【実例つき】おしゃれな平屋を建てるコツ5選!メリット・デメリットも解説
2025/02/10
目次
平屋というと、昔ながらの和風の一軒家を想像する人も多いかと思いますが、近年はおしゃれなデザインの平屋も増えて人気が高まっています。平屋は一階建ての家で、階段が必要なく上階がないことからいろいろなメリットが得られるのです。
ただ、メリットだけでなく平屋ならではのデメリットもありますので、これから平屋を建てたい方は、平屋の特徴や注意事項を知っておきましょう。
今回は、おしゃれな平屋を建てるコツやメリット・デメリットなどを平屋デザインの実例と共にご紹介します。
平屋のメリット
上階がない平屋には、一階建てならではの暮らしやすいメリットがあります。階段や段差のないバリアフリーの家づくりをしたいご家族や、家事動線を効率的にしたい人、希望通りの間取りにしたい人には特におすすめです。
ワンフロアで移動の負担が少ない
平屋の大きなメリットは、上階がなく階段での移動を必要としない点です。
二階建ての家では、トイレや入浴、食事など日々の生活に欠かせない動作のために階段の上り下りが必要になります。
こうしたさまざまな上下移動は、高齢者や小さな子供にとって負担になりがち。赤ちゃんがいる家庭や子育て世代にとっても、子供の世話をしながら上下階を移動するのは大変ですよね。
平屋なら、階段や段差など縦の移動が必要なく、バリアフリーの構造も可能なので、どんな年代の人も住みやすく安全な家になります。
効率的な動線を作りやすい
平屋には、効率的な動線を作って家事がしやすい家づくりができるという特徴があります。
たとえば、二階建ての家で一階に洗面所などの水回り、二階にベランダを設置すると、洗濯した衣類を持って二階に移動し、取り込んだ洗濯物を再び一階に持ってくるなどといった移動が発生します。ほかにも、家具・家電の運び入れや粗大ごみの搬出など、二階から大きなものを移動させるには非常に手間がかかるものです。
平屋なら、すべての部屋が同じフロアにあるため移動や運び入れが楽で、日々の家事がスムーズに行える効率的な動線が作れます。
掃除機やモップを持って階段を上り下りせずとも掃除ができるのもうれしいポイント。
間取りの自由度が高い
上階があると階段をどこに設置するかによって、ほかの間取りが制限される場合もあります。階段はほかの部屋に干渉せず、誰でも使いやすい位置に設置しなくてはならず、希望通りの間取りにならないこともあるでしょう。階段下もデッドスペースになりがちです。
平屋は二階との兼ね合いや階段について考えなくてもいいので、間取りの自由度が高いというメリットがあります。限りある面積を無駄なく使え、家の中央に中庭を作るなど地形や希望に合わせて設計の幅が広がります。
地震や風に強い
平屋は耐震性が高い点もおすすめポイントです。
タワーマンションなど高さのある建物は特に地震の揺れが伝わりやすく、二階建ての家と比べても一階しかない平屋は揺れにくい家になります。
重心が低く上階を支えるための柱や補強も必要ないシンプルな構造をしていることも、地震の揺れを分散させ家にかかる負担を減らして耐震性を高めています。
また、高さがないと強風の影響を受けにくいため、台風が多発する地域でも安心して長く住み続けられるといえるでしょう。
天井を高くして開放的に
家を建てる際には天井の高さにも上限がありますが、上階がない平屋では、二階建てと比べて天井を高くして開放的な空間を作り出せます。
面積に余裕がなくても空間に高さがあれば広々と感じられますし、一部にロフトを設置して物置としての活用も可能です。
屋根に天窓を設置すればさらに明るく開放感のあるリビングになりますし、大きく作った屋根に太陽光発電システムを取り付けるなど、光熱費削減にも役立ちます。
平屋のデメリット
さまざまなメリットのある平屋ですが、ワンフロアしかないという特徴がデメリットにもなりうると知っておいてください。
広い敷地が必要
平屋の一番のデメリットは、二階建てと比べて広い敷地が必要になるということでしょう。
単純に計算して、二階があれば平屋の2倍の広さの延床面積が得られるので、平屋で二階建てと同じ広さの家を建てようと思ったら敷地も2倍必要です。
土地が広くなれば、その分固定資産税も高くなりますし、すでに建築する土地が決まっているならその建蔽率の中で建てるしかなく、希望通りの広さは得られないかもしれません。
土地探しから始める前に、理想の間取りに必要な延床面積の目安を出し、その面積で建築可能な土地の価格やエリアを見ながら、さらに優先順位を練っていくと良いでしょう。
<合わせて読みたい!>
▶︎土地探しの前に知っておきたい「建ぺい率」と「容積率」とは?基礎知識について解説
▶︎土地探しの前に知っておきたい「用途地域」とは?基礎知識と調べ方を解説
日当たりや風通しが悪くなる場合も
平屋は高さがないため、周りの建物の陰になりやすく、日当たりが悪くなってしまう可能性があります。また、窓を設置できる面も限られてしまうので、窓のない部屋ができて風通しが悪くなる場合も。
