場合、土地の課税評価額が2分の1に軽減される特例もあります。いずれも、住宅の用途であれば土地・建物ともに税率は3%です。
登録免許税
登録免許税は、住宅や土地を購入・新築したとき、名義を変更して登記する際にかかる税金です。一般的な住宅の場合、建物の所有権を初めて登記する保存登記の税率は0.15%ですが、長期優良住宅では保存登記が0.1%に軽減されます。
たとえば住宅の評価額が3000万円の場合、保存登記にかかる登録免許税は「3,000万円×0.15%」で45,000円となりますが、長期優良住宅の場合、保存登記にかかる登録免許税は「3,000万円×0.1%」で30,000円です。
※2027(令和9)年3月31日までに新築された住宅が対象
固定資産税
毎年かかる固定資産税も、長期優良住宅ならお得です。一般住宅を新築すると、固定資産税は3年間、2分の1に減額されますが、長期優良住宅の場合は5年間に延長されます。これは、長く住むほど経済的なメリットを実感できるポイントといえるでしょう。初期費用だけでなく、住み始めてからの維持費も抑えられるのは、長期優良住宅の大きな魅力の一つです。
ただし、対象となるのは住宅面積が50㎡以上280㎡以下、床面積が全体の2分の1以上の住宅に限られます。詳しい条件については、建築する市町村に確認することをおすすめします。
※2026(令和8)年3月31日までに新築された住宅が対象
住宅ローン金利を引き下げられる
全期間固定金利住宅ローン「フラット35」には、長期優良住宅の認定を受けることで利用できるプランがあり、借入金利が引き下げられます。
仮に「フラット35S(金利Aプラン)」と「フラット35 維持保全型」を併用すると、借入金利が5年間0.75%に引き下げられます。さらに、「フラット35子育てプラス」を利用すれば、若年夫婦世帯(※3)または子ども1人の家庭(※4)の場合、借入金利が5年間1.0%引き下げられるのもうれしいメリットです。
※3 借入申込年度の4月1日時点で、夫婦のいずれかが40歳未満である世帯
※4 借入申込年度の4月1日時点で、子どもの年齢が18歳未満である世帯
地震保険料が割引される
耐震性能を備えた長期優良住宅は、地震保険料が割引されます。耐震等級2なら割引率は30%、耐震等級3なら割引率は50%となり、耐震性に優れているほど優遇されます。
地震保険料の割引を受けるには、必要な確認書類などについて、地震保険を扱う損害保険会社に確認しましょう。
補助金を活用できる
子育て世帯や若年夫婦世帯の場合、長期優良住宅を建てると「子育てグリーン住宅支援事業」が活用できます。受け取れる補助金は、一戸あたり80万円です。さらに、古い家を解体して建て替える場合は、20万円の補助金が加算されます。
注意したいのは、交付申請を2025(令和7)年12月31日までに完了させる必要がある点です。それまでに一定以上の工事を完了させる必要があります。
また、予算に上限があり、申請期間内であっても予定額に達し次第、受付が終了してしまう可能性があるため、早めに申請しましょう。補助金を利用するには、登録された事業者が工事を行う必要があります。依頼する施工会社が登録済みかどうか、事前に確認しましょう。
参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業」
長期優良住宅の性能的メリット
長期優良住宅は、断熱性、省エネ性、耐震性など、国が定める高性能な住まいの基準をクリアしています。
◆断熱性
高い断熱性能により一年を通して室温が安定し、冷暖房効率が向上するほか、ヒートショックのリスクも軽減され、健康で快適な暮らしを送れます。
◆省エネ性
高効率な設備や太陽光発電システムなどの導入により、エネルギー消費量を大幅に削減できるので、光熱費を抑えられ、地球環境への負荷も軽減します。
◆耐震性
震度6強〜7程度の地震に耐えられる高い構造強度を確保しているため、万が一の災害時にも倒壊しにくく、家族の安全が守られます。
住宅性能の向上は、日々の暮らしの質を高めるだけでなく、将来的なメンテナンスコストの削減にもつながり、長く安心して住み続けられる住まいを実現します。
長期優良住宅のデメリット・注意点
税制面でも性能面でもメリットの多い長期優良住宅ですが、申請コストがかかるなど、知っておきたいデメリットもあります。ひとつずつ見ていきましょう。
申請に費用や手間がかかる
長期優良住宅の認定を受けるためには、設計や工事に関する書類を作成し、国の機関や自治体への申請が必要です。申請には専門的な知識が必要となるため、建築会社との連携が不可欠です。
また、申請には書類作成費用や審査手数料などの費用が発生します。審査費用の目安は、所管行政庁によって異なりますが、50,000~60,000円ほどです。ハウスメーカーや工務店に書類作成の代行を依頼すると合計で20~30万円程度かかるでしょう。
これらの費用と手間を、長期的なメリットと照らし合わせて検討することが重要です。
一般住宅より建築コストが割高になる
長期優良住宅には、高い断熱性や耐震性などを備えるために、高性能な建材や設備、より丁寧な施工が求められます。そのため、一般住宅と比較して建築コストが割高になる傾向があります。
コストが増す具体的な要因は、断熱材のグレードアップ、高効率な設備導入、構造躯体の強化などです。補助金制度の活用や、長期的なランニングコストの削減効果も考慮に入れつつ、初期投資とのバランスを見極めましょう。
