【実例あり】理想のキッチンのレイアウトと間取りは?選ぶポイントを解説
2025/10/14
キッチンは、食事作りや洗い物など、毎日使う場所です。使いやすく衛生的に保てる間取りやレイアウトにしたいものの、いろいろな種類があり、寸法や素材、機能、設備など選択や組み合わせに迷う方も多いでしょう。
この記事では、キッチンのレイアウトの種類や特徴、最適なレイアウトを考えるときの5つのポイントを解説します。竹内建設が施工した多様なレイアウトのキッチン建築実例も掲載しますので、ぜひ参考にしてください。
おしゃれなキッチンをつくりたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
▶︎ 【実例あり】おしゃれなキッチンのつくり方ガイド!ポイント&アイデア7選
キッチンのレイアウトを選ぶ前に考えておきたいこと
キッチンのレイアウトを選ぶ前に、これからの暮らしをイメージしてどのようなスタイルにしたいか考えてみましょう。具体的に考えておきたいポイントは、以下の3点です。
● 理想の暮らしのイメージ
● 調理するときの動線
● 調理するときの人数や広さ
キッチンで家事をする際、一人で作業に集中できるほうがいいか、家族や来客とコミュニケーションを取りたいか、理想の暮らしをイメージしてみてください。一人で集中したいなら独立したキッチン、家族と会話しながら子どもの様子を見たいならダイニングやリビングと対面したキッチンに絞られます。
キッチンに置く家具や調理家電の位置によっても調理をするときの動線は変わります。実際に調理する状況をイメージして、どんなキッチンが必要か考えてみましょう。
また、調理をするときの人数によっても、必要な広さや幅が変わる場合があります。朝食は家族が個々で用意する、子どもが大きくなったら一緒に料理をしたいなど、実際の生活スタイルを具体的にイメージしてみると理想のレイアウトがわかりやすいですよ。
キッチンのレイアウトを考えるときのポイント5つ
具体的にキッチンのレイアウトを考えるときには、以下の5つのポイントを考慮してみてください。
● ワークトライアングル
● 食器棚・収納棚の位置
● 調理家電を置く場所
● コンセントの位置と数
● ゴミ箱の位置
それぞれの取り入れ方について見ていきましょう。
ワークトライアングル
「ワークトライアングル」とは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を結んだ三角形の動線のことです。動線の長さの合計が360〜600㎝になると、効率的に作業できる使いやすいキッチンになります。
それぞれの距離の目安は以下のとおりです。
● シンクとコンロの間:120〜180cm
● シンクと冷蔵庫の間:120〜210cm
● コンロと冷蔵庫の間:120〜270cm
キッチンの形状やタイプによっても変わりますので、イメージした暮らしに合うワークトライアングルを検討してみてください。
食器棚・収納棚の位置
食材や調理器具、食器、調味料など、こまごまとしたアイテムの収納方法によっても作業効率は左右されます。調理器具の収納スペースはコンロの下に設けるのが一般的ですが、壁につるす収納方法も使いやすく、おしゃれに見えます。
コンロで調理した料理を盛りつけ、食べ終わったらシンクへ運ぶ流れを考慮して、食器の収納場所は、コンロとシンクの中間に設けると使いやすいでしょう。どう収納するかによって収納棚の必要性の有無や位置が決まるので、どこに何を収納するか、収納計画を立てておきましょう。
調理家電を置く場所
キッチンには冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器、トースターなどさまざまな調理家電を置くスペースが必要です。特に、冷蔵庫は一日のうちで何度も開け閉めし、調理時以外でも飲み物を取るなど使用頻度が高いため、家族みんなが使いやすい場所に置く必要があります。
置く場所だけでなく、扉を開けやすいか、最後までしっかり開けられるかなど、設置する向きも含めて検討しましょう。調理時にしか使わない家電も、使いたいときに手が届きやすいか、使わないときに隠せるかどうかなども確認しておきたいポイントです。
コンセントの位置と数
さまざまな調理家電を使うキッチンでは、コンセントの位置と数も重要です。一般的にキッチンで使用するコンセントの数は6個程度といわれていますが、レイアウトによっても異なります。
まずは、キッチンに置く家電の数と種類を確認してみましょう。常時通電していて消費電力の大きい冷蔵庫は専用回路を用意し、電子レンジや炊飯器など毎日使う家電は設置位置に合わせてコンセントを設けます。ほかに、ミキサーやホットプレートなど、都度使用する家電用のコンセントも用意しておくと便利です。
ゴミ箱の位置
調理中は、生ゴミやプラスチックゴミ、ペットボトル、金属など複数種類のゴミが出ます。調理しながら分別して捨てられるよう、ゴミ箱の数や位置も考えておくと安心です。