家を建てる前に、近隣の家による影響や周囲の環境によって日当たりがどうなるか計算し、太陽光を取り入れやすい設計にしましょう。
坪単価が高くなりやすい
二階建てと同じ延床面積の平屋を建てるとすると、ほぼ倍の基礎工事が必要になります。基礎工事は建築費用の中でも大きな割合を占めており、どうしても費用がかさんでしまいます。
基礎が大きいと耐震性が高くなるのは安心ですが、坪単価は高くなりやすいことは承知しておいてください。
また、基礎部分が大きいと屋根も大きくなるわけで、屋根の工事費用も二階建てと比べて高額になります。
防犯面の問題点
アパートやマンションの一階も外部から侵入されやすいという点で避けられがちですが、一階しかない平屋でも同じことが言えます。
掃き出し窓はもちろん、腰高の窓でも容易に侵入できますので、鉄格子を付けたり夜間や外出時には雨戸やシャッターを閉めたりといった防犯対策が必須です。
また、庭に干した洗濯物の盗難や外からの目線など、プライバシーも侵されやすいので、塀やフェンスなど目隠しとなる外構工事も検討したほうがいいでしょう。
洪水や災害時の浸水に注意
近年では大型台風やゲリラ豪雨などにより洪水被害が発生することも少なくありません。二階建てなら、一階が浸水しても避難できますが、平屋だと家全体が水浸しになる可能性もあります。
土地を購入するときや家を建てるときには、必ずハザードマップを見て洪水の危険がないか確認しましょう。念のため、床の高さを上げたり避難できるロフトを作ったりなどの対策も講じてみてください。
おしゃれな平屋を建てる5つのコツ
平屋を建てる際には、メリットを最大限享受し、デメリットを軽減するような設計やデザインを取り入れてください。おしゃれな平屋を建てるための5つのコツをまとめました。
屋根の形や外壁の素材にこだわる
家を建てるなら、内装だけでなく外観にもこだわりたいですよね。平屋では、屋根の形や外壁の素材にこだわるとおしゃれな仕上がりになります。
平屋において屋根は、床面積と同じく大部分を占めるので、外観の大きな特徴です。
一方向だけの傾斜のある片流れ屋根はスタイリッシュでシャープな印象を与えてくれますし、四方に傾斜のある寄棟屋根は、ダイナミックで和風にも洋風にも合いますよ。
外壁は素材を変えるだけでもガラッと印象が変わるでしょう。セメントと繊維質を混ぜた窯業系サイディングはデザインのバリエーションが豊富、金属サイディングは都会的なイメージ、木質サイディングは温かみがあるというように好みに合わせて選べます。
中庭や天窓から採光する
二階の窓からの採光がない平屋では、中庭や天窓を作って光を採り入れるのがおすすめです。
一階だけで複数の部屋を作ろうとすると、家全体が大きくなり外側の壁に面していない部屋ができてしまう場合もあります。もし敷地に余裕があれば、家の中央に中庭を作ると、採光も風通しもよくなりますし、プライバシーを守りながら景観を楽しむこともできます。
また、ただの四角い形ではなく、L字やコの字型の形状にすれば、窓に面した部屋を作りやすいです。
上階がないので、天窓を作ってダイレクトに日光を取り入れるのもおすすめです。
ウッドデッキやテラスを設けて庭とつながる
外からの目線を隠しプライバシーを確保できるなら、ウッドデッキやテラスを作って室内と庭をつなげられるのも、一階部分が広い平屋ならではの魅力。
リビング側に大きな掃き出し窓を作り、そこからウッドデッキに直接出られるようにすれば、子供たちがのびのび遊ぶ様子を眺められるでしょう。
同じフロアに寝室があるので、扉を開けて通風を良くするのも気持ちよさそうですね。
勾配天井や大きな窓で開放感を演出する
平屋は二階建てより天井を高くできるので、屋根の形状をそのまま生かした勾配天井と天窓で開放的な空間が作り出せます。リビングはもちろん、寝室にダイレクトに太陽光を取り入れて朝日で目覚めることも可能です。
また、上階を支える必要がなく大きな窓を作っても安心な構造なので、リビングの壁一面すべてを大きく開く窓にもできます。
敷地に余裕がなく延床面積が狭くなってしまうなら、勾配天井や大きな窓で開放感を演出してみてはいかがでしょうか。
木材を使い分ける
デザイン性もあり機能性も高い木材を使い分けると、見た目だけでなく住み心地も良い快適な家に仕上がります。
住宅に用いられる木材にもいろいろな種類があるので、用途や好みによって選んでみてください。
・ヒノキ
高級感があり古くからの伝統的な建築物にも使われています。水分や湿気に強く肌触りや香りが良いので、浴槽や住む人がよく触れる箇所に用いられることの多い木材です。
・オーク
美しい模様が特徴で、耐久性があり硬くてキズが付きにくいので、フローリングなどによく用いられています。
・スギ
日本のみに生育しており、古くから建材として利用されています。調湿性や断熱性に優れ、和風家屋の柱や梁などに用いられています。
・パイン
パインは松の木で、明るい色合いと経年による色の変化が楽しめる木材です。柔らかくて加工しやすいため、家具などさまざまな用途に使われています。
おしゃれな平屋の施工実例4選!