定期的なメンテナンスが必要になる
長期優良住宅は、その性能を維持するために、建築後の定期的な点検やメンテナンスを実施し、記録を保存することが義務付けられています。
具体的には、構造躯体や防水、設備などの項目の点検が求められ、必要に応じて補修を行わなくてはなりません。これらのメンテナンスには費用と手間がかかりますが、適切な管理によって、長く快適に住み続ける住まいを維持できます。
長期優良住宅の認定を受ける流れ
長期優良住宅の認定を受けるには、主に4つのステップがあります。
1.長期使用構造等であるかの確認の申請
2.確認書類等の交付
3.認定申請
4.認定・着工
まず、住宅の設計段階で、その住宅が長期にわたり良好な状態で使用するための基準(劣化対策、耐震性、省エネルギー性など)を満たしているかについて、登録住宅性能評価機関に審査を申し込みます。この際、設計内容説明書や図面などを提出します。
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登録住宅性能評価機関による審査の結果、基準を満たしていると認められた場合、「長期使用構造等であることの確認書」が交付されます。
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次に、交付された確認書などの必要書類をそろえ、所轄行政庁(都道府県、市町村など)に長期優良住宅の認定申請を行います。
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所轄行政庁による審査が行われ、提出された書類や内容が適切であると判断されると、長期優良住宅の認定通知書が交付されます。この認定を受けたあと、ようやく住宅の建築工事に着手できます。
長期優良住宅の施工事例3選
ここで、竹内建設が実際に施工した長期優良住宅をご紹介しましょう。こだわりの内装や間取りで建築した住まいは、高い住宅性能も備えています。
足元から変わる、省エネと維持管理のスマート住宅
広々としたリビングは、自然素材の温かみを感じる無垢材のフローリングが特徴。間接照明とダウンライトが落ち着いた雰囲気を演出し、家族団らんやくつろぎの空間を創出します。開放的な間取りで、隣接するキッチンとの一体感も魅力です。
床下エアコンは、床面の吹き出し口から室内に空気を送り出す仕組みです。床下空間全体を暖めて送り出すため、住宅全体の断熱性能が高いほど、効率的に室温を維持でき、エネルギーロスを抑えられます。
長期優良住宅の認定基準には、維持管理や更新のしやすさも含まれています。床下エアコンの設置にあたっては、点検やメンテナンスがしやすいように床下空間にアクセスしやすい工夫を施しました。
体感温度を維持しながらエネルギー消費量を抑えるエコな住まい
無垢材の床とグレーを基調とした落ち着いた内装。ダイニングのペンダントライトやリビングのアクセントクロスが、上質さを演出。大きな窓から自然光が差し込む、明るく開放的なLDKは、自然と家族の集まる心地よい空間です。
室内に設置したパネルヒーターは、輻射熱(ふくしゃねつ)を利用して部屋全体をじんわりと暖めるため、室温を高く設定しなくても快適に過ごせます。これにより、エアコンなどの風暖房に比べて、体感温度を高めつつエネルギー消費を抑えやすくなります。
高い断熱性能によって、パネルヒーターの省エネ効果を最大限に引き出せます。熱が逃げにくいため、低い温度設定でも部屋全体が暖まりやすく、無駄なエネルギー消費を抑制。快適性と経済性を兼ね備えた住まいです。
デザインのこだわりはそのままに、断熱性能の向上を目指した住まい
明るい無垢材の床が広がる開放的なリビング。ダウンライトとスポットライトが空間を照らし、間仕切りのない続き間が、広がりを感じさせます。自然素材のぬくもりと、シンプルながらも洗練されたデザインが魅力です。
床下エアコンの設置によって、デザインにこだわりながら、快適さも追求。無垢材の床を優しく暖め、部屋全体を均一な温度に保ちます。スタイリッシュな空間と省エネ性を両立させた、機能美が光る住まいです。
デザイン性、機能性、快適性……住まいに求める理想は人それぞれ。竹内建設では、長期優良住宅の要件をクリアしたうえで、こだわりの住まいを提供します。
長期優良住宅のご相談なら竹内建設へ
竹内建設は、豊富な経験と確かな技術で、お客様の理想とする長期優良住宅の実現をサポートします。
竹内建設の住まいは、全棟で長期優良住宅の基準をクリア。断熱性能を表すUA値は0.28以下、気密性を表すC値は0.40を平均とし、高気密・高断熱の住宅を提供します。さらに、防腐性の高い構造材や防湿性の高い基礎構造を採用することで、長期的にメンテナンスしやすい家づくりに取り組んでいます。
北海道の気候風土を熟知した竹内建設だからこそできる、安心・安全で快適な住まいづくり。未来を見据えた家づくりをご提案します。
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まとめ
長期優良住宅に認定されると、税金が安くなったり、住宅性能が高くなったりと、さまざまなメリットがあります。申請時に費用や手間はかかるものの、長い目で見ると、税金や光熱費を抑えられるため、経済的な負担は軽減されます。長期優良住宅に関心のある方は、豊富な施工実績を持つ竹内建設まで、ぜひお気軽にご相談ください。