ゴミ箱には、足で踏んでふたを開けるタイプ、分別できるように縦に積み重なっているタイプ、キャスター付きで移動できるワゴンタイプなどがあります。あらかじめシステムキッチンに備わっているゴミ箱には可動式と固定式があるので、使いやすいタイプを選びましょう。
キッチンのレイアウトと一緒に考えたい!間取りのポイント3つ
キッチンのレイアウトを検討する際には、暮らしに合わせたスタイルの選択、効率的な収納計画、ダイニングや玄関などからの動線も重要となるポイントです。それぞれについて詳しく紹介します。
スタイルを選択する|クローズドとオープンの違い
キッチンのスタイルには、大きく分けてクローズドとオープンの2種類があります。主な違いは、ほかの部屋と仕切られているかどうかです。
● クローズド|ダイニングやほかの部屋と壁で区切られた独立したキッチン
● オープン|壁に囲まれておらずダイニングやリビングと同じ空間に配置されたキッチン
それぞれの特徴やメリット・デメリットから、家の広さや間取り、生活スタイルなどに適したスタイルを選んでみてください。
クローズド
扉を閉めれば完全な個室となり、調理時に発生する音やにおいがほかの部屋に広がりにくいため、早朝や深夜の時間帯、来客時も作業に集中できます。一方で、圧迫感を与えやすく、家族とコミュニケーションが取りにくいなどのデメリットもあります。
家族と生活スタイルが異なる方や、生活感を出したくない方に適しています。
オープン
家族とコミュニケーションが取りやすく、調理中も子供の様子を見られるなどのメリットがあります。
空間を広々と使えて、複数人で作業するのにも向いています。なるべく作業に集中したいなら壁付けタイプ、よりコミュニケーションを取りたいならダイニングに向けた対面タイプなど、好みに応じた選択が可能です。
収納計画を立てる|パントリーの活用
パントリー(食料貯蔵室)は、キッチンの近くに設置する収納スペースです。常温保存できる食材や調味料、消耗品などのほかに、調理家電なども収納できます。
シンクのすぐそばのパントリーなら、よく使う食器や調理器具なども出し入れしやすく、キッチンのカウンター上の収納ラックや置き家具を減らせます。ゴミ箱など隠しておきたいアイテムも集約できるため、オープンキッチンでも生活感が出にくく便利でしょう。
動線計画を立てる|玄関・屋外へのアクセス
キッチンを家のどこに配置するかも重要です。買い物から帰って玄関からすぐにキッチンへ行ければ、食材を運び入れやすくなります。また、勝手口を近くに設けると、キッチンから出たゴミをスムーズに外に出せてにおいも気にならないため便利です。
キッチンのレイアウト6種類
キッチンには主に、以下の6種類のレイアウトがあります。
● Ⅰ型|省スペースなキッチン
● Ⅱ型(セパレート型)|スペースが広いキッチン
● L型|作業効率が高いキッチン
● U型|回遊動線で片付けが楽なキッチン
● ペニンシュラ型|人気の対面型キッチン
● アイランド型|家族で集まれるキッチン
それぞれのタイプについて把握しておきましょう。
Ⅰ型|省スペースなキッチン
I型はシンクとコンロ、調理スペースが一列に並んでいるシンプルなキッチンです。動線が短く効率的に作業できるほか、コンパクトなスペースでも配置しやすいなどのメリットがあります。
一方で、あまり広いスペースに設置するとシンクとコンロの距離が遠くなり、理想的なワークトライアングルから外れて作業しにくくなる可能性があります。壁付けにしたり対面型にしたりと自由度の高いレイアウトなので、広さや間取りに合わせて使いやすさを検討しましょう。
Ⅱ型(セパレート型)|スペースが広いキッチン
Ⅱ型はセパレート型とも呼ばれ、シンクやコンロ、調理スペース、冷蔵庫などを2列に分けて平行に設置したキッチンです。シンク・コンロ・冷蔵庫の配置が正三角形になりやすく、理想的なワークトライアングルを目指せるほか、収納量を確保しやすいでしょう。
ただ、列を2つに分けると広いスペースが必要になるため、面積に余裕がないとダイニングやリビングが圧迫されるおそれがあります。
L型|作業効率が高いキッチン
L型は、冷蔵庫・シンク・コンロをL字に配置したレイアウトです。冷蔵庫をどちらかの端に置くと、ワークトライアングルも理想的な三角形になりやすく、一列のキッチンに比べてほとんど動かずにシンクとコンロを行き来できます。人が立つスペースも広く取れるので、複数人でも効率よく作業できるキッチンです。
一方で、収納家具の置き場所によっては冷蔵庫が開けにくくなる、コーナー部分がデッドスペースになりやすいなどのデメリットもあります。
U型|回遊動線で片付けが楽なキッチン
U型は、カウンターをU字(コの字)に配置した、作業する人を囲うようなレイアウトのキッチンです。U型キッチンの真ん中に立てば、シンク・コンロ・冷蔵庫のいずれにも手が届き、大きく移動しなくても作業できます。
三面のカウンターのうち、油はねなどが心配なコンロを壁側に設置し、使った食器を運びやすいようシンクをダイニング側に配置すると、より快適に使えます。ある程度の広さがないと人の動けるスペースが狭くなる、デッドスペースが生まれやすいなどのデメリットもあり注意が必要です。
