【実例つき】造作家具で後悔しやすいデメリット5選!失敗しないコツを解説

2025/02/04

竹内建設のスタッフ 古井 麻弥
著者
古井 麻弥

目次

空間にぴったりとフィットし、自由にデザインできる「造作家具(ぞうさくかぐ)」に憧れている方も多いのではないでしょうか。既製品にはないカスタマイズ性は、造作家具の大きな魅力です。

しかし、設置後に「もっと収納が欲しかった」「使い勝手が悪い」「予算オーバーしてしまった」など、造作家具に関する後悔の声も少なくありません。

本記事では、造作家具のメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。記事の後半では、竹内建設で実際に施工した造作家具の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

造作家具とは?置き家具との違い

「造作家具」は部屋の壁や床、天井に固定され、室内に合わせて特別に作られたオーダーメイドの家具です。キッチンのカップボードや壁面収納、テレビボード、洗面化粧台、本棚などが代表的な例です。

一方「置き家具」は、部屋に置くだけの移動可能な既製品の家具を指します。たとえば、ソファやテーブル、チェストなどです。部屋のスペースに合わせて設計される造作家具は、空間を無駄なく活用でき、収納力も抜群。内装と一体化したデザインが可能で、統一感のある美しい空間が実現します。

造作家具で後悔しやすい5つのデメリット

造作家具で後悔しがちなポイントを5つご紹介します。

移動できず間取りを変えられない

造作家具は、設置場所に合わせてオーダーメイドできる点が大きな魅力ですが、壁や床、天井に固定するため、一度設置すると移動が困難といったデメリットがあります。

たとえば子供が巣立った後、夫婦2人になり「部屋の使い方を変えたい」と模様替えをしようと思っても、造作家具は簡単に移動できません。リフォームで間取りを変更する場合も、造作家具があれば解体・撤去に多大な費用と手間がかかる恐れがあります。

造作家具を検討する際は、将来的なライフスタイルの変化や、模様替えを想定した計画が大切です。

既製品より費用が高くなりやすい

造作家具で、多くの方が懸念されるのが「費用面」ではないでしょうか。一般的に、既製品に比べて造作家具は費用が高くなる傾向があります。

造作家具がコストアップする理由には、次の3つが挙げられます。

・完全オーダーメイドなので、設計やデザインに手間がかかる
・職人が現場で手作業で製作するため、人件費がかさむ
・素材や仕上げにこだわった分、材料費が高くなってしまう

造作家具は部屋の寸法に合わせた一点ものなので、大量生産によるコスト削減が難しいことも、価格が高くなる要因です。複雑な形状にしたり、特殊な素材を用いたりすれば、さらに費用はアップするでしょう。

一方で、あまりコスト面を重視しすぎると、造作家具の魅力である自由度や機能性が損なわれる恐れがあります。費用対効果とのバランスの見極めが大切です。

事前に現物を確認できない

造作家具は、すでに出来上がっている既製品とは異なり、完成した現物を事前に確認できません。オーダーメイドで製作され、設置する場所に合わせて現場で組み立てるものだからです。

素材や色味は、カタログやサンプルで確認できますが、実際に完成した家具が部屋に取り付けられた状態をイメージするのは難しいでしょう。そのため「思っていた色と違った」「質感のイメージが違った」「サイズが大きすぎた」などのギャップが生じる恐れがあります。

イメージとのギャップを防ぐ対策として、設計段階で担当者と入念に打ち合わせを行い、3Dパースやイメージ図などで完成品をできるだけ具体的に想像することが挙げられます。過去の施工事例などを参考にするのもよいでしょう。

デザインにこだわりすぎて使いづらい

造作家具は、空間にぴったりと調和するデザインが魅力です。
その反面、デザインにこだわりすぎると、使い勝手が悪くなってしまうケースもあります。

たとえば、次のような失敗例が挙げられます。

・収納スペースが足りない
・扉や引き出しがスムーズに開閉できない
・特殊な形状で、掃除しにくい

デザイン性は大切ですが、実際に使用するときをイメージして、機能性とのバランスを意識しましょう。

打ち合わせや施工に時間がかかる

造作家具は既製品とは違い、一からデザインや仕様を決めていく必要があります。

イメージを共有するためには、間取りや家具のデザインの希望を具体的に伝え、設計士や職人との綿密な打ち合わせが欠かせません。造作家具に使用する素材や色味、パーツの選定に時間がかかることも考えられます。計画には、余裕をもったスケジュールリングが大切です。

