なんとなく「吹き抜け」を採用すると後悔?メリットやデメリットと対策を解説

2024/09/19

竹内建設のスタッフ 髙橋 優衣
著者
髙橋 優衣

目次


新築で注文住宅を建てるなら、天井を高くしたりリビングを広く取ったりして広々とした空間を演出することも可能。中でも、吹き抜けは開放感がありおしゃれなインテリアが楽しめると人気です。

しかし、吹き抜けは天井や床の一部を省く大規模な工事となり、なんとなくで吹き抜けを採用すると後悔することも…。そこで、今回は吹き抜けを作るメリットやデメリットと後悔しないための対策を解説しますので、これから吹き抜けを検討している方は参考にしてください。

吹き抜けとは?

吹き抜けとは、複数階にわたる連続した空間を指します。2階以上の建物で、上階の床と下階天井の一部または全部を作らず、縦に空間をつなげた構造です。

マンションのエントランスやデパートなど大型の建物でもよく見かけますが、一戸建てではリビングや玄関ホールなどに設置されるパターンが多く、注文住宅でも人気の施工となっています。

吹き抜けのメリット

吹き抜けのある間取りにはいろいろなメリットがあります。代表的なメリットを5つご紹介しましょう。

天井が高くなり開放感がうまれる

吹き抜けのもっとも大きなメリットは、天井を取り払うことでうまれる開放感です。天井が低いとそれだけで圧迫感を覚えるものですよね。

建築基準法で定められた天井高は2.1m以上とされており、一般的な住宅の天井高は2.2m~2.4mほどですので、吹き抜けがあると天井高は2倍になり5m以上もの高さになります。天井を見上げたときにとても広々とした空間を感じられ、ゆったりした気分になれますよ。

あまり面積を取れない場合でも、吹き抜けを設置すれば狭さを感じない空間を演出できるため、狭小地でも取り入れやすい施工です。

高いところからの採光で部屋が明るくなる

吹き抜けがあると、2階部分にあたる壁に設置された窓から日光を取り入れられ、高いところからの採光で部屋全体が明るくなります。

昼間に限った話ではありますが、自然光で部屋が明るくなれば、電気代の節約にもつながります。また、高いところの窓なら、外からの目線も気にならないのがうれしいポイント。隣の家との距離が近くて陰になってしまう場合も、効率的に光を取り入れられます。

2階の壁だけではなく天窓も作れますので、夜には星を眺めたり月の明かりで部屋を照らしたりといった自然を活かしたロマンティックなインテリアも素敵ですね。

個性的でおしゃれな家づくりができる

吹き抜けは個性的でおしゃれな家づくりができる点も、注文住宅で人気の理由のひとつです。一般的な掃き出し窓だけでなく、高いところに小さな窓をいくつか設置するだけでデザイン性が高くなりますし、壁の余白が広く海外や写真を飾るといったインテリアも楽しめます。

天井にシーリングファンを取り付ければ、機能性が高くなるだけではなく、南国のホテルのような高級感のあるインテリアに。照明も高いところに設置できるので、海外から取り寄せたこだわりのシャンデリアで飾り付けるなど、個性的な家づくりの幅が広がります。

風通しが良くなり空調管理がしやすくなる

吹き抜けがあると、高低差により気流がうまれ、風通しが良くなります。高窓や天窓からの通風もありますし、部屋ごとではなく家全体の空調管理がしやすくなるのです。

夏には涼しい時間帯に窓を開けて風を採りいれ、冬には窓からの採光で部屋を暖めるなど、季節によって異なる自然の恩恵を受けられるのも、吹き抜けによるメリットといえます。

空間が大きくなるとエアコンが効くまでに時間がかかりますが、天井にシーリングファンを設置すれば部屋全体の空気を循環させられるので、空調の効率も上がります。

家族の気配を感じられる

注文住宅では、玄関ホールやリビングなどに吹き抜けを作るのが一般的です。吹き抜けがあると、家の中で家族がどこにいるか気配を感じられることもメリットとして挙げられます。

