【実例あり】防音対策で新築住宅を快適にする方法7選|建築後の対策やリフォームも

2025/08/20

目次

一戸建ての家に住むなら、防音対策を施し、音に悩まされずにリラックスして過ごしたいですよね。賃貸住宅に住んでいたときの「騒音」や「音漏れ」がマイホームを新築するきっかけとなった方も少なくありません。防音対策は、注文住宅を新築する際に重視すべきポイントのひとつです。

この記事では、新築を建てるときにできる7つの防音対策、新築に防音対策をするメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。建築後にDIYでできる防音対策やリフォームの事例なども紹介しますので、静かに気兼ねなくくつろげる理想の家づくりに役立ててください。

防音対策を施すメリット・デメリット

新築を建てるときの防音対策には、多くのメリットがある一方で注意すべきデメリットもあります。はじめに、防音対策のメリットとデメリットについて解説します。

メリット:ストレス軽減やプライバシー確保

新築の防音対策の最も大きなメリットは、暮らしの質そのものが向上する点です。外部からの騒音が遮断されるので、静かな室内でリラックスして過ごせます。近隣への音漏れも抑えられるため、騒音トラブルも未然に防げます。

具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。

⚫︎楽器の演奏や映画鑑賞などを気兼ねなく楽しめる
⚫︎子どもの泣き声や騒ぎ声に神経をとがらせずに済む
⚫︎夜間の入浴や早朝の洗濯など、生活音を気にせず日常を送れる

防音対策は、騒音や音漏れによるストレスを軽減し、快適な住環境をつくります。

デメリット:コストアップや居住空間が縮小されるケースも

防音対策のデメリットには、建築費用の増加や居住スペースの縮小が挙げられます。防音性の高い構造や建材などを採用すると、一般的な住宅と比べてコストが高くなる傾向です。

また、壁・床を二重構造にしたり厚い断熱材を使ったりする防音対策では、壁が厚くなるため、居住空間の面積が小さくなる場合もあります。防音対策は、費用や間取りのバランスを検討しながら進めましょう。

防音対策を検討する際に知っておきたい2つの音

防音対策を考える際は、「空気音」と「固体音」の2種類の性質を知っておきましょう。これらは伝わり方が異なるので、以下のようにそれぞれ別の対策が必要です。



空気音 固体音
音の伝わり方 空気を介して伝わる 建物の構造体を振動させて伝わる
具体例 ⚫︎話し声
⚫︎テレビ音
⚫︎車の走行音
⚫︎足音
⚫︎ドアの開閉音
⚫︎ピアノの低音
⚫︎給排水管の音
対策例 ⚫︎防音カーテン
⚫︎断熱材
⚫︎二重サッシ
⚫︎二重構造の床や壁
⚫︎防振マット
⚫︎遮音シート

「空気音」は、文字通り空気を介して伝わる音を指します。具体的には、人の話し声やテレビの音、道路から聞こえてくる車の走行音などです。有効な対策としては、防音カーテンの設置や断熱材の活用、二重サッシ窓の採用などが挙げられます。

「固体音」とは、壁や床など建物の構造体を振動させて伝わる音です。2階の足音やドアの開閉音、楽器の低音や給排水時に配管を流れる音などが該当します。有効な対策として、床や壁の二重構造化、防振マットや遮音シートの設置などが挙げられます。

交通量の多い通り沿いに住宅がある場合、車の走行音対策として空気音への対策が有効です。空気音と固体音の違いを理解し、対策を施したい音に合わせた防音対策を講じましょう。

新築時にできる防音対策7選

ここでは、家を建てるときに取り入れたい7つの防音対策を紹介します。建材や設備の選び方次第で、騒音ストレスを軽減できます。ひとつずつ見ていきましょう。

例 【空気音】:空気音に有効な対策

防音性の高い構造を選ぶ【空気音+固体音】

防音対策をする際は、構造にも注目しましょう。一般的に、木造や鉄骨造よりも、鉄筋コンクリート造(RC造)の方が、防音性が高いといわれています。これは、コンクリートが高密度で質量が大きく、空気音、固体音、いずれも振動が伝わりにくいためです。

国土交通省が実施した調査でも、鉄筋コンクリート造のマンションは、木造の一戸建てよりも交通騒音や隣家・上下階からの音の影響を受けにくいとされています。ただし、構造選びでは防音対策以外のメリットとデメリットも考慮し、総合的に検討しましょう。

参考:国土交通省「国総研資料 第1261号

気密性を高める【空気音】

隙間の少ない高気密住宅では、外部から伝わる空気音が入りにくくなります。ドアや窓の周り、建材の継ぎ目などの隙間を最小限にして気密性を高めると、音が入り込む通路自体を遮断できるのです。そのため高気密住宅では、屋外の車の走行音や人の話し声が室内に入りにくくなります。交通量の多いエリアで新築住宅を建てる際は、気密性をチェックしてみてください。

騒音が届きにくい間取りを考える【空気音+固体音】

防音対策には、騒音が届きにくい間取りを考えることも有効です。たとえば、外部の騒音が気になる方角の壁側には、静かに過ごしたいリビングや寝室を配置せず、クローゼットや廊下を設けると生活空間への騒音の影響を緩和できます。

