【事例付き】日当たりの悪さで後悔しない!対策5選|建築前の注意点・建築後の改善点とは
2025/07/09
目次
家を建てる前にチェックしておきたいポイントのひとつが「日当たり」です。家を建てたあとに、日当たりが悪くて暗さや寒さに悩み、後悔する人は少なくありません。
そこで今回は、日当たりの悪い家にはどんな困りごとがあるのか、後悔しやすいポイントや日当たりや悪くなる原因、後悔しないための5つの対策を紹介します。これからマイホームを検討中の方は、快適な暮らしのカギとなる日当たりについて、ぜひ注目してみてください。
日当たりが悪い家で後悔しやすいポイント
日当たりが悪いと、光熱費や心身にも影響をきたす可能性があります。ここでは、住んでから後悔しやすいポイントを5つ紹介します。
昼間も暗い
日当たりは、室内の明るさに直結します。日当たりが悪いと日中も薄暗く、照明をつけなくてはならないため、不便なだけではなく光熱費もかさみます。
朝日が入りにくいことで、すっきり目覚められなかったり、室内の観葉植物が育ちにくかったりするデメリットもあります。部屋の明るさは生活全般に影響がおよぶため、後悔のポイントになりやすいでしょう。
寒くて暖房が手放せない
部屋に日光が差し込まないと昼間でも温度が上がりにくいため、寒さを感じやすくなります。冬の冷え込みがなかなか解消されず、一日中暖房をつけっぱなしにするような日々が続くと、電気代が大きく跳ね上がり家計を圧迫します。
日当たりの悪い家では、晴れた屋外より、家の中の方が寒く感じる場合もあるため、日当たりの良い家に比べると体への負担もかかります。特に北海道などの寒冷地で家づくりをする際は、日当たりへの配慮が必要です。
湿気がこもりカビが発生する
日当たりが悪いと湿気がこもりやすく、じめじめとした居心地の悪い空間になりがちです。特に湿気の多い梅雨時は、それほど気温が高くなくてもエアコンの除湿機能の使用時間が増え、電気代がかさんでしまうと考えられます。
また、結露によって窓ガラスにたまる水滴をこまめに拭き取らないと、カビの発生にもつながります。湿気やカビは建物や家具の寿命に影響を与えるだけでなく、住んでいる人の健康にも悪影響を及ぼす可能性も少なくありません。家具の買い替えや家の補修などによって、出費が増えることも懸念されます。
洗濯物が乾きにくい
日当たりの悪い家では、部屋の中だけでなく庭やベランダでも日光が届きにくい場合があります。洗濯物を外に干しておいてもすっきり乾かず、生乾きのにおいがしたり家事が滞るストレスを感じたりするなどのデメリットが生じます。
洗濯物を乾かすための除湿器や洗濯乾燥機の購入などで出費が増えたり、電気代がかさんだりする可能性もあるでしょう。
気分が落ち込みやすい
日光に当たらない生活が続くと、体内時計も整いにくく、気持ちも不安定になりがちです。部屋の暗さや寒さ、湿気による不快感や家事の手間が増えるストレスなどもあわせて、日当たりの悪い家は気分の落ち込みやすさにもつながる可能性があります。
日当たりは、住む人の気分や心持ちなどにも影響を及ぼすおそれがあることを確認しておきましょう。
日当たりが悪くなる3つの原因
家の日当たりが悪くなる原因は、大きく分けて以下の3つが考えられます。家を建てる前に日当たりが悪くなる要因はないか、検討してみましょう。
方角が悪い
日当たりを大きく左右するのは、建物の向きです。具体的には、東向きの家は朝日の当たる時間帯だけ明るい、西向きは夕方の短い時間だけ強い日差しが差し込むなど、それぞれの向きで特徴が異なります。
北向きの家は日当たりが悪く、昼間でも暗くなりがちです。基本的に、光の取り入れやすさは南、東、西、北の順に低くなります。土地選びの段階から日当たりは影響するので、日当たりを重視するなら南向きの土地を選ぶと良いでしょう。
間取り・窓の位置が悪い
日当たりの良い南向きの家でも、間取りや窓の位置によっては日光を取り込みにくい場合があります。たとえば、部屋が縦長に広がる間取りでは、光が奥まで届かず日中も暗いままの空間が生まれやすいでしょう。
目覚めたときに朝日を浴びたいなら東側に寝室、家族が集まる空間を明るくしたいなら日中も光が入りやすい南側にリビングを配置するなど、日当たりを考慮した間取りの検討が必要です。日の差し込む角度も方角によって異なるため、窓の位置や高さも考慮しなくてはなりません。
一方で、トイレや浴室、納戸などのように用途が限られた空間では、それほど日当たりが良くなくても問題ないでしょう。
周辺の建物に日が遮られている
土地の方角が良くても、周辺の建物によって日が遮られると日当たりは悪くなります。階数の高い建物などが周辺にあると、一日中光が入りにくいケースも少なくありません。