たとえば、玄関ホールに吹き抜けを設けると、2階にいても家族が家を出入りする音が感じられます。また、リビングに吹き抜けがあれば、2階にいる家族とそのまま会話をするなどのコミュニケーションも取れますね。

それぞれの個室でプライベートな空間を確保しつつ、適度に距離を保ちながら家族の気配を感じられる吹き抜けは、毎日を快適に過ごす家の設備として大きく役立ってくれるでしょう。

吹き抜けのデメリットと後悔しない対策

メリットのたくさんある吹き抜けですが、逆にデメリットとなる場合もあります。後悔しない対策とあわせて、デメリットについても紹介していきます。

上階の面積が削られる

吹き抜けは上階の床部分をなくして下階の天井を高くするものですが、そのために上階で使える面積は削られてしまいます。家を建てるうえで有効な床面積は非常に重要で、吹き抜けを検討する際には避けて通れない問題となるのです。

たとえば、1階のリビング全体の上部をすべて吹き抜けにすると、2階の床面積が極端に狭くなり、寝室や子供部屋に影響が出てしまいます。あまり面積に余裕がない場合は、リビングの一部分だけや階段まわり、玄関ホールなどの小さい部分を吹き抜けにするといいでしょう。

大きな吹き抜けを設置しながら広さも確保したいなら、デッドスペースをなくしたり物置としてロフトを作ったりなど、延床面積を最大限活かす方法もあります。まずは、間取りや設計を決めるときにしっかり建築士やハウスメーカーと相談するようにしてください。

冷暖房が効きにくくなる

吹き抜けのメリットには、風通しが良くなり空調管理がしやすくなると挙げましたが、空間が広くなると冷暖房が効きにくくなる場合もあります。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れるため、特に冬場は下階の寒さが問題になりがち。

シーリングファンやサーキュレーターなどで空気の流れを作る方法もありますが、足元が冷える問題には暖房設備を見直してみてください。床暖房があれば部屋全体を温めることにもつながりますし、人がいるときだけ温めたいのなら電気ストーブを置くだけでも大きな効果があります。

吹き抜け部分に大きな窓を設置するなら、設計段階で季節によってどのくらい採光があるかも調べておきましょう。

音やにおいが伝わりやすくなる

通常なら1階と2階が床で遮られているためあまり気になりませんが、吹き抜けがあると1階の音やにおいが2階までダイレクトに伝わってしまいます。

リビングでのテレビの音声や家族の会話など、普段なら気にならないような音でも、寝室で寝ているときや仕事中には影響が出る場合もあります。キッチンでの料理のにおいも、家全体に漂ってしまうと、メニューが制限されてしまうかもしれません。

個室に音が伝わらないようにするには、防音効果のある壁材やドアを採用するといった構造面の対策が効果的。においの軽減には、キッチンの場所を吹き抜けから遠ざける、強力な換気扇を設置するなど設計段階で検討しておけば安心です。においの原因となる成分を吸着するエコカラットなどの内装用壁材も、デザイン性が高くインテリアも楽しめる素材としておすすめします。

高いところのメンテナンスがしにくい

吹き抜けでは、とても手が届かない高いところに窓や設備を設置するので、住んでからの掃除やメンテナンスがしにくいというデメリットがあります。窓や照明などを設置する際には、後から手入れができるかどうかも事前に考えておいてください。

ある程度は、伸縮性のあるモップなどを用いて自分で掃除も可能ですが、掃除道具を落としたり自身が落下したりする危険性もあるので無理は禁物です。

長く快適に過ごすために、専門業者へのメンテナンス依頼も検討しておきましょう。

耐震性能が弱くなる可能性も

吹き抜けを作ると、床や天井の一部がなくなってしまうので、耐震性能に影響が出る可能性もあります。吹き抜け部分が大きいと、柱や壁も少なくなるので、特に注意が必要です。