それでは、実際に建築されたおしゃれな平屋の施工実例を4つご紹介します。これから平屋を建てる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
実例1:シンプルながら印象的なデザインと効率的な動線が特徴の平屋
ブラウンの外観でシンプルにまとめたこちらの平屋は、大きな掃き出し窓のほかは小さめの窓でしっかりプライバシーを確保しています。
白で統一したさわやかな内装に、勾配のある高い天井には木目が美しい梁がアクセントになっています。窓も高い部分に設置されているので、採光はありながら外からの目線も気になりません。
大きな掃き出し窓にもブラインドで外から室内が見えないようになっています。床は段差がなく動線も動きやすそうですね。
実例2:天然素材を存分に用いた経年変化も楽しめる個性的な形状の平屋
経年の変化も楽しめる天然木を使用した落ち着いたグレーの外壁に、広々としたウッドデッキが開放的な平屋の実例です。単なる四角形ではない複雑な形状も平屋ならではですね。
リビングダイニングには、ツヤのある北海道カラマツをそのまま生かした梁が温かみを与えてくれます。梁に取り付けられた照明もさまざまな光でリラックスできる空間を演出しています。
かわいらしい寝室にも梁と照明が設置され、まるで秘密基地のようなワクワク感があります。角の形状を活かしたコンパクトな書斎コーナーも使いやすそうです。
実例3:高い天井と個性的な照明で、美術館のような空間を実現した平屋
やさしいイエローカラーの外観でかわいらしい印象の平屋です。正面に大きな窓はなく、防犯対策やプライバシー確保もばっちりですね。
高い天井は広々とした空間を感じさせ、二階建てと同じくらいの高さにある窓からはやさしい採光が届いています。天井に設置されたシーリングファンにより、一年を通して快適な温度になるよう空調の効果を高めてくれます。
高い位置から吊るされた個性的な照明と壁に飾られた絵画も相まって、まるで美術館のような室内。シンプルな外観からは想像もできないようなおしゃれで独創的な空間を実現しています。
実例4:プライバシーを確保しつつ、年齢を重ねても快適に過ごせる大人の平屋
片流れ屋根とホタテ漆喰の塗り壁が特徴のスタイリッシュなデザインの平屋です。『素材と省エネにこだわった大人の平屋』をテーマに建てられました。道に面した壁には小さな窓しかなく、プライバシーをしっかり守ってくれています。
キッチンからリビングまで段差がなく、家事がしやすい動線ができあがっています。扉や仕切りがなく開放的ですね。正面にはなかった大きな窓からの採光もあり、明るい室内となっています。
ゆるやかな片流れ屋根の傾斜を活かした天井は、空間に広がりを見せてくれています。ちょっとした小上がりもある洗練されたデザインの内装です。
おしゃれな平屋のご相談は竹内建設へ
札幌市で家づくりを行っている竹内建設では、長期保証制度や建物完成サポート制度もあり長く安心して住み続けられるようサポートしています。
家を建てる前に地盤調査、調査データの解析を行う地盤保証システムもあるので、地震や災害にも強い家づくりが可能です。
平屋の建築にも力を入れており、断熱性能最高等級を実現したソーラー搭載のZEH仕様の平屋モデルも公開しています。平屋に興味のある方は、ぜひ一度竹内建設にご相談ください。モデルハウスや見学会のイベントも随時開催しています。
▶お問い合わせはこちらから
まとめ
平屋は上下の移動がないため、家事動線が作りやすくどの世代でも住みやすい、間取りの自由度が高いなどいくつものメリットがあります。半面、敷地の広さや単価、防犯や災害時の問題などのデメリットもあるため、建築時にはしっかり下調べをして安全や快適性を確保できるような設計をしなくてはなりません。
平屋を建てたいとお考えの方は、今回ご紹介したおしゃれな平屋を建てるコツや実例なども参考に、平屋建築の経験が豊富な建築会社にご相談してみてください。