寝室は、他の部屋からの生活音が影響しないよう、トイレや洗面所を隣接させない工夫も取り入れましょう。都合上、居室と水回りが隣接する間取りでは、隔てる壁面に防音素材を採用する方法もあります。間取りの計画段階から音の伝わりに配慮し、穏やかな空間を確保しましょう。

窓:防音ガラスや樹脂サッシを選ぶ【空気音】

窓は外部の騒音が入りやすい場所です。防音ガラスや樹脂サッシの窓を採用すると、外からの騒音をカットできます。防音ガラスには、2枚のガラスの間に防音性能のあるフィルムを挟んだ製品や、ガラスの間に空気層を設けた製品などがあります。フィルムや空気層を入れることで、外からの音が伝わりにくくなるのです。

樹脂サッシはアルミ製に比べて熱伝導率が低く気密性も高いので、空気音の伝播を防げる役割があります。車の走行音や隣家の生活音を、室内に伝わりづらくするので、大きな道路沿いや隣家との距離が近い住宅密集地に家を建てる方におすすめの対策です。

壁・天井:二重構造にする【空気音+固体音】

壁や天井を二重構造にすることも、有効な対策です。空気の層が増えるため、音の振動が伝わりにくくなります。一般的に木造新築住宅の外壁部分は、断熱材を挟んだ二重構造になっています。断熱材は小さな空気層の集まりなので、熱の伝わりだけでなく音も吸収する効果があります。

寝室や個室の防音を強化したい場合は、断熱材の性能を上げ、壁だけでなく天井も二重構造にしたり、内壁にも断熱材を挟んだ二重構造にしたりする方法も有効な手段のひとつです。ただし、壁材・断熱材を多く使う分、コストはアップするため、予算と照らし合わせて慎重に進めましょう。

床:遮音性の高い素材を選ぶ【固体音】

床から伝わる足音や生活音への対策には、遮音性の高い床材や二重床の採用が有効です。
床の振動を吸収・遮断して、上階から下階への音の伝わりを軽減します。具体策としては、遮音マットや二重床、カーペットなどの導入が挙げられます。

足音や家具の移動音が響きにくくなるので、二世帯住宅など上下階で生活空間を分けているご家庭や、上下階で生活サイクルが異なるご家庭に適した対策です。

24時間換気口:防音フードを設置する【空気音】

防音フードとは、24時間換気システムなどの換気口に、吸音材を取り付けて音漏れを防ぐ部材です。換気口を覆うように取り付ける一般的な換気フードは、主に雨や虫の侵入を防ぐ目的であるため防音性能は乏しく、音が出入りする原因となります。吸音材を設けた防音フードなら、換気性能を保ちながら外部からの騒音や室内からの音漏れを効果的に防げます。

線路沿いや大きな道路沿いなど、外からの騒音が気になるエリアや、生活音の音漏れが気になる場合は、24時間換気システムの換気口への防音フードの設置を検討しましょう。

建築後に自分でできる3つの防音対策

すでに家を建てたあとでも、自分で実践できる防音対策があります。ここでは、手軽に取り組みやすい3つの防音対策を解説します。

窓:内窓や防音カーテンを設置する【空気音】

外の車の走行音や隣家の話し声が気になる場合は、内窓や防音カーテンの設置が有効です。窓は外部の振動の影響を受けやすく、空気音が出入りしやすいため、対策によって効果を得られやすい場所です。

既存の窓の内側に内窓を設置して窓を二重にすると、遮音性が高まり車の走行音などをカットできます。防音専用のカーテンを設置すれば、テレビの音や話し声などの騒音の出入りを抑えるのに効果的です。内窓はリフォーム会社へ設置を依頼できるほか、DIYで取り付けられる商品もあります。

壁・天井:遮音シートを重ねて張る【空気音+固体音】

話し声やテレビ音などの伝播を抑える対策として、壁や天井に遮音シートを重ねて張る方法があります。遮音シートとは、室内の音が外に漏れないように壁の内側に設置するシートです。既存のクロスの上に遮音シートを重ね張りすると、音が内側に反射され外に伝わりにくくなるほか、外の音が内部に聞こえにくくなる効果も期待できます。

ただし、楽器の演奏に対応した本格的な防音室をつくるには、遮音シートだけでは十分な防音効果が得られません。リフォーム業者などに相談し、壁材や窓の変更を含めた防音工事を依頼しましょう。

床:防振マットや厚手ラグを敷く【固体音】

上階の足音が気になる場合は、防振マットや厚手のラグを2階の床に敷いてみましょう。歩行や椅子を動かすときなどの振動が吸収されるので、階下に音が伝わりにくくなります。

洗濯機の振動音への対策には、洗濯機専用の防振マットが市販されています。夜間に洗濯機を稼働させる場合は、こうした専用アイテムを活用した防音対策が便利です。

防音対策を取り入れた住宅の建築・リフォーム実例3選

ここでは、防音対策を取り入れた竹内建設の実例を3つ紹介します。竹内建設が施工する注文住宅は、防音性能にも優れています。新築だけでなく、リフォーム・リノベーションによる防音対策工事も対応しています。