吹き抜けを作る際には、デザインや機能面だけでなく、安全面にも大きくかかわる耐震性についてもしっかり検討しておくことが重要です。構造や設計に関する問題であり、後から変更しにくいため、事前に設計士やハウスメーカーと相談して納得いくまで話し合ってください。

平屋にも吹き抜けがおすすめ!勾配天井で開放感溢れる空間にしよう

吹き抜けは上階の床部分をなくし下階の天井を高くするものですが、1階のみとなる平屋でも、工夫次第で縦の空間を拡げられます。

平屋で高い空間を確保するには、勾配天井がおすすめです。勾配天井は、屋根の傾斜に合わせて天井を斜めにした構造で、水平に作られた天井と比べて高さがあります。斜めの天井はシャープな印象があり、照明やインテリアにもこだわっておしゃれな内装に仕上げられます。

天井が高い部分にはロフトを設ければ、物置にも使えますし、高窓の近くでは日当たりもよく明るい空間として有効活用できます。

勾配天井にするには、片方に傾斜した片流れ屋根や頂点を高くした三角屋根など、屋根に傾斜を作る構造が必要となり家の外観にも大きな影響が出ます。片流れ屋根はスタイリッシュな印象で、三角屋根はかわいらしさがあるので、外観とあわせて選ぶといいでしょう。

平屋なら吹き抜けを作ることによる2階への影響も考えなくて済み、天井を高くして開放感溢れる空間にするというメリットを享受できます。平屋を検討中の方も吹き抜けをぜひ取り入れてみてください。

吹き抜けのある家の施工事例を3つご紹介

それでは、実際に建築した吹き抜けのある家の施工事例を3つご紹介します。吹き抜けを検討中の方はチェックしてみてください。

高窓から見える青空がアートのようなインテリアに    


リビングの一部を吹き抜けにしており、下から見上げると大きな窓から見える青空がまるでアートのようなインテリアに見える素敵な空間になっています。


吹き抜け部分はそれほど広くありませんが、窓が大きめでとても開放感がありますね。日差しも入りやすく、リビングが自然光で明るく照らされています。

外からの目線を気にせずリラックスできる


リビングの上部に作られた吹き抜けには、明るい光が差し込む窓が設けられています。窓の下にスポットライトが取り付けられており、暗さを感じるときだけ照明をつければよく、電気代の節約にもなりそうです。


通りに面した立地なため、1階部分に大きな窓を作ると周りの家や外を歩く人からの目線が気になりますが、高所の窓なら人目を気にせずリラックスできますね。

階段の上り下りで異なる風景が楽しめる


キッチンの横にある階段に合わせて作られた吹き抜けです。上下に大きな窓が設けられており、階段を上り下りしながら上と下で異なる風景が楽しめる作りになっています。


階段の上からはどこまでも広がる青い空、階段の下では木々などの自然が見え、雪が積もると間近でその美しさを堪能できます。

明るく開放的な「吹き抜け」のある家なら竹内建設へ

竹内建設では、デザインや間取りにこだわった高品質・高性能な家づくりに努めています。
気密性や断熱性にも優れ、耐久性も高い品質で、吹き抜けのデメリットである熱さや寒さ、地震への不安も解消できますよ。
明るく開放的な吹き抜けのある一戸建ての建築実績も豊富で、平屋にも対応しております。

モデルハウスや見学会のイベントも随時開催していますので、吹き抜けのある家に興味のある方は、ぜひ一度竹内建設にご相談ください。

▶お問い合わせはこちらから

まとめ

吹き抜けは、開放感や日当たり・風通しの良さなどさまざまなメリットがありますが、半面デメリットもあります。特に、2階の面積が狭くなってしまうことや耐震性など、構造面で不安が残る場合もあり、安易に設置すると後悔してしまう可能性も…。

あらかじめデメリットを知っておき、対策を講じておけば安全で快適に過ごせるよう設計してもらえるよう、まずはしっかり相談することが重要です。

今回の記事を参考に、吹き抜けのメリット・デメリットと対策についてよく検討し、明るく開放感のある吹き抜けの家づくりを目指してみてください。

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