また、家具の規模や内容によって施工期間も大きく変わります。特に複雑なデザインの家具は、製作に時間がかかるだけでなく、施工段階での調整や修正が発生する可能性があります。時間に制約がある場合は、施工期間がどのくらいかかるか事前に確認しておきましょう。

造作家具を設置する5つのメリット

計画段階でさまざまな注意が必要であるものの、やはり魅力も多い造作家具。
ここからは、造作家具のメリットを5つご紹介します。

空間を有効活用できる

造作家具の最大のメリットは、限られた空間を最大限に活用できる点です。部屋の形やサイズに合わせて、ミリ単位で設計できる造作家具は、既製品では設置が難しい場所にも対応可能で、デッドスペースを減らせます。空間を無駄なく使えるので、部屋を広く見せる効果も期待できるでしょう。

自分流にカスタマイズできる

造作家具は、既製品にはない自由なカスタマイズ性が魅力です。サイズはもちろん、既製品では難しい、素材や色、デザインの微妙なニュアンスまで自分好みにとことん調整できます。

収納したいものに合わせて棚板の数を調整したり、お気に入りの木材やタイルを使ったり。
造作家具にコンセントや照明を埋め込むことも可能です。生活スタイルや好みに応じて、世界にたったひとつだけの、こだわりの詰まった家具が手に入ります。

内装のデザインを統一できる

部屋全体の内装をトータルでコーディネートできる点も、造作家具ならではのメリットです。自分流にカスタマイズできる造作家具は、壁や床、天井に使用されている内装材に合わせて、色や素材を選べます。

たとえば、床のフローリング材に合わせた木材で収納棚をつくれば、部屋に自然となじみ、既製品よりもスッキリした空間を演出できます。統一されたインテリアデザインによって、より居心地の良い洗練された空間になるでしょう。

地震で倒れる心配がない

地震大国である日本において、家具の転倒防止対策は、住まいの安全性を確保するうえで欠かせない重要な課題です。造作家具は、地震などの災害時に転倒のリスクが少ない点で、既製品よりも優れています。

その理由は、設置方法にあります。壁や床、天井に取り付けられ、しっかりと固定されるため、地震で家具が揺れても倒れる心配がほとんどないのです。

既製品の置き家具の場合、背の高い本棚や食器棚だと、仮に転倒防止器具を取り付けていたとしても、完全な安全性を確保するのは難しいものです。「家族の安全を守る」という観点からも、造作家具は有効な選択肢といえるでしょう。

掃除しやすい

日々の掃除の手間を軽減できるのも、造作家具のメリットのひとつです。

既製品であれば、家具と壁の間にホコリがたまりやすいので、掃除機が入りづらく手入れが難しいですよね。造作家具は、壁や床に隙間なくフィットさせて設置でき、家具の下や後ろにホコリがたまりにくく、面倒な掃除がいりません。

収納棚を浮かせて取り付ける設計にすれば、床掃除もスムーズです。

造作家具で後悔しないコツ5選

コストや手間をかけて作った造作家具で後悔しないためにも、設計段階で把握しておきたいコツを5つご紹介します。

既製品を活用してコストを抑える

既製品に比べて、どうしても高額になりがちな造作家具。すべてをオーダーメイドで仕上げてしまうと、予算オーバーになりかねません。コストを抑えるには、必要な部分だけ造作にして、その他の部分を既製品で補う手法が有効です。

たとえば、扉や引き出しなどの外から見えないパーツは既製品を採用し、フレームなど外側の見える部分だけを造作する、といった方法です。既製品を上手に組み合わせることで、オリジナリティを保ちつつ、コストを抑えた造作家具が実現します。

シンプルなデザインにする

個性的なデザインの家具も魅力的ですが、造作家具においては「シンプルなデザイン」が後悔しないためのポイントのひとつです。

装飾的な造作家具は、時代の流行や好みの変化によって飽きやすいものです。シンプルなデザインでつくれば、インテリアの雰囲気を変えたいときも、小物で簡単にイメージチェンジできます。個性を演出したい場合は、ベースはシンプルにして、素材や取っ手などのパーツでアクセントを加える程度がよいでしょう。