ペニンシュラ型|人気の対面型キッチン
ペニンシュラ型は、カウンターの片端が壁に接していて、正面はオープンになっている対面型のキッチンです。壁に接している方にコンロを設置し、油が床やほかの家具に飛ばないように囲えるので安心です。シンクは壁に接していないオープンな方に配置されるため、食器を運びやすくなっています。
対面型キッチンは、調理中も家族とコミュニケーションを取りやすいほか、カウンターの幅を広めに取ってダイニング側をテーブルにするなど自由度の高さもあり、人気のレイアウトです。
アイランド型|家族で集まれるキッチン
アイランド型は、シンクやコンロを設置したカウンターを島のように壁から離して配置するレイアウトです。カウンター全体が壁に接しておらず、どちらからでも行き来できるので、家族が集まりやすく開放的な点が人気です。
調理中のにおいが広がりやすい、汚れが見えやすい、広いスペースが必要になるなどのデメリットもあります。
暮らしに合わせたキッチンレイアウト実例3選
竹内建設で施工したキッチンの建築実例を3つ紹介します。それぞれレイアウトや間取りによって特徴が異なりますので、どんなキッチンにしたいか理想に近いものがあれば参考にしてみてください。
少ない移動で作業できる充実したキッチン
シンクのあるカウンターを対面型にし、コンロを壁側に配置したⅡ型レイアウトのキッチンです。シンクのカウンターと横並びでダイニングテーブルを置くことで、配膳や片付けがしやすくなっています。
シンクのすぐ後ろにコンロ、横にはパントリーを配置した作業動線の良いレイアウトです。
収納棚の上にも広々とした作業スペースがあり、複数の調理器具が使えるようコンセントも設けられているので、調理もはかどります。
家事効率の良い収納力のあるキッチン
壁に面したカウンターにシンクとコンロを配置したシンプルなⅠ型のキッチンです。シンクの下部と上部、反対側にも十分な収納スペースが確保されています。

横に長いキッチンですが、外に出られる勝手口近くにあるため、買ってきた食品の運搬やゴミ出しの際に便利です。さらに、キッチンの先にはバスルームが続き、家事効率も良い間取りです。
省スペースでも無駄なく効率的に動けるキッチン
コンロ側が壁に接したペニンシュラ型の対面キッチンです。コンパクトなサイズのカウンターですが、後ろに冷蔵庫を配し、理想的なワークトライアングルが形成されています。カウンターの幅を広めに取り、椅子を置けば簡易的なテーブルとしても使えます。
キッチンのすぐ横には洗面台があり、家事動線が良く、省スペースでも無駄なく効率的に動けるように設計されています。
キッチンのレイアウトでよくある質問
キッチンのレイアウトでよくある代表的な質問にお答えしました。レイアウトで悩みがちな寸法について迷ったら参考にしてください。
Q.使いやすいワークトップの高さはどのくらい?
ワークトップ(作業台の天板)の高さは使う人の身長によって算出します。低すぎても、高すぎても作業がしづらくなるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
目安としては、以下の式で算出できます。
使いやすいワークトップの高さ(cm)=身長 ÷ 2+5
例)身長160cmの場合
160 ÷ 2+5=85cm
一般的なシステムキッチンでは、ワークトップの高さの標準は85cmで、80~90cmまで調整できます。
Q.使い勝手の良い作業スペース/通路の幅は?
キッチンの通路幅の目安は80〜140cmとされており、人の肩幅45cmを基準として計算されています。ただキッチンの作業スペースは通り過ぎるだけではなく、扉や引き出しを開けて何かを取り出したり鍋をふるったりといった動作があり、狭すぎると作業しにくくなります。
広すぎると移動距離が増えるため、家族構成や作業する人数に合わせた適切な幅を確認しておきましょう。
<使い勝手の良い幅の目安>
● 1人で作業する場合:90cm前後
● 2人で作業する場合:100〜110cm
● 子供がいるファミリー世帯の場合:120cm程度
キッチンレイアウトのご相談は竹内建設へ
キッチンの基本的な性能は同じでも、形や素材、デザイン、サイズなどは暮らし方によって千差万別。毎日の食事作りに必要な、まさに暮らしに欠かせない設備です。竹内建設では、それぞれの家族によって異なる「暮らす」を一緒に考えながら家づくりを行っています。
家事をする人はもちろん、住む人全員が快適に使えるよう最適なキッチンのレイアウトや間取りを提案させていただきます。どんなキッチンにするかお悩みの方は、ぜひお気軽に竹内建設へご相談ください。
▶お問い合わせはこちらから
まとめ
毎日の食事作りや後片付けなど、暮らしの中で使用頻度の高いキッチン。家づくりではデザインや家電設備、素材などの前に、間取りとレイアウトが基本となります。まずは快適で使いやすい基本のポイントから決めていきましょう。
動線やワークトライアングルなどを検討しながら、ご紹介したレイアウトや注意点を参考に選んでみてください。寸法や種類で迷ったら、プロに相談してみることもおすすめします。