実例1:新築注文住宅 I’LLUME(イルム)


竹内建設の注文住宅では、トリプルガラスの樹脂サッシを標準採用しています。
さらに、高性能グラスウールの断熱材は、壁だけでなく天井にも施工し、家をすっぽりとくるんでいる状態です。
壁・天井・窓すべてが多重構造になっているので、高い防音性能を標準仕様で実現しています。
参考:竹内建設「快適性・断熱

こちらの施工実例は、標準仕様の断熱壁・窓サッシの採用で、外の喧噪を気にせず、気持ちよく寛げる空間を叶えました。
コンパクトなのに満たされる26坪の家

実例2:断熱リフォーム


竹内建設では、既存住宅のリフォーム・リノベーションも承っています。

既存の内壁を撤去してスケルトンリフォームを実施したこちらのお宅では、壁・天井に新しい断熱材を吹き込み直し、気密性と断熱性を回復させました。さらに窓サッシは複層ガラスに交換し、窓から伝わる音も軽減させています。

冬の暖かさ・夏の暑さ対策は当然ながら、防音効果も高められたリフォーム実例です。
断熱リフォーム施工ギャラリー

実例3:内窓取り付けリフォーム


内窓の設置も、防音対策のひとつです。
こちらの実例では、アパートの既存サッシの内側に内窓取り付け工事を実施しました。窓自体が二重構造になったことと、気密性が高まったことで、防音性能がアップしました。
結露や隙間風も軽減され、断熱性と防犯性も高められるリフォームです。
アパートの内窓取付工事

防音対策でよくある質問

新築時の防音対策について、疑問に思われることの多い3つのトピックについて解説します。

Q.新築で防音費用を抑えつつ効果を出すには、窓・壁・床のどれを優先すべき?

防音費用を抑えつつ効果的な対策を行うなら、抑えたい音の種類で優先順位をつけましょう。たとえば、外部の騒音や生活音の音漏れが気になるなら、窓対策を優先するのが有効です。窓は、音の出入りが多い場所であるため、少ない予算でも対策によって効果を得られやすいでしょう。

子どもの足音などが気になる場合は床の強化、特定の部屋や水回りの音をカットしたい場合は、壁の防音対策が有効です。抑えたい音の種類によって優先順位を考え、効率的な防音対策を講じましょう。

Q.洗濯機・冷蔵庫などから出る音を抑える簡単な方法はある?

家電からの振動音は、防振マットや防振ゴムを活用しましょう。脚下に防振パッドや防振ゴムを置くと、洗濯機や冷蔵庫の振動音が床に響きにくくなります。
多くの商品がホームセンターなどで販売されていて手軽に設置できるので、DIYに慣れていない方でも安心です。

Q.新築時の防音対策で活用できる補助金はある?

新築時の防音対策では、一定の条件を満たすと国や自治体の補助制度が活用できます。

空港や幹線道路、自衛隊の飛行場周辺など、騒音が懸念される特定のエリアでは、防音工事に補助金が使える可能性があります。該当するエリアで新築工事をするときは、事前に自治体の窓口などで詳細内容を確認しましょう。

なお、既存住宅の防音リフォームでは「子育てグリーン住宅支援事業」「先進的窓リノベ2025事業」を活用できます。
子育てグリーン住宅支援事業の支援対象は、生活騒音への配慮に資する窓・ドア、先進的窓リノベ支援事業は窓ガラスの交換や内窓の設置などが対象です。

最新の新築住宅の補助金制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【2025年度最新版】札幌市で新築住宅に使える補助金完全ガイド

参照:防衛省「住宅防音工事の助成
参照:千歳市「航空機騒音に伴う住宅防音工事の助成事業 [防衛省事業]
参照:独立行政法人 空港周辺整備機構「住宅防音事業について
参照:国土交通省 「子育てグリーン住宅支援事業
参照:環境省「先進的窓リノベ2025事業

防音対策のご相談は竹内建設へ

竹内建設では、防音性や断熱性、気密性を重視した住宅を設計しています。高性能グラスウール「スーパーフィル」など、世界基準に合致するレベルの断熱材を採用し、高断熱かつ高気密空間の実現が可能です。ご要望やご予算に応じて、家族の快適な時間を守るための最適なご提案をさせていただきます。

新築だけでなく、断熱や防音性能を向上させるリフォームも対応していますので、ご相談ください。騒音を気にせず、家族の時間を快適に過ごせる家づくりをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

▶無料相談のお申し込みはこちらから

まとめ

新築の防音対策では、抑えたい音で優先順位を立てましょう。車の走行音をカットしたい場合は防音ガラスや樹脂サッシを選ぶ、足音の伝播を抑えたい場合は遮音性の高い床材を採用する、といった具合です。

建築後でも、自分で手軽に実施できるDIYの防音対策もあります。対策に迷う場合は、リフォーム業者などに相談してみてはいかがでしょうか。防音性を重視した家づくりで、ストレスのない快適な空間を実現しましょう。

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