長く愛用できるような工夫が大切です。

寸法をよく確認する

造作家具は一度設置してしまうと変更が難しいことから、寸法の確認は非常に重要です。図面だけでなく、実際に設置場所をメジャーで測り、サイズ感をイメージしておきましょう。

扉や引き出しの開閉スペースも考慮する必要があります。家具の寸法を間違えると、設置する際や使用したときに使いにくさを感じたり物が干渉したりと、トラブルが発生する恐れがあります。設計段階で入念にチェックしましょう。

効率的な動線を考える

後悔しない造作家具をつくるためには、部屋全体の動線を十分に考慮した設計が必要不可欠です。

たとえばキッチンなら、調理から配膳、片付けまでスムーズに行えるよう、食器棚やカウンターなどの位置を考えます。収納家具の場合、使用頻度の高いものは手の届きやすい場所に、たまにしか使わないアイテムは高い場所や、奥行きの深い場所に配置するといった工夫が挙げられます。

家族の生活パターンを把握し、動線を意識した計画は、快適な日常生活に欠かせないポイントです。

将来のライフプランを視野に入れる

家族構成やライフスタイルの変化によって、必要な家具や収納スペースが変わってきます。数年後、数十年後の生活をイメージし、柔軟に対応できるような造作家具を設計しましょう。

たとえば、子供の成長に合わせて収納を増やせるよう可動式の棚板を取り入れたり、模様替えをしても違和感がないようにシンプルなデザインを選んだりするなどの方法が考えられます。

後悔しない造作家具の施工実例7選!

ここからは、竹内建設で施工した造作家具の実例をご紹介します。

カウンター



壁の幅に合わせて設置されたカウンターです。

足元を浮かせる設計により、夜になると間接照明の明かりが空間を幻想的に演出します。リビング・ダイニングの収納力がアップするだけでなく、空間全体の雰囲気づくりに役立っています。

リビング収納


キッチン横に設置されたリビング収納です。
オープンな造りになっており、本を収納したり家族写真を飾ったりと、幅広い用途に使えます。

洗面台


無駄なスペースがなく、横幅を目一杯使った洗面台です。収納とミラー枠の木材を統一し、洗練された印象に仕上がっています。

洗面台の横には、可動式の棚を設置しました。

カゴやボックスを使う「隠す収納」にもできますし、畳んだタオルなどをそのまま置いて「見せる収納」にするなど、自由に使えます。


洗面台の鏡と同じ高さに設置した造作家具です。

身支度に必要な細々したアイテムもスッキリ収納できます。手が届きやすい配置で、出し入れも簡単です。

テレビボード


テレビボードはリビングの中でも存在感が出やすい家具ですが、シンプルなデザインの造作家具なら、空間に違和感なく溶け込み、圧迫感を軽減できます。

階段下収納


デッドスペースとなりがちな階段下のスペースも、造作家具で空間を有効に活用しました。ワークスペースにしたり、季節の置物をディスプレイをしたり、使い方はアイデア次第です。

ヌック


ヌックとは「こじんまりとした居心地のよいスペース」のこと。家の中の小さな凹みや隅のスペースを活用した、くつろぎのための小さな空間を指します。

ヌックで読書をしたり、ちょっとした作業をしたり、子供の遊び場として利用したり。リビングの空いたスペースやデッドスペースも、ヌックを造作すれば、居心地のよい特別な空間が実現します。

後悔しない造作家具のご相談なら竹内建設へ

長年の経験と確かな技術で、北海道の気候に適した高性能住宅を提供してきた竹内建設では、お客様のライフスタイルに合わせた造作家具をご提案いたします。高気密・高断熱性能はもちろん、北海道の厳しい気候に対応した住まいづくりのノウハウを生かし、快適な住空間を実現します。

アフターフォローも万全で、お引き渡し後の定期的な点検やメンテナンスのサポートも充実。造作家具に関するご相談にも、丁寧に対応いたします。

ぜひお気軽にお問合せください。

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まとめ

空間を最大限に活用でき、デザインの自由度が高い造作家具ですが、費用や実用性などの点で、後悔につながるケースも少なくありません。造作家具での成功のカギは、予算を明確にし、デザインだけでなく使い勝手に考慮して計画することです。

すべてを造作するのではなく、既製品をうまく取り入れながら、理想を叶える造作家具を手に入れましょう。

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