このほか、住宅密集地では隣家との距離が近いために、同じ階層の住宅でも日当たりに影響が出るほか、プライバシーの観点から窓を大きくできないといった問題も生じます。家を建てる前は周辺に建物がなく日当たりは良好だったものの、建築後に周りにマンションが建って日が当たらなくなるケースもあります。
建築前にチェック!日当たりで後悔しないための5つの対策
日当たりの良い家を建てるには、建築前に周辺環境のチェックやシミュレーションをしておくことが重要です。ここでは、日当たりで後悔しないための5つの対策を紹介します。
1.【土地選び】周辺環境や建物の配置を確認する
家の日当たりは、土地選びで大きく左右されます。まずは、土地の周辺環境や建物の配置を確認しましょう。
図面上では方角をチェックし、どの方向から日が当たるのかを確認します。そして実際に土地に足を運び、どの程度日が当たっているかをチェックしましょう。季節や時間帯によっても太陽の方角は変わるので、朝・昼・夕方で日当たりがどう変わるのかも確認しておくと安心です。
また、周辺に日を遮る建物はないか、隣の家との距離は近すぎないかなどもあわせて確認しましょう。建物以外にも、隣地との高低差、道路幅、電柱や樹木の位置によって日が遮られる場合もあります。現在は建物がなくても、周辺に空き地があると将来建築されるおそれもあるため、役所に何が建設されるのかなどについて問い合わせてみるのもひとつの方法です。
2.【設計段階】日当たりシミュレーションをする
設計の図面ができたら、CADソフトや無料アプリで日照シミュレーションを実施するのがおすすめです。日当たりは太陽高度・方位・季節・時間帯などによって変化しますが、土地選びの段階で長期間現場に通って動きをチェックするのは現実的ではありません。冬場に夏の日当たりはわかりませんし、時間を変えて何度も現地を訪れるのも難しいでしょう。日照シミュレーションで複数の案を比較して、最適な庇(ひさし)の長さや窓位置について検討すると効率的です。
この画像のように、時間帯によっても日の当たり方は大きく変わるので、目で見えるシミュレーションの実施は建築後の後悔を防ぐために有効です。
3.【窓】大きさ・設置位置に注意する
隣の家との距離が近く大きな窓をつくりにくい場合は、目線より高い位置に横長の窓を作ると光だけを効率よく取り込めます。周辺を建物に囲まれて日が当たりにくい物件でも、天窓を設ければ、真上から自然光を取り入れられます。
洗面所やトイレなど、特にプライバシーを重視したい空間には、小さな明り取りの窓をつけたり、外壁に面しない室内に室内窓を設けたりして光を届けるだけでも、明るさを確保しやすくなります。
4.【間取り】吹き抜け・2階リビング・中庭を取り入れる
1階に太陽光が入りにくく暗くなりがちな住宅が密集するエリアでは、2階にリビングを設けると、外部からの視線を気にせず光をたっぷり取りこめて、冬も暖かく過ごせます。
1階のリビングを明るくするには、吹き抜けや中庭を設けるのも有効です。
中庭は、プライバシーを確保しながら、自然光だけでなく家全体の通風も効率アップできるのが魅力です。
このほか、雨除けの庇を短くしてできるだけ日が当たるようにしたり、壁紙を白系統にして反射によって室内を明るくしたりする方法も有効です。
また、内面が鏡状になっている管を設置し、屋上などから太陽光を取り込み、反射で階下の部屋に光を届ける「光ダクト」を活用する方法もあります。直射日光による日焼けや温度の上昇は防ぎながら、窓がない空間に自然光を取り込めるのが特徴です。
5.【価値観】家族の生活スタイルに合わせる
日当たりの良い家はメリットも多いですが、単純に光を取り入れることが正解とも限りません。それぞれの家族の生活スタイルによって、必要な光の量は異なります。たとえば、朝型の生活スタイルの家庭には東向き、日中家を空ける頻度が多い家庭なら日当たりは重視しないなど、必要に応じた採光の計画が必要です。
どの部屋、どの時間帯に光が必要か把握し、間取りや設計を検討しましょう。ここからは、部屋別に、生活スタイルに合わせたおすすめの間取りを紹介します。
・寝室
気持ちよく目覚められるよう起きてすぐ朝日を浴びたい場合は、寝室を東向きにつくり、午前中の日差しを取り込みやすいような大きな窓を設置すると良いでしょう。反対に、早起きはしないという生活スタイルの方には、西向きの寝室も適しています。
・リビング家族が集まってゆったり過ごす時間を大切にしたい場合は、日中光が入りやすい南向きにリビングを設けるのがおすすめです。大きな窓や吹き抜け、天窓などで太陽光を取り入れるのも良いでしょう。冬場は太陽光で暖まるので、暖房費の節約にもなります。
・書斎
家で仕事や細かい作業をする人は、時間帯に合わせて光が入りやすい方角を選びましょう。朝から日中にかけて在宅で仕事をするなら、書斎は部屋が明るくなる南東向きがおすすめです。ただ、パソコン作業が多い場合は、日差しが反射して画面が見えにくくなるおそれがない北向きの部屋が適しています。
【自分でできる】日当たりの悪さを軽減する方法
実際に住んでみたら日当たりが悪く、後悔している方もいるでしょう。ここでは、既存住宅の間取りや設計は変えない範囲で、日当たりの悪さを軽減する方法を紹介しますので、ぜひ試してみてください。
照明・インテリアを工夫する
日当たりが悪く部屋の暗さが気になるときは、部屋全体を明るくしてくれるLEDに照明を交換しましょう。演色性の高い LEDを使用すると、同じ照度でも自然光に照らされたように鮮やかに物が見えるといった特徴があります。
照明の種類も、部屋の広さや用途によってシーリングやデスクライト、間接照明などを組み合わせながら設置することで、必要な場所に必要な明るさが確保できるでしょう。
また、部屋の壁紙を白やベージュなどの明るいカラーにしたり、鏡を置いたりすると、光の反射によって部屋を明るくできます。
カーテンの代わりに、光を通しやすい素材の障子風のスクリーンを設置するのもおすすめです。しっかり目隠しをしながら明るさを確保してくれるので、1階の部屋にも使いやすいでしょう。
断熱性を高めて暖房を効率よく使う
日当たりの悪さから室温が上がらず、暖房の使用頻度が増えて電気代が高くなる場合には、断熱性能を高める工夫をしてみましょう。冷気や暖気は、主に窓から出入りします。厚みのある断熱シートを窓に貼れば、窓からの冷気を防いで断熱効率を高められます。
貼るタイプのほかに、置くだけで効果を発揮するプラスチック製段ボール、断熱性能の高いカーテンなどもあるので、間取りに応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。
部屋全体を暖めるのに時間のかかるエアコン以外に、瞬時に暖まるヒーターを併用したり、床に保温性の高いラグやカーペットを敷いたりすると、効率的に部屋を暖かく保ちながら光熱費も節約できます。
除湿機やエアコンを活用する
カビの発生や洗濯物が乾きにくい問題の対策には、除湿機やエアコンの除湿機能の活用、定期的な換気が有効です。24時間換気システムが設置されている住宅では、常時稼働させておきましょう。また、給気口が家具などでふさがれていないか確認し、給気口・排気口のフィルターもきれいにして換気効率を高めることも必要です。
窓が複数なく換気しにくい部屋では、サーキュレーターなどで風の流れを作るのもおすすめです。洗濯物の室内干しをする際も、サーキュレーターで風を送ると乾燥しやすくなります。
ほかにも、調湿効果のある珪藻土クロスやタイルなどの内装材を活用する方法もあります。
日陰でも育ちやすい観葉植物を置く
日が当たらないことで気分が落ち込みがちなときには、日陰でも育ちやすい観葉植物を部屋に置いてみるのはいかがでしょうか。ポトスやモンステラ、ドラセナなど、直接日光が当たらない半日陰でも育ちやすい観葉植物はいろいろあります。部屋に緑があると気分も落ち着き、リラックスしやすくなるでしょう。
また、日照時間が短いなど、厳しい環境の北欧でおうち時間を楽しむために生まれた概念「ヒュッゲ」を参考に、お気に入りのインテリアを置いて居心地が良い空間づくりをするのもおすすめです。
木目や自然を基調としたシンプルな内装やインテリアを意識したり、キャンドルを灯してリラックスしたりと、穏やかな時間を過ごす工夫をしてみましょう。
【プロに依頼】リフォームで日当たりの悪さを改善する方法
既存住宅で日当たりの悪さを根本的に解消するには、プロに依頼してリフォームする方法もあります。光を多く取り入れるために、高窓や天窓などを増設したり、屋根から取り込んだ太陽光を各部屋に届ける光ダクトを設置したりする方法があります。寒さの解消には、断熱性能の高いサッシなどに交換するなどの手段も有効です。
2階にリビングを移す、吹き抜けや中庭をつくるなど、間取りを変更するリフォームもあります。まずは、現状の日当たりやリフォームの可能性について、信頼できる工務店に相談してみましょう。
日当たりで後悔しない家づくりのご相談は竹内建設へ
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日当たりの良い家をご検討中の方も、既存住宅で日当たりの悪さにお悩みの方も、ぜひ一度竹内建設までお気軽にご相談ください。
まとめ
日当たりは、室内の明るさや温度、湿度のほかに住む人の心身にも影響を与える重要な要素です。家を建てる際には、方角や周辺の環境などから日当たりをチェックしましょう。家を建ててから後悔しないように、間取りや窓の位置などで光がどのように取り入れられるか、設計段階でシミュレーションしておくこともおすすめです。
家を建ててからでも、窓の増設や設備の変更といったリフォームで日当たりを大幅に改善できる場合もあります。日当たりについて気になる点は、信頼できる工務店に相談してみましょう。