ポリマーちゃん
2019/05/10
おはようございます。リフォーム事業部、澤山です。
さて、こちらの工場の床。鉄骨の柱の根元にヒビが入っています。
工場自体は鉄骨造で、昨年の地震で床にヒビが入ってしまいました。
検査したところ、構造上の問題はなかったのですがなにしろ防水を
施している床ですのでこのままではヒビから水が滲みこんで
しまいます。そこで今日は平成から令和へ跨いで行われた
こちらの補修作業をご紹介します。まず、このヒビの原因を出していきます。
なにか変な儀式をしそうですが、これは仕上げを綺麗にする為の養生をしています。
ピックと言われる工具でコンクリートを壊します。建築業界では
この作業の事をハツりと言ったりします。
どんどんハツっていくとナットにつながれたプレートが出てきました。
鉄骨柱とつながったプレートとこの下にある基礎を結んでいるのがこのナット。
そしてこのプレートが地震で揺れてコンクリートを押し上げた事がヒビの原因だったのです。
と、いう事でヒビの内側のコンクリートは全て取り除きます。
後々の仕上の為に既存の防水膜を落とします。こちらの作業はカップと呼ばれます。
ハツりが終わると接着剤を塗ってコンクリートと補修材の密着度を高めます。
そして補修材を詰めます。
こちらの材料はモルタル、なのですが
ただのモルタルではございません。ポリマーセメントモルタルと言います。
ポリマー、訳すれば高分子化合物、または重合体。なんの事か分かりません。
よくよく袋を見れば繊維補強型超即硬性と書いてあります。必殺技でしょうか。
よく分からないでいると職人さんが「これが入ってるんだよ。」と見せてくれました。
指先に見える綿のような物、タンポポかな?いいえ、こちらは繊維です。
なんとこちらのモルタルには繊維、繊維が入っております。
この繊維がモルタルをより強くしてくれるのです。主に補修や補強に使われ
高速道路の補修なんかでも使うそうです。
さすが繊維補強型超即硬性、ポリマーセメントモルタル。新手の戦隊モノではありません。
そして平成最後の養生をしたところでこの日の作業は終了しました。
さて、元号を跨いですっかり固まったところで工事を再開します。
まずはプライマーと呼ばれる下塗り材を塗り今度は仕上材との密着をよくします。
乾いたらパテを塗り下地を綺麗にします。
最後に仕上げの防水材をドボドボ。
コテを使って平滑にしていきます。
出来上がったら養生をして少し固くなるのを待ちます。美味しそうです。
1時間半ほど置いて養生を取ります。
が・・・「あれ、虫ついてるわ。」虫を取り除くと
何という事でしょう、せっかくの仕上げがキズ物に!
ちょいちょい
直ってしまいました・・・。まだ液状なので放っておくと自然に直ってしまうそうです。
不思議ですね。
液状なのに養生を取っても外に流れては来ない不思議・・・無理してはがさなくていいじゃん
と思いますが、しっかり乾くまで待つとガチガチに固まってしまい養生もまともにとれなくなります。
ここら辺の乾き気味のタイミングで取る事が大事なんだそうです。
そうして補修工事は完了しました。美味しそうです。
防水工事のほとんどは液状のものが多く、乾くのを待ちながら
幾重にも丁寧に丁寧に作業を繰り返していきます。
その間も養生や清掃をして仕上げが綺麗になる事を怠りません。
感動して涙がこぼれてしまっても大丈夫、そこは防水工事ですので問題ありません。
防水工事は工場や店舗等が多くあまりお目にかかる事はありませんが
住宅でもバルコニーや屋根等で使われている場合もあります。
防水や補強をお考えの方、ご相談ください。
令和初のご訪問、心待ちにしております。
